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LUCKY CAFE 【ビエンチャンのオシャレカフェ兼バーにて】

先ほど夕食を食べに行ってきた。ソンクラン1日目の夜ということで、通りを歩いていくと、どこからともなく、ズンドコ、ズンドコとディスコ音楽が聞こえてきた。

飲み屋やバーの類の店に親しい人たちが集まって、騒いでいるようだ。

歩いていたら、アイアンマンの大型のフィギュアをショーウィンドウに飾る店があった。

好事家というのはどこにでもいるらしい。(いや、好事家と言ったら持ち主に怒られるかもしれないが、こういうフィギュアはビエンチャンの街中で耳目を集めるものであろう)

夜になっても蒸し暑かった。スマホで温度を確かめたら、38度であった。暑いはずである。今日も昼間はそんなに長距離を歩いてないはずだったが、どうにも体がぐったりとしてきて、夕方から19時ぐらいまではベッドでゴロゴロとして体を休めた。

さて、先ほど、最初に行こうとしたレストランはイタリアンの店であった。目的地まで後200メートルほどというところまでたどり着いたが、その店のある通りまで行ってしまうと、ソンクランの水かけ祭りの集団と完全に遭遇してしまいそうだった。

ソンクランでは水をかけられても怒ってはならないとされているし(怒るのは野暮だということだろう)、まあ、水をかけられた方はビショビショになって苦笑いをするぐらいが関の山だろうが、私はどうしても水をかけられたくなく、来た道を引き返したのだった。

まあ、歩いていればどこかに空いているレストランがあるだろうと思ったが、ちょうどたまたま『SOKDEE CITY HOTEL』に併設された、『LUCKY CAFE』という店を見つけた。

オシャレカフェ兼バーのような風合いの店である。

そこに入ってみた。

私が頼んだのはポークシチューセットとサラダだった。

あまり量を期待してなかったのだが、最初にサラダが来た時にその量に驚いた。

大皿にこんもりと野菜が盛られている。サラダだけでも満腹になりそうだった。

シチューの方もアジアンテイストのスープが付いており、これもまた中々の美味であった。

これにコーラもついてしめて、160,000キープ(1231円)であった。

そんなに腹も減っていなかったので、随分と残してしまった。

それから店を出て泊まっているホテルの方へと歩き出した。やはり、ズンドコ、ズンドコの大音量の音は聞こえてくる。皆、はしゃいでいるなあ、浮かれ騒いでいるなあと遠巻きに眺める気分であった。

だが、これまで東南アジアで働きながら、私はタイ人やベトナム人と接してきたわけであるが、どうもタイ人やベトナム人の中で、こうしたお祭り事に対して斜に構えるような人はいなかったように思う。

印象深い人がいた。それはタイのアユタヤの工場で働いていた時のことであるが、その時もソンクランの水かけ祭りが工場の敷地内で行われたのだけれど、普段は真面目であまりはしゃぐようなタイプではないタイ人の男性が、水かけ祭りでは率先してびしょ濡れになっていたので、私にはそのひとの姿が印象に残っているのである。

その男性は品質管理を担当していたが、普段は真面目な理系の優秀なエンジニアという感じだった。

そういった祭りが東南アジアで行われる時には、一緒になってバカになって騒がないと同じ仲間として認められないような東南アジア独特の同調圧力は確かにある。

でも、そういう祭りを斜に構えて冷めた態度で見るような心的態度というのは、近代の文明が高度に発達し過ぎてしまい、保護するべき伝統的価値さえも、もはや存在しない文明国出身の日本人が抱える宿痾かとも思えた。

そういう観点から言って、私は祭りだなんだと言って浮かれ騒ぐ東南アジアの人々に、逆に賢さを発見する。彼らは意識的にか無意識的にか分からないが、自分達の伝統を守らなければならないと認識しているので、ああやって、ズンドコ、ズンドコ踊り騒ぐのだろう。

もちろん、人間だから彼らにも元々、クールなひとや、物静かなタイプもいるはずなのだが、そういうどちらかといえばインドア派の性格の人も含めて、祭りにはちゃんと参加しているようなのである。

まあ、このあたりの東南アジアの人々の伝統的な振る舞いや、文化に対して外国人として付き合っていくのは中々骨の折れる作業ではある。

例えば、ベトナムなどでは、酒の席でかなりの酒を飲まされるという文化がある。

あと、私が経験したのは、ベトナム人の同僚から食事に誘われた際に、ゲテモノを食わされた事であった。そのうち、これも記事にしようと思うが、孵化した後の卵だとか、カブトガニだとかを食わされた。

私はアジアゴロを自称する手前もあって、そういうゲテモノだろうとなんだろうと食べなければゴロが廃ると思い我慢して食べたが、結構、きつい経験ではあった。うまい、まずいに関係なく、彼らが好きな食べ物で、一緒になってその食べ物を食べてあげるのが大切なのだ。それが彼らの文化を理解し、尊重しているという姿勢を示すことになる。

そんな事柄を考えながらホテルまでたどり着いた。暑い日であった。明日も暑いに違いない。ビエンチャンは、いい天気が続いている。


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