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#23. それは、まさしく、OKY

インドに戻り2週間が経った。もうなのかまだなのか、とにかく2週間。空港に到着し、イミグレを通り外に出た瞬間の「Sir Taxi!」「Sir Taxi!!」という呼び込みの声。いやいらんて。10月のインドはまだ暑かったが、このむせ返るような懐かしい熱気は気温の暑さからくるだけのものではない。1年半ぶりにこの地へ帰ってきた。またここで働き生きていくのだ。

現在インドでは政府指導の厳密な隔離規定が無い為、フライト翌日から通常の出社。久しぶりに会ったスタッフが喜んでくれたのが嬉しかった。初めて会うスタッフもいたけど、親切に色々と対応をしてくれた。

日本に退避帰国していた時もインドの仕事をしていたので、似たようなペースやスタイルで仕事を進められるかなと考えていた。日本では必要に応じて本社への出社・顧客訪問を行ったが、後は全て在宅勤務。面談や会議はリモートで賄える。自由度の高い働き方は自分にはとても合っており、理想のライフスタイルに出会えた気がしていた。移動時間が無いのは大きいね。

が、が、が、いざインドに帰って働き出すと何だかめちゃめちゃに忙しい。戻った週はまた生活に慣れる為のリハビリ期間としていた為あまりアポ等の予定を入れなかったが、それが無くても様々な問い合わせや打ち合わせがあり猛烈に忙しい。とりあえず勤務初日を終え「え、何これ...」とグッタリしてしまい、帰宅しご飯や筋トレもそこそこに布団へ。一過性のものだろうと気持ちを切り替え翌日出社したが、1やってる間に3くらい追い連なってくる。うーん、何故だ...

理由は色々あるが、1つこれはということが。それは、本社の「インドいけいけどんどん」感がめっちゃ強くなっているということ。まぁ要は、「インドのような急激な成長市場の国はビジネスも活況でしょ?バンバン開拓して仕事増やしてね」ということである。有難いこと(?)に、サポート(?)という名の元、色々な仕事を増やしまくってくれているのである。いや、本当に。何じゃそのレポート要求?本当にいるのか?それ読んで何する気?時間が足りない理由は、ただでさえ少ない日本人体制でやってるのに、その意味の無い(ように自分には思える)予測見込みの作成とかに時間がかかるからなんじゃー!おらーー!!
はぁ、はぁっっ......ぐっ......

まさに「言うは易し行うは難し」である。敵とまでは言わないが「何の仕事を増やしたいのか謎」と思う時はままある。社内向けの、内向きの仕事を増やしたいのか。その報告を上げさせてそれで満足なのか。そこから何か発展させるアイデアや取組みにどこまでヒト・モノ・カネを入れるつもりなのか。人に時間をかけさせておいて、それを「読んだらお終い」とおざなりにするのならば、それはこちらのやる気を削ぐ行為以外の何者でもない。各種分析や動向等知りたければ、経済誌やニュースサイトでも読んでてくれ。本当にやる気があるなら、どうかやる気を出さないでくれ。と、そんな不満が少なからずある中にいると、やはり思うのはタイトルの言葉。

O = お前が

K = 来て

Y = やってみろ

である。これは自分が作った言葉ではないし、略して一笑いを取るDAI語でもない。駐在員間では通じる言葉である。駐在国や思いの多寡を問わず海外駐在員が感じることだとは思うが、とりわけインドは本社の注目度(と期待度)が高い企業が(恐らく)多く、その「机上の空論」に辟易とする方の話はよく聞いた。

ウチで言えば「インドに力を入れる!」と息巻くのは良いけど、マンパワーも投資も全然足りてないのである。勝手に盛り上がってるのをこちらは冷静にというか少し(?)冷めた目で見ている。勝手なイメージで、勝手なこと言ってんじゃねぇ、と。そんなに言うなら、お前が来てやってみろ、である。会社の規模や業務展開、インドをどのように位置付けているかで区々だけど、やはり本社の役員を駐在させている会社は、言葉だけでなく本当に力を入れているのだろうと思う。本社のお偉いさんをインドに配置している会社がある。その内の1社はインド国内(日系企業の中のみならず、インド企業及びその他外資を含めたインド全域)で圧倒的なシェアを誇っている。相応の裁量権を持った人を配置することで、相当にビジネス展開のスピードを意識しているのではないかと思う。会社の本気度が全然違う。

と、つらつら書いたけど、インドで働いていることは個人的にはプラスでしかない。猛烈で大変だけど、バリバリ働いて「今日も1日頑張ったな」と眠ることの気持ちよさよ。

駐在歴もぼちぼち3年半。大体5年くらいで配置変えとなるのが通例かな。あとどれだけいるか分からないけど、気張ってくぜ。

End.

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