見出し画像

2-5 give行動は長期戦

また筆者は以下のようにも述べている。


“だがそうはいっても、与えることが望ましい結果を生むかどうかは、その「与え方」にもよるのだ。これは与えることの重要な特徴の一つで、これから本書を読んでいくなかで常に念頭に置いてもらいたいことでもある。人を思いやることが、成功と相容れない場合もあるだろう。一方が得をすれば他方が損をするというゼロサムゲームや、どちらか一方が勝つか負けるかという関係では、与えることが利益をもたらすことはまずない。
しかし、世の中の大半はゼロサムゲームではない。最終的に、ギバーは見返りを手にすることになるといってよい。
・・・
ジョワ・ド・ビーブル・ホテルを創業した著名な起業家チップ・コンリーは、こう説明する。「ギバーであることは100メートル走では役に立たないが、マラソンでは大いに役に立つ」”


2-3,4で述べたように、過程でのgive行動は結果の価値を高める上で効果的だが、とはいえ結果が出なければ個人としても組織としても「口だけ」で終わってしまう。会社が利益を出せなければどれだけ理念が素晴らしくても倒産するのと同じことだろう。しかし大学スポーツに倒産はまず無く、教育の一貫であることがほとんどだ。また、結果という面においてはスポーツは勝者がいれば敗者がいるゼロサムゲームであることに間違いはないが、成功の定義を例えば10年後に社会に貢献しているとすると結果での勝ち負けが成功か失敗かはわからなくなる。
リーダーを任された1年間で成果を求めることは非常に絶対必要であることが前提で、「長期的に考えた時にこのチーム・この部員に対してのベストとは何か?」について考えることも同じように重要だと考える。従っていつ効果が出るかはわからないが、目的を持って(たとえ今年目に見える成果が出なくともこれからのために)長期的にマネジメントすること自体が大学スポーツの価値を高めることになるはずだ。

最後までありがとうございました!