2-2 楠木建氏によるgiverの解説から読み取る目的設定の重要性

監訳者の楠木氏によると、

“「自分にとって意義のあることをする」
「自分が楽しめることをする」
この条件が満たされれば、ギバーは他人だけでなく、自分にも「与える」ことができる。自分が認識する「意義」のもとに、他者と自己が一体化するからだ。他者に対する共感と愛着が生まれる。こうなると、ギブはもはや犠牲ではない。何のことはない、真のギバーはギブすることによって他者のみならず、意義に向かって仕事をする自分自身を助けているのである。だから自然とギブするという成り行きだ。”p.010

 と述べている。つまり、決して自己犠牲的になるのではなく、相手にgiveすることによって自分のためにもなるという循環を自ら創り出すのである。
また、

“ギバーになるということは、「仕事とは、いったい何のためにするのか」ということを、突きつめるということだ。”p.011 

と述べている。このことからリーダーのスタイルとしてgiverの道を歩むためには目的を明確にすることが求められる。
「何のためにキャプテンになったのか?」
「何のためにこのチームで勝利を目指すのか?」
「そもそも、なぜ大学で多くの時間をスポーツに捧げているのか?」
この問いに対する答えを明確にする必要がある。何故ならば、この答えが曖昧だと自分にとって不都合なことが生じたりチームとしてしんどくなってきたときに自分がリーダーをする目的とチームをしんどい状況から救うためにgiveするというアクションを繋げられないからだ。繋げられないということは保身に走ってしまったり、いざというときに踏ん張れなくなってしまう。だから「何のために?」を突き詰めることはリーダーとして非常に重要であることがわかる。

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