ラーメンを食べた。

この美味さは、塩加減にあると思う。
決して健康的とは言えない塩分量。
江戸の時代から炭鉱で石炭を掘り続ける家系に生まれ、物心つく前からボタ山で遊びまわり、縄跳びやけん玉を覚えるより先にツルハシの使い方を学び、草花の性質や物体の運動を知る前に土砂災害や落盤の恐ろしさを思い知った少年が、いつしか炭坑夫となり、同じ町の幼馴染と所帯を持ち、いずれは子宝にも恵まれ、その子に炭太郎などと名付け、炭太郎が江戸の学校に行きたいと言うので、調べてみると江戸の物価はこの炭鉱町の5倍はすると聞き、えらいもんだと驚いて、今まで以上に精を出して、炭鉱に入り、日の出から日の入りまで途方もなくツルハシを振り続けて、流した汗が小川となって流れていき、ゆくゆくは一本の川となり、やがて大河となって民に恵みをもたらすようになると、この炭坑夫の名前がつけられた。
それくらい汗を流さないと食べてはいけないくらい塩が入っている。
でも美味しい。「塩分は美味しい」、そのことを思い出させてくれる味だ。


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