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悪夢の仔細

先日見た夢。
あまりにもパニックホラーだったので、何となく残してみる事にした。
感情が揺さぶられた夢を見た時はこのようにしたためていこう。



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四季折々の花が有名な寺。
広大な敷地の中で群を抜いて有名なのは桜だった。
私は花見委員会に向かう為、道を急いだ。
花見委員会というのは、この寺の青年部が花見の時期の土日に迷子案内をしたり怪我人の手当をする係だ。

今年から私もその役を担うことになったのだ。
本部と書かれたテントの下、折り畳み椅子に座った。
『あの、すみません。シャベルありますか』
見ると小柄のギスギスした体格の男性が立っていた。
歳は50ほど。痩せているのにエラが張っていて眼鏡をかけているせいで顔が大きく見える。
『シャベルですか。何に使われるんですか?』

『木の根元が金色に光っているので…』

『はあ?』
『とにかく来てください』

挙動不審な上に、ギョロギョロと忙しなく動く目玉は出目金を思い出させる。
この人にシャベルを渡したら木が傷付けられてしまいそうだ。
様子からいって、何がなんでもシャベルでその場所を掘り起こすだろうことは容易に想像できた。
私はシャベルを片手に、引っ張られるままに歩く。

桜の下に到着すると、根の上の土が確かにボコリと盛り上がっていた。
根を縦線とすると、土が十字になるように横断している。
まるで盛り付けたような形になっているが、土の雰囲気から今さっきこの形になったわけでもなさそうだ。
表面は乾いていて、端は苔むしている。
この男の悪戯ではないだろう。
『ほら、光ってるでしょう』
男はそう言うが、自分にはただの土塊にしか見えない。
『早く掘ってください』
仕方なく、土に金属の先端を入れた。(続く)



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一応Wordに書き起こしてあるのだが、もうちょっと手を加えて次を載せようと思う。

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