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2-12 組織を失敗に導く「責任のバイアス」

また、筆者は本書で相手の努力に対して自分の貢献を高く見積もる「責任のバイアス」について述べている。責任のバイアスとは、相手の努力に対して自分の貢献度合いを高く見積もってしまうことである。

筆者曰くこれはテイカーが犯しやすい誤りで、協力関係が失敗する大きな原因になる。例えば、よくある話でいくと、「みんなのモチベーションが低くて困ってるんです問題」が挙げられる。私はあるキャプテンに「他のメンバーに自分と同じぐらい頑張って欲しい」とモチベーションの低いメンバーをどう巻き込むか試行錯誤するがうまくいかず、「自分は頑張ってるけどうまくいかず悩んでいる」と相談されたことがある。そこで感じたことは二つある。
まず一つ目にキャプテンというものは単なる名札に過ぎず、「キャプテンだから他のメンバーよりも貢献している」という責任のバイアスにかかっていないか注意が必要であること。
二つ目は「モチベーションが低い」ことは切り取り方によって誰にでもあることを理解した上で、もし仮に「モチベーションが低い」状態が継続的に続いていた場合、①なぜモチベーションが高い方がいいのか,②どこにモチベーションの低下ポイントがあるのか,③自分ができる&効果的な改善アプローチは何なのかを明確にした方がいいということである。
基本的に以上のことをわかっていれば、チームが変わるまで試行錯誤し続けられる。頑張ったけどうまくいかないは責任のバイアスの第一歩だと自戒したい。

考え方の違うメンバーと協力してやろうとしているのである。自分の思い通りにいかなくて当然だし、結局どれくらいの思いを持ってチームと向き合うかだと思う。そして本気ならば、チームに対するアプローチの量をさらに増やすかやり方を変えるだけだ。
このようにリーダーのありたい未来を叶えるためには圧倒的な我慢が必要である。先を見据えるからこそ目の前の苦しみから逃げずに向き合い、本当に全員の幸せを考えられているのかを自問自答する必要がある。

そして、以下のようにも述べている。

うまくいかないときは自分が責任を負い、うまくいっているときは、すぐにほかの人を褒めるのである。”p.144
“「誰もが自分も貢献できると思えるような雰囲気を社内につくり出そうとしてきました。何度失敗してもいいんです。」と彼はいう。これは「心理的安心感」と呼ばれ、不利になったり罰せられたりする心配もなく、リスクを冒せることをいう。p.145

自分もこのようなギバー的思考でありたい。

最後までありがとうございました!