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『整髪料』が1986年からアップデートできていない件

水曜日はオヤジのファッションに関する考察を。
前回、シルバーヘアのお話しで『毛髪そのものの存在が危うい方々』をないがしろにした感は否めませんが、そんな方も『かつて存在した頃』を思い起こしながらお読みいただければ幸いです(苦笑)

若い頃は毛髪がブイブイ唸っていましたので、根元から元気に立ち上がった髪を整髪料で押さえつける必要がありました。
逆に最近は、毛根に力がなくペシャンと寝ているのを生え際から立ち上げるのに、やはり整髪料が欠かせません。

メンズ向け整髪料の世界でも、それなりに流行り廃りというか時代によるムーブメントはありますね。


まず1970年代、昭和の高度経済成長を支えたサラリーマンの七三分けオールバックを整えたのは、『柳屋ポマード』と『丹頂チック』でした。ロックンロールな若者や暴走族のリーゼントヘアをガチガチに固めていたのも、ポマードでした。
(因みに当時のバイクにはヘルメット着用義務がありませんでしたので、暴走族にとってヘアスタイルは大事なファッションでした…)
うちの父親世代になると、『柳屋』・『丹頂』から『MG5』と『MANDOM』の時代に。そう、チャールズ。ブロンソン!

マンダム 男の体臭ポスター チャールズ・ブロンソン(1970年)

50歳未満の方には信じられないかもしれませんが、当時の日本では毎晩洗髪する習慣がなく(家庭によっては毎日入浴する習慣すらない)、ヘアドライヤーも全家庭には普及しておらず、皮脂と寝ぐせで固まった髪を水で濡らしてポマードチックを櫛で撫でつける、というのが男性の整髪法でした。
なお、チックという名称は、化粧品全般を指す英語コスメチック(cosmetic)を略してつけられたようです(笑)


次に昭和の男性の髪を整えてくれたのが、ヘアトニックヘアリキッド
ヘアトニックには整髪力はなく、頭皮のお手入れ化粧水。育毛・養毛を謳う商品もありますが、医薬部外品です。ヘアリキッドは髪にツヤと香りを与えるスタイリング剤。
この2つを使えば、まさに昭和のオヤジの香り!
ゴルフ場や温泉旅館の大浴場の洗面台に必ず置いてあって、ここぞとばかりにオヤジ達が頭にペチャペチャと振りかけていたやつです(笑)


その後、1980年代後半に登場したのが、ヘアムース
正式にはスタイリングフォームと呼びますが、1986年に『資生堂メンズムース』のTVCMで松田優作が『泡で髪をセットする』仕草が大ブレーク。それ以来、スタイリングフォームではなくムースで定着しています。
松田優作が『つけ過ぎるなよ、これくらいでいいんだ』と掌にゴルフボール大の泡を出してましたが、実際にはスケルトンブラシにたっぷり乗っけて使っていました。

さらにその時代、デップが登場します。
正しくはディップ(dip lotion)ですが、当時はデップと発音していました。今ではジェル(Styling Jel・Hair Jel)と呼ばれているものです。当時は乾かすと白い粉が落ちたりしていましたが…


さて、いよいよ2000年代以降はワックスですね。
今の若い層は、中高生時代から一番馴染んできた整髪料かと思います。
クリームタイプ・ファイバータイプ・マットタイプ等、種類も多くて使い分けがたいへんそうです。ムースやジェルの場合は、Super Hard・Hard・Wet・Softくらいしかありませんでしたから。


と、ここまでご紹介しておきながら…、ワックスが使えません(泣)
美容室でカットする度に『今日は仕上げ、どうしときます? ワックスで立たせますか?』と言われて『お願いします』と答えるものの、その使い方が覚えられない。
いわゆる束感とかエア感とか…、再現できません。
美容師さんと同じように自宅でもやってみようとワックスを買って帰るのですが、やっぱりうまく使えない。
結局、昔からやり慣れた方法、スケルトンブラシにムースを乗っけて髪をかきあげるようにセットしてしまうのです。

いろんな事でトレンドを追って勉強してきたつもりですが、こと整髪に関しては ハードムースとウェットジェルがあればなんとかなる、という私であります。

※トップ画像は、MEN'S FASHION PLUS 2021/10/11 よりお借りしました。

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