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久々のカラオケでキーを2つ下げてみた件

前回の音楽カテゴリーマガジンで、『ボイトレ』研修に参加したお話しを書きました。
コロナ禍で人前で唄う機会がトンとなくなり、いや、その前から久しく親父バンドも休止していましたし、同僚とカラオケに行くこともなくなっていました。

人間の声帯というのは、使っていない音域が発声しにくくなったり、また加齢によって柔軟性が失われると自ずと発声できる音域幅が狭まります。
それは職業歌唱家プロヴォーカリストとて例外ではなく、永年に亘って声帯を鍛えているにも関わらず、いや逆に永年に亘って声帯を酷使しているが故に、その劣化も早まって当然なところを日々の鍛錬によって劣化速度を遅らせているだけなのかもしれません。

振り返れば、若い時分から男性としてはそこそこ高音が出せる自負はあって、学生の頃から男同志でハモる楽曲は必ず上パートを担当していました。
(中学高校の時から『アリス』のコピーバンドをっていましたが、その時はどうしても谷村新司パートが歌いたかったので下メロ担当でしたが…)

酒類メーカーに就職し、20代半ばから営業職に放り出されると、若くしてスナックやクラブといった夜の社交場に訪問することが仕事となり、商談の合間合間にカラオケの順番が回ってくるような時代でした。
そこで、歌唱のお上手なお姉さんたちに、或る時は褒められ、或る時は叱咤され、お陰様で歌唱力は一般のサラリーマンの中でも『お上手ですねぇ』とお世辞を言っていただける程度には上達しました。
(一部には、発声方法がなってないとか、感情を込め過ぎて聴き苦しい等、辛辣なご指導も多々いただきながら成長して参りました…)
そして40歳前後で約20年振りにギターを抱えて『アリス』を唄う、相方とハモる機会を得て、おそらく私の『歌唱人生』の中では最高潮の時期だったかと思っています。

※発売当時、原曲キーで唄うアリス↓

その当時、高校卒業後20周年だか30周年だかの同窓会があり(男子校でしたので野郎ばかりですが…)、そこで烏滸おこがましくもギター弾き語りを披露した折には、中高の時のフォーク同好会仲間から『高校当時よりも今の方が明らかに声が出てるなぁ』と言われて悦に入っておりました。

そしてそれからさらに10年だか20年を経て、親父バンドを再開したり新しい仲間とカラオケに行く機会も徐々に増えた中で、明らかに高音域が下がっていることに気付いて、愕然としたわけです。
40歳代に出せていた最も高い音が、半音ないしはそれ以上、下げないと唄えない状況に…

ただ、往年のフォーク少年として45年来ずっと見守ってきたプロ歌手を見渡せば…
アリスの二人は、過半の楽曲を1全音ほど下げている。上ハモリだったベーヤンが下ハモリになってたりも。
‘80年代アイドルと呼ばれた女性歌手が50代になってテレビに登場する場合も、大幅に下げている。
旧ジャニーズの元アイドルだって、中年になって40歳くらいから下げている。
吉田美和さんに於いては、サビのハイトーンパートを客席に唄わせて自身は下ハモリするとか(笑)
もっと言えば、昨今大人気の30歳前後のバンドでも、数週間に及ぶ全国ツアーでは声帯を温存する為に敢えて落とすこともよくあります。

一方で、ポリシーとして発売当時の原曲キーから下げないアーチストも多数。
小田和正さんや山下達郎さんは、頑なに原曲キーのまま唄いきる。
Toshiさんや西川貴教さんも、しっかり原曲キー。
アルフィー(高見沢俊彦さん)に至っては、発表当時の原曲キーよりも上げているとの噂も。
我が敬愛する松山千春さんの場合は、原曲キーにこだわるあまり『軽い放送事故』も発生しておりますが…(苦笑)

※カポを外して1全音下げて唄うアリス…↓

因みに『原曲キー』というのは、そのオリジナルの歌手が唄った時に最も心地良く聴こえる音域に設定したキーであって、その楽曲自体が最も美しく聴こえるキーという意味ではありません。
ただ、名曲と呼ばれる楽曲ほど『原曲キー』での音源が衆人の耳に馴染んでいますもので、少しでも下げられると違和感を覚えるわけです。

そして私自身も、先日のさるお楽しみ会でアリスの代表曲2曲を1全音(2メモリ)下げて唄ってみました。
いやぁ、ラクちん。
高音部を絞り出して苦しい想いをしなくて済む分、頑張って唄っている感は削がれますが、『音楽=音を楽しむ』という行為に於いては実に気持ちよい。
尤も、たまに参加する『アリス・トリビュートバンド』のライブに於いては、同じ楽曲でも『1980何年のどこそこドームバージョンで』とか細かく拘るメンバーが多いので(苦笑)、おいそれと落とせないのですが、一般のカラオケでは年齢相応にキーを落とした方が、唄う本人も、聴かされる周りも幸せなんじゃないかと思えてきた今日この頃でございます。

最後に、カラオケ好きな中高年の方々にワンポイント・アドバイス。

① カラオケの機種にも依りますが、『原曲キー』の他に『標準キー』というボタンがある場合、これはその楽曲を選曲するだろう年齢層の素人が一番唄い易いキーに設定してあります。
概ね『原曲キー』の1~2半音下になっています。無理に『原曲キー』に挑戦して、首を絞められた鶏のようになるよりは、まずは『標準キー』に頼ってみるのも良策です。

② 異性のアーチストの楽曲を唄いたい場合、そのままのキーで唄える方も稀には居ますがたいていはキーの選択に悩まれています。目安として『プラマイ4』と覚えておきましょう。
男性が女声曲を唄う場合には、+3~5に調整してオクターブ下で唄います。女性が男声曲を歌う場合には、-3~5に調整してオクターブ上で唄います。
オクターブというのが専門用語っぽいですが、要は低いドに対して高いドのことでその音程差が半音で12個分あります。即ち、プラス3~5というのはマイナス9~7と同じ。マイナス3~5というのはプラス9~7と同じ音域で唄えます。
難しい?
ま、理屈はいいので『プラマイ4』を基本に自分の唄い易いキーを探せばよいかと思います。

ちなみに、ですが。
カラオケの採点機能は、音程の正確さを判定するのにキー設定は関係ありませんので、高得点を狙うのであれば、見栄を張らずに2つほど下げてみるのも一つの策かと思います。
知らんけど…

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