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【クリニックの適正運営】①【医療とピアノ】

病院勤務医から開業医へのシフトを促さないような診療報酬体系

4月16日の日経のWeb記事で「財務省は16日の財政制度等審議会で、開業の規制や地域別に差を付ける診療報酬を提言した。厚生労働省も対策の検討を始めた。」とありました。財務省のWEBサイトを検索して調べましたところ資料がありました

(PDFへのリンク)https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20240416/01.pdf

その中で特徴と課題というものがシェーマにありました

そしてそれ以下のPAGEでは非常に多くのページを割いて課題開設と対策案について書かれていました。 これはこれからの方向性を見るのには非常に役立ちました。一言でいうと「。。。。。。」(言ってないじゃんと言われそうですが)

国家としての限られたリソースの中でどうMANAGEするかを考えて作られた資料ではありました。
m3.comの記事(ログイン要です)からの抜粋ですが

・大都市部で医師や診療所が過剰になり地方では過少となる傾向が続くとして「診療所過剰地域」での新規開業規制や1点当たり単価の引き下げ

・病院勤務医から開業医へのシフトを促さないような診療報酬体系

・従来から求めている経営情報データベースで職員の職種別給与・人数の必須項目化などの検討

・医学部定員については、「大幅な削減が必要になる」

・有用性低い医薬品の自己負担増

医療者としてお伝えしたいことは山盛りですが、基本は多くの国民の皆さんは「そうだそうだ」と納得するものでしょう。 ここが逆に医療者には問題なのです。「だって、、、 そんなこと言ったって、、、」という声は上げるべきだと思いますが、大きな流れは問題があってもスケジュールに則って淡々と進められるでしょう。

・高校生であれば医学部に行くモチベーションは?
・医学部生であればどういったキャリアを考える?
・病院勤務医であれば開業を目指すか否か?
・開業医であれば今後乗り越えるべき荒波にどうすべきか?

医療は聖域ではなくマクロな国家運営の中で語られるあくまで産業や業界の1つという俯瞰的な視点でものを見るトレーニングのためには良いきっかけだと思います。

患者さんも我が事化


しかし、患者さんもこういった医療環境が厳しくなるとフリーアクセスが制限されOUT OF POCKETで支払うものが増えてくるということを認識しなくてはなりません。m3.comの記事の最後にもあった
「有用性低い医薬品の自己負担増」

 医薬品に関しては、セフルメディケーション推進の観点から、スイッチOTC化を進めること、有用性の低い医薬品の自己負担を増やすことや、薬剤費の一定額までを自己負担とするなどの対策を主張。

実際にこの秋からは「患者が長期収載品希望した場合に「患者に特別負担」を求める仕組みを2024年10月から導入、院内処方も対象だが入院患者は対象外」との記事も見られます(https://gemmed.ghc-j.com/?p=60160

実際に、すでに医師の働き方改革で 夜の救急に医師の数が減っていたり、土曜の外来が閉じたり、紹介状なしに大きな病院かかれば自己負担が数千円自費でかかるなどじわじわと実感されているかと思いますので。

医師も患者さんも相互理解していく必要があるかと思います

点数によって流れを変える(ピアノと医療)


診療報酬で医療制度を誘導するというのが医療の仕組みですのでこれについては粛々と従わなくてはなりません。しかし、これによってどんなドミノ倒し的な医療の流れになるかは自分自身でいろんな想定をしながら考えていかなくてはなりませんね。これからドラスティックに変わりそうですね。

最近見た日経の記事で、中国におけるピアノの販売台数が半減したという記事がありました。原因は何か想像できますでしょうか?

記事からの抜粋ですが「当局が教育政策を転換したことにより入試での芸術加点制度がなくなり、景気回復の遅れも加わってピアノ離れが一気に進んだ。中国市場の変調を受け、世界の楽器メーカーが事業の再構築を迫られるなど影響が広がっている。」

同じようにこれから点数誘導がどんどんでてくると思いますので医療分野でもドラスティックな動きがどんどん加速すると思います。
医療に入ってこようとするお若い世代、すでにどっぷり肩までつかっている我々は考えなくてはなりませんね


(再掲)オレゴンルール


アメリカオレゴン州の衛生局の玄関には、医療の三原則を示した「オレゴン・ルール」が掲示されています。すなわち「すぐ、いつでも診てもらえる(free and easy accessibility)」、「質の高い医療が受けられる(high quality)」、「安い医療費(low cost)」の3つですが、「国民は3つのうち2つは自由に選択できるが、3つとも求めることは不可能である」と云うものです。
日本では 医療従事者の貢献によって奇跡的に3つとも提供できていると言ってもいいのではないでしょうか? 
しかし、それは本当に心から助けてあげたいと思う気持ちもありながらも無理をしている、または撤退すると責められるという気持ちからもあったかもしれません。しかし、こういった国の制度が変わることで考える切っ掛けになればいいですね。 


(再掲)医療機関の運営と経営


これも以前書きました、これまでは医療機関の多くは運営視点がメインだったのではないでしょうか?
・フリーアクセス
・出来高制

つまり、患者さんがたくさん来てくれて、医師にたくさん残業してもらってというモデルでした。

しかし、これからは 医師も残業たくさんできない。患者さんも紹介状なければ大きな病院にかかれない。落ち着いた患者さんを逆紹介しなくてはならないというシーリングが下がったモデルになるわけです。

これが先日の記事で最後に書いた「これは運営思考から経営思考へのシフトチェンジ」が必要になるのかと思います。

以前の記事(その頃はFBに書いていました)に書かせてもらいましたが

<医療機関の経営と運営① スポーツ大会> 医療機関は非営利であるという前提があります。以前から非営利の定義が難しいなと思っておりましたが、平成 16 年度 厚生労働省医政局委託の研究「病院経営をはじめとした...

Posted by NYAUW on Sunday, October 20, 2019


<医療機関の経営と運営② 医療機関> 医療サービスの価格は、医療機関自らが決定できない制度となっている為、旧来の医療機関は「経営」ではなく「運営」に終始しているところが多かったという経緯があります。 つまり、診療報酬が高く設定されてい...

Posted by NYAUW on Sunday, October 20, 2019

運営と経営にジレンマを書かせていただいております。


これは運営思考から経営思考もも

医療機関といえども聖域ではなくなり他の業界と同じようなルールが適応されていきますので、マクロ視点を医師も持つ必要があります.


今日はここまで


(再掲)960時間時代に起こることは 「じゃない」

・タスクシフト(これまで医師がしていた仕事を医者「じゃない」 看護師さんや薬剤師さん)
・IT化(これまでのアナログ「じゃない」)
・AI診断(これまでの経験「じゃない」)
・オンライン診療(これまでの対面診療「じゃない」)

【ヨーロッパ文明における軍事革命の背景軍隊を維持するための【人件費が重かった】ので武器が発達した】

【ゴールドマンサックスでは2000年には600人のトレーダーが2017年には2人にまで。この背景にあるのは人工知能技術。この技術を呼び込んだのはトレーダーの【人件費が高かった】ことだ】

【イノベーションの多くは人件費の問題のないところをターゲットにしないのである。【医師の人件費は?】リフィル・認定看護師などは【医師の人件費】をターゲットにしていないですか?】

井手「つまり医師がいなくても良い部分は出来るだけ減らそうとする未来が見えませんか?」
XYZ先生「以前も 怖っ!といった記憶があります

「じゃない」数珠つなぎでDr探し

最初のドクターAは「私Dr.Aの専門性じゃない」ということでDr.Aが知る【より確度の高い】Dr.Bにつなぎます。そしてDr.Bが「私Dr.Bの専門性じゃない」ということでDr.Bが知る【より確度の高い】Dr.Cにつなぐという形で藁しべ長者のようにより適切な医師に出会う確率が上がるのです。

診診連携でも病診連携でも【じゃない】症例を相手に送らないように気遣いをしなくてはならないんです。そして クリニックの院長のように経営や評判が我が事化している先生方は紹介先の重要さをご理解いただけると思います。そして紹介先情報というのがGOOGLEではわからないと。ですので【いつもの紹介先をシェアしましょう】を十分にご理解いただけると思います


病院の個々の先生方は毎日多忙な勤務をされていて、経営や評判について我が事化していないので病院の管理側の方々が率先してケアして行く必要があると思うのです。大病院はクリニックの紹介先なんて知る必要ない?です。必要あると信じます。

「クリニックの紹介先必要だというストーリーわかった!」という病院の働き方改革担当の方 ご連絡下さい

これまでは医師個人の参加というのを前提に設計しておりましたのでまだ病院の方の参加の仕方などは考えている最中ですが 実験的に参加したいという病院関係者の方是非連絡いただけると幸いです

メッセンジャーかメール tokyoeyeasagaya@hotmail.comで)



他の医師を探せないように 自分も探されていないという【ため息】を解決したい


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