【夢シリーズ】スピリチュアルの力で人を救えるのか?
*夢の部分で生死に関わる過激な場面、女性が襲われる場面の描写があります。
苦手な方はお控えください。
天からメッセージを受けることに憧れを抱いている人が、私の元にやってきます。
スピリチュアルに興味がある人は、一度はそのような奇跡体験をしたいと思うでしょう。
そして、メッセージを受けている人に何か言葉をもらいたいと、お金を払って聞きにきます。
私は常に「一億総霊能者」であり、誰もがメッセージを受け取ることができます。
この瞬間も毎日受け取ってるのですよ、とお話ししています。
それをお伝えすることに、ここ数日疲れを感じていました。
そんな時に、旦那さんが
「天からのメッセージなのか知らないけど、もう疲れた」と
朝から涙目で訴えてきました。
彼は自分でよくメッセージを受け取っていて、それを「天啓」といって、とてもありがたく大事に扱い、仕事もプライベートも邁進してきました。
神々を信頼しているし、今、大成功していることにも感謝しかないのです。
適当な言葉ではないのは、よくわかっていました。
天からのメッセージって、結局、誰のメッセージなのかよくわからないし、変なの多いし(笑)、どちらかというとこちらに負担になることばかりです。
無理難題を押し付けられることも、しばしばです。
ただ、私たちもわかっているのです。
この課題を乗り越えると約束したので、目の前のことをしっかりやろうと。
今までそうやって成功してきた実績がありますからね。
でも、本当に理解不能なことが多いし、一体何のためにやらなきゃいけないのかすらわかりません。
ものすごくストレスが溜まるのです。
私も一体何の根拠で、何のために、メッセージをお伝えするなどと大それたことを言ってるのだと、再確認することが頻繁にあります。
ちょうどその時期とストレスがぶつかってしまいましたね。
私はさすがニコイチだなと、旦那さんの切実なる吐露に耳を傾け、ひとしきり聞き終わった後、今日見た夢の話を始めました。
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(ここからは夢の話)
ミシガンの自宅にアメリカ軍のような、特高のような、ゲシュタポのような人たちがやってきて、私を逮捕しました。
理由はアメリカ人でないから、だそうです。
旦那さんが気が狂ったように叫んで、特高に抵抗しています。
私は夢だとわかっているので、冷静に
「大丈夫だから!すぐ帰ってくるから。そんなに叫ばないで!余計なことしないで!抵抗しないでね!」と
大きな声で叫びました。
旦那さんが大きな目に涙をいっぱい溜めて、軍人たちに抑えられながら、裸足のまま玄関でもがいているのが、胸を締め付けました。
「私にはカミがついてるから!やることやって待っててね。」
普段言った事もないセリフが、雷鳴の如く鳴り響いて、そのままトラックに詰め込まれました。
家がどんどん遠くなっていきます。
詰め込まれる際に棒で押された箇所がちょっと痛かったです。
トラックに乗っていたのは、気の強そうな黒髪のラテン系女性が隣にいて、奥の方には家族全員で乗せられたグループがいました。
アジア人は私一人でした。
隣のお姉さんに質問しました。
「どこに連れて行かれるの?」
お姉さんはキッとこちらを睨んで
「知るわけないでしょ。」と冷たく言い放ちました。
長い間トラックに揺られている間に、場面が残された旦那さんにうつります。
私が連れ去られた後、近所の人たちが集まって、旦那さんをなだめ、慰めてくれました。
その日は夜遅くまでパニックし、あちらこちらに救出のために連絡をしてくれたようです。
翌日、再び特高が自宅にやってきて、私の罰金を払えと言ってきたのです。
旦那さんはそれで妻が帰ってくるのかと尋ねたところ、そんなわけがないだろう、お前が逮捕されないだけマシと思え、と言われました。
これ以上面倒なことにならないように言われた罰金を小切手で払い、特高は帰っていきました。
私に「やることをやって待ってて」と言われたことを思い出し、翌日からまた仕事に励んでいましたが、どんどんやつれていく様子が、とてもかわいそうでした。
トラックは随分と遠いところにやって来たようでした。
着いたら女性軍人に乱暴に棒でつつかれ、誘導され、身ぐるみ剥がされました。
薄汚いパジャマみたいな服に着替えさせられ、暗い湿った牢屋に連れて行かれました。
入れられた牢屋には、日本人女性が集められていました。
私が入ると縮こまって寝るくらいのスペースしかなく、多くの人が小さくなって座っていました。
私は軽く挨拶しながら、奥の壁際まで歩いていき、ちょこんと腰を落ち着けます。
たくさんの日本人女性がいるので、妙に安心しましたが、皆暗い顔でとても静かでした。
部屋には小さなトイレ一つと、高い天井に近いところに鉄格子のついた豆腐くらいの穴が空いていて、寒い風が入って来ていました。
小さい声で、誰に聞くわけでもなく
「これからどうなるんですか?」と囁いた瞬間、バババババババと、とんでもない音量の銃声が聞こえました。
女性たちの悲鳴が上がり、私も目が飛び出さんばかりに驚いて耳を抑え、地面に伏せました。
一気に恐怖のレベルが上がります。
奥歯がガタガタしました。
恐る恐る座り直すと、向かい側のおばさんが私に向かって
「ああやって、毎日誰かが殺されるのさ。」と言い放ちました。
ところが、私には誰も殺されていないと思えました。
ただの銃声です。
誰も死んでないと思ったのです。
夢だからそうなのか。
根拠のない変な確信があったにも関わらず、すっかり怯えてしまい、牢屋の女性たちもさらに小さくなってしまいました。
夜が来て、いつの間にか眠っていました。
うっすらと夜が明け、寒さに凍えて起きると、小さな便器から悪臭がします。
何とかまともな状態に戻し、自分の座っていた場所に戻ると、毎日の虚空蔵菩薩のご真言を唱えなきゃと思い出しました。
カウンターもないので、床に爪で薄く棒を何本か書き、それを目安にものすごく小さな声で唱え始めました。
すると誰かが
「気持ち悪いからやめて」
「変なことして目立つと殺されるよ」
と私を叱りました。
申し訳なく頭を下げたあと、声に出さず、手も合わさず、ただ目を閉じて、心の中で唱えました。
囚人服のズボンの裾が破けてぶらついているのを発見し、思い切って破くと、その小さな布切れで座っていたところを軽く拭いて掃除しました。
ガシャンと牢屋が空き、二人の軍人が入って来ました。
入り口に近いところに座っていた、30代前半の細い女性が無理くり立たされ、抵抗も虚しく連れて行かれました。
助けてあげる事もできず、皆、目を逸らすばかりでした。
「嫌だ、放して!」と泣きながら叫ぶ女性の声が牢屋いっぱいに鳴り響き、遠くなっていきました。
「あれは、やられるね。」
初老のおばさんがボソッと呟きました。
「やられるって、レイプですか?」
「それ以外ないでしょうよ」
なんで助けてあげられなかったのだろう?
助けるって、何ができるの?
どうして一緒に立ち向かわなかったのだろう?
そんなことしたら、自分も連れて行かれるじゃない。
この問答の繰り返し。
床をじっと見つめて、彼女がどうか無事に帰って来ますようにと祈るしかなく、帰って来たとして、何ができるのだとまた自問自答しながら、1日が過ぎていきました。
朝になって、細かった女性はさらにか細くなって、放心した姿で戻って来ました。牢屋に放り投げられるように入れられ、少し顔にアザをつけて。
皆、一瞬注目しましたが、すぐにまた目を逸らし、誰も声をかけませんでした。
私はどうしても彼女から目を離すことができず、ただじっと見つめていました。
ふらふらと顔をあげて、私と目が合った彼女は持てる力を目に込めて
「いいね、オバさんは。」
と弱々しく言いました。
そして、突然高々と短く笑い、悔しそうに泣いていました。
「オバさんで、ごめんね。」
すぐに猫まんまみたいなご飯が運ばれてきて、泣きながらそれを食べました。
ハグしてあげることも、涙を拭いてあげることもできず。
ただ、その日は誰も彼女の泣き声を制する人はいませんでした。
何回も眠れない夜を迎え、いつの間にか朝が来て、銃声が響き、時に誰かが連れ去られ、病気や自死で少しずつ人がいなくなりました。
手足はヒビが割れてきて、唇から血も出ていました。
今頃、旦那さんはどうしてるだろう?
こんな姿を見たら、すごく怒って大変かもしれない。
ここにきてどれくらい経ったのだろう。
考えていたら、思わず口にしていたのでしょうね。
壁際のお姉さんが「○月△日だよ」と答えてくれました。
「え?」
「ここに来た時から壁に穴あけてるから。」
小さなキズを壁につけて数えていました。
「すごい!」
久しぶりに元気の源が湧いてくるようでした。
ここに来て21日。
21日か〜ダイエットや日拝の修行してたんだっけな…。
その時です。
天から声が聞こえました。
ピンポンパンポ〜ン
【さあ、あなたの出来うる限りの力を使って、牢屋の人を救いましょう!】
たったら〜ん♪
は?
出たわ。この展開。(笑)
【はい、でも答えなくてもいいです。分かりきったことです!】
すると向こうから若い女の子がキズだらけの膿んだ体を必死に近づけてきて言いました。
「あなた、毎朝お経唱えているわよね?」
「は、はぁ…。」
「わたし、どうせもう助からないの。うまく天国に行けるように祈ってくれる?」
言われた通りに手を握って祈るしかなく、一晩祈って気がついたら、女の子は冷たくなって亡くなっていました。
【はい、次〜!】
天の声と共に場面が変わり、さっきとは真逆の使命感に燃えた私がいました。
「皆さん、日本人は祈りの力が大変強いと言われています。今こそ心をひとつにして、この困難を乗り越えましょう!」
そう言って、自分の周りの人と手を繋いで祈ります。
そうこうしているうちに、何かの教祖みたいに女性たちが頼りにしてきます。
中には傷が治ったなどどいう人が出てきて、祈りの輪が大きくなりました。
祈っているときに、また激しい銃声が聞こえます。
「大丈夫です。あの銃声は偽物です。弾が入ってないし、透視で見えていますが、誰も殺されてはいません。」
私は高らかに皆に告げました。
女性たちの顔がみるみる元気を取り戻し、恐怖から立ち上がっていくのがわかります。
その時、一人の軍人がまた誰かをさらいに来ました。
腕を掴まれた女性が
「あたし、知ってるんだから!あんたたちの銃はおもちゃで、私たちを恐怖に縛り付けているだけじゃない!怖くも何ともないわよ!」
そう言って、兵士の手に噛みついた瞬間、
パァン
いつもよりトーンの高い銃声が響き、女性は頭を撃たれて死にました。
目をカッと見開いたまま、ごろっと転がった死体は、こちらを見て喋り出しました。
「嘘つき。」
【はい、次〜!!】
天の声は私の「待って」も聞いてくれません。
今度は女性が二人、目の前にいて、その方々もレイキをお持ちだということで、朝な夕なに、この牢屋と女性たちにレイキを流して祈っていました。
毎日、何が起きても微動だにせず、ただただレイキを流していました。
あまりに深く没頭したために、どのくらいの時間が過ぎたかわからなくなっていました。
ふと目を開けると、レイプされた女性は舌を噛み切って自死して、カレンダーをつけていたお姉さんは途中から放棄して、横たわったまま動かなくなりました。
一緒にレイキを流していた人もいなくなり、残ったのは廃人と自分だけ。
力なくすくっと立ち上がり、カレンダーのお姉さんが座っていた場所に写り、壁に小さな穴をつけました。
神様、私にできたのはこの小さな穴を開けること。
毎日、ご真言を唱えること。
猫まんまを食べること。
そして、自分だけが生き残ってしまいました。
誰も助けることはできませんでした。
悔しくて、悔しくて、大泣きしました。
わんわん泣きました。
もちろん、天からは何の返答もありません。
泣いて泣いて、夢から覚めました。
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私は、占術は人に道を示すことはあっても、誰かを思うように動かしたり、強制したり、救ったように見せるものではないと思っています。
それは、まじないです。
もちろん、力のある占術師は呪いのスキルもあります。
でも、呪いだけでは道を踏み外すと思っています。
だから、常日頃
「扉を開けるのは皆さんです。」
「みんなそれぞれに自分のメッセージを受け取ることができます」と
個人カウンセリングの注意にも書いてあります。
この夢を通して、ひとつ、私の中で改めてはっきりしたことがあります。
救うのではなく、生ききるためにやっているのだと。
私や、私を訪ねる人たちが、自分の人生を最後まで生きて全うするためにやっていることなのだと。
私にはよく、このように再確認する機会があります。
その度に階段を登り、また新しい扉を開いています。
このように激しい夢は多くありませんが、毎度気づきをいただいています。
この夢は私と旦那さん、そしてこの記事を読んでくださった方へ、満月の癒し&浄化としてお裾分けさせていただきます。
ちょっとストレス気味だった旦那さんは、ちょうど息子も遊びに来ていたので、猫まんまではなく、焼肉屋で腹いっぱい食べてご機嫌です。
おかげさまでこれからも頑張れます。
ありがとうございます。
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