見出し画像

『MOURNING into DANCING』 #6

"Thou hast turned for me my mourning into dancing" Psalm 30:11

「あなたは私のために、嘆きを踊りに変えてくださいました。」詩篇30:11

不慮の事故により、両足切断も免れないというほどの重症を負う。先の見えない日々、血の滲むようなリハビリ生活、しかしその中で受け取った多くの励ましと愛が障害を乗り越える力となっていく。福原タカヨシの手記。毎週金曜日更新。


第6話 『Step by Step』


2015年5月
日ごとに炎症の数値も下がり、食事もだいぶ摂れるようになっていた。上半身は健康体だったので、ベッドの上では毎日ウェイトを使って筋トレをしていた。仕事柄、事故以前から体幹を鍛えていたのが功を奏した。車椅子に乗るときも、上半身で体を持ち上げることができた。

学生時代、僕はサッカーをやっていた。はっきり言ってセンスはなかったが、体を動かすことは嫌いではなかった。大学に入り、スポーツを続けるか音楽の道を選ぶか考えた結果、僕は音楽を選んだ。
大学では、学生聖歌隊に入り、のちに軽音楽部にも所属した。また学外では、当時まだ日本では数えるほどしかなかったコンテンポラリーゴスペルクワイヤーに入っていた。ディレクターは、ニューヨークから来日していたJAZZシンガー、Sandi Blair氏。バンドメンバーも全員アメリカ人のファンキーな連中で、そこで僕は本物のゴスペル/ソウルを体験した。

ここから先は

2,040字 / 3画像

¥ 120

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?