「沙耶の唄」感想

2.3年前に買ったまま棚の奥底で眠らせていたゲームのひとつです。
せっかくなので感想を書きました。

ニトロプラスの有名なやつですねはい。
プレイ時間は全ルート(3つ)通しても6時間程度とかなりお手頃。
また、お値段も約1000~2500円程度とこちらもだいぶやさしいです。
この世の中には3000円が1分でなくなる10連ガチャなるものが存在するみたいですがこのゲームはたった1000円で半日遊べます。

外側の話はこの辺にして中身の話に入っていきます。
簡単にあらすじをまとめると、交通事故の後遺症で人や植物、建物など目に映るもの全てがドロドロの肉塊や異形の怪物に見えてしまうようになった主人公「郁紀(ふみのり)」、そんな彼が唯一普通の人間として認識できる少女「沙耶」、そんな2人を軸に話は広がっていきます。

プレイを終えてまず思ったことが、文章の質が高く、読み物として非常に優れています。
エロゲーというよりサスペンス小説を読んでいるのに近い感覚です。普段エロゲーをやらないような方にも是非一度手にとってプレイしてみて欲しいですね。

触手、グロがフィーチャーされがちな本作ですが根底にあるテーマの1つに純愛があると思われます。主人公の郁紀は作中を一貫して沙耶に一途で彼女だけを愛し続けます。また、沙耶の方も中盤以降から「郁紀の喜ぶこと」を自発的に行うようになり2人は次第に共依存に堕ちていきます。

本作ヒロインの沙耶です。華奢な体躯と外ハネの髪が可愛らしいです。
これを書いていて気づいたのですが、髪の毛のシルエットがち○こみたいですね。
大体察しがつくので先に書きますが、彼女は人間ではないです。
普通の人間が異形の怪物に見えてしまうのとは反対に、普通の女の子として映る彼女こそ異形の怪物そのものなのです。

√の感想に入ります。
普通にネタバレします。

①病院エンド🏥
郁紀の脳を交通事故以前の状態に戻す術を手に入れた沙耶の「戻りたいか」という問いに応じることで分岐します。
自分の醜い姿を見られ、拒絶されることを危惧する沙耶に「そんなことはない、君の声が聞きたい、君の姿が見たい。」と変わらず愛することを誓う郁紀。イケメンすぎますね。
このゲームを純愛ゲーたらしめるルートだと思います。
初見時はバッドだと思いましたが全√通した後だとむしろ1番ハッピーエンドなんじゃないかって思えてきた√です。

2.3√の感想の前に少し補足説明を加えます。
このゲームは一生二人のイチャラブを見ている訳でないので当然他にも主要なキャラは出てきます。軽く紹介します。
【涼子】郁紀の担当医師です
【大学の友達(青海、瑶、耕司)】事故前に交流のあった人達です。青海と瑶はアレによってアレされます。
【奥涯】沙耶の秘密を知るキーマンです。この人物の手がかりを探すことがこの物語の目的の1つでもあります。

②開花エンド🌺
最終決戦前に直接郁紀に電話することで分岐します。
崩壊する世界の中2人で愛を誓うっていう感じのやつですね。メリーバッドエンドって言うんですかねこういうの??
それまでの醜悪さと開花の瞬間の神秘的な美しさとの対比が良かったです。
僕はこういうのに弱いタイプのオタクなのでこれを最も良かった√に推させていただきます。
サブタイトルの『それは、世界を侵す恋』をそのまま体現したようなエンドでした。ブラボー

③耕司エンド🪓
最終決戦前に涼子に電話すると分岐します。
ホモ√じゃないです。便宜上そう名付けているだけです。
涼子の手助けもあり、郁紀との最終決戦に勝利した耕司ですが彼を待っていたのは幻覚や幻聴、悪夢に魘される毎日。
登場人物の殆どが死に、また誰よりも他人のために尽力してきた耕司が報われない胸糞エンドでした。多分1番badです。

読んでいただきありがとうございます。
気が向いたら新しいのも書こうと思います。

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