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扉が開くとき

※作品内容のネタバレがあります



映画『BLUE GIANT』を観ました。

2019年にロンドンの大英博物館で開催されていた漫画展で、宮本大君がサックスを吹いている姿が壁一面になっていて、それがものすごい迫力で、以来ずっと気になりつつ、出会わずにここまで来た作品。

音楽には詳しくないし、ジャズもまだほとんど知らないけれど、ジャズという音楽が、これほどまで熱くて感動的な体験になるのだと知りました。プレイヤーの人生があってこその音楽だということも。

田中慶子さんのVoicyチャンネルで、映画の「登場人物」の方による裏話があり(!)、それが劇場(Dolby Atmos)で観ようと決意したきっかけでもありました。作中で奏でられる音が、いかに本物であるか。そして登場人物たちが目の前で生きていること。
あれは異次元の生ライブだと思います。震えないわけがないんです。


ものすごく特殊な空間で、ずっと夢見心地でしたが、実は、一番泣いたのはわりと最初のほうでした。大のサックスをはじめて聴いた雪祈が、「才能? いやたった三年…どんだけやってきたんだよ」と号泣するところ。

大がチャンスを掴んだのは、アキコさんによるライブハウスの紹介があったから。アキコさんの心を動かしたのは、彼女がかけたレコードを聴いた大が、今の天気で曲を選んだという事実を見抜いてしまったこと。

本当に好きで好きで、ひたすら積み重ねて、掘り下げまくって、誰も知らないような場所ではじめて手に入る自分だけの感覚が、ふとした瞬間に彼の道を開いたのだなと、素直に感激しました。物語だから、なんて到底思えなかった。
夢を叶えていくって、きっとそういうものだと信じています。

私は原作を知らなくて、語られていない物語が裏には山程あるのだと思うけれど、きっと本質は伝わっていて、この映画を作って下さった方々には尊敬と感謝しかありません。

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