よしザわ るな

都内出版社の見習い編集者。東京23区の端っこ、練馬区で生まれ育っています。batons…

よしザわ るな

都内出版社の見習い編集者。東京23区の端っこ、練馬区で生まれ育っています。batons writing college 1期生。食べるマガジン『KUKUMU』で連載中。ご飯のこと、お酒のことばっかり書いています。週末の夜は日本酒とあんきもで優勝したい。

マガジン

  • 食べるマガジン【KUKUMU】

    • 38本

    「ひとくち、ひとやすみ。」がコンセプトの食べるnoteマガジン、KUKUMUです。4人のライターと、ひとりの編集者でお届けしています。毎週水曜日、夜21時ごろ更新予定。現在はお試しの気持ちも込めて無料ですが夏以降は有料にし、収益でzineなどにまとめられたらと思っています。

  • 『KUKUMU』の別腹

    • 22本

    記事を書くライター4人と、マガジンを主宰する編集者1人が、それぞれ『KUKUMU』について書いたnoteです。決意表明だったり、あとがきだったり、考えていることだったり。別腹として、お楽しみください。

  • 酒気帯び日記

    美味しかったお酒のこと。今週末のデートに、自分へのご褒美に、お店を選ぶ時の参考にしてもらえたら嬉しいです。

最近の記事

春風

コロナによる規制も緩和されてきたものの、私の会社はありがたいことに在宅勤務が続いている。始業ギリギリまで寝て、パジャマのまま働ける環境は本当にありがたい。余裕で昼寝だってしちゃってるんだから。 そういうわけで、今日は月が替わってから初出社だった。 いつも通りバタバタ支度をする朝、いつも通りの通勤路、改札にタッチしたらチャージが足りてなかった。チャージしている間に電車を逃した。あぁ、もう最悪。これだから出社はいやなんじゃ、とイライラしながら電車に乗ると、なんだかいつもと少し

    • この1杯で、明日も良い日になりますように #KUKUMU

      18時00分49秒、よし、今日は最速記録かもしれない。私は、冷蔵庫のチルドからトップバリュの発泡酒を取り出し、ぷしゅっとプルタブを開けた。 幸運にも、在宅勤務が基本の会社に勤めている。残業はほぼゼロのホワイトな企業なので、よほどのことがなければ18時に退勤することができるのだ。やることがない平日は、退勤から何秒で飲酒ができるかのタイムアタックを開催している。これがあると、ラスト30分の集中力もグッと上がるものだ。 手元の350ml缶を見てふと思う。私は1年に何リットルお酒

      • 性の生しぼり|『全部を賭けない恋がはじまれば』を読んで

        高円寺、池袋、渋谷、五反田、東京に上京してきた「私」とは生活圏が近いようで、駅前の雰囲気がありありと目に浮かんでくる。「もしかしてあそこか?」なんて考えながら、物語に出てくる街のホテル街を思い出す。読み終わる頃には、この物語が小説であることをすっかり忘れてしまっていた。そう感じさせるくらい、どこにでもある特別な物語の数々が綴られている。 「忘年会」の話が特に好きだった。登場人物が全員若くて、勢いがあってめっちゃバカだ。品も無ければ、金も無い男女の浮ついた集まり。こういう所で

        • 家系キャンディ #KUKUMU

          人生で一番食べているお菓子は、不二家のポップキャンディだと思う。チャランポランだった4年間の大学生活で、少なくとも100本は食べているはずだ。特別に好きという訳ではなく、自分で買ったことさえ一度もない。では甘い物をあまり好まない私が、なぜそれほどに砂糖の塊を摂取していたのか。それは、一軒のラーメン屋のせいなのである。 通っていた大学の東門から徒歩3分、私には行きつけのラーメン屋があった。「武蔵家」という横浜家系ラーメンの店だ。 東京を中心に、埼玉、神奈川、千葉にも店舗があ

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        • 食べるマガジン【KUKUMU】
          38本
        • 『KUKUMU』の別腹
          22本
        • 酒気帯び日記
          11本

        記事

          ニーハイと妬み

          ニーハイが流行りだしたのは、小学生のときだったと思う。第一次ブームかどうかはわからないけど、確かにあのとき、ちょうど10年前の2012年頃の平成はニーハイが流行っていた。 ジーパンか半ズボン(しかも男物)しか持っていなかった当時の私に、ニーハイを履く余地は皆無。だがしかし、クラスの中にはいたのだ。ショートパンツにニーハイを合わせて来る「おしゃれ女子」が。中でも印象的なのは、黒髪ロングのキッコちゃん。髪がつやつやで、目が大きい。おっとりした喋り方で、ランドセルは赤紫だった。今

          ニーハイと妬み

          【15年ぶり】きくらげが脇役?ハァ?舐めないでいただきたい!【食べ物しらべ】#KUKUMU

          小学校は嫌いだったが、2年生の学習発表会はちょっと思い出に残っている。 あのとき、私たちの学年は「食べ物調べ」をやらされた。好きな食べ物、嫌いな食べ物、なんでもいいので調査対象を決め、まとめたものを発表するのだ。 トマト、ピーマン、じゃがいも、卵などをテーマにする子が多いなか、当時の私が選んだのはきくらげ。 学習発表会当日に配られたしおり(たしかオレンジ色)には、誰がどの教室で何時から何のテーマで発表を行うのかタイムテーブルが書かれていた。1組から4組、理科室と家庭科室

          【15年ぶり】きくらげが脇役?ハァ?舐めないでいただきたい!【食べ物しらべ】#KUKUMU

          いま1番こわいもの

          「結婚」という言葉にナイーブになっている。 悪友のイムハタが結婚するんだそうだ。サークルのOBライブのMC中に発表しやがった。ちょっとカッコイイじゃんかよ。 彼は私の2つ上のバンドサークルの先輩で、もう何度も何度も、飽きるほど杯を乾かしている友達だ。鳥貴族で朝まで緑ハイを飲んだり、はしご酒後のカラオケで朝まで爆睡したり、深夜の赤羽をさまよったり、泥酔いした私を介抱してくれたりと、イムハタとは酒の思い出が嫌という程ある。 友達が多い陽キャタイプで、飲み会が大好き。ただし酒

          いま1番こわいもの

          秋は冴えない

          たぶん、私は10月後半と相性が悪い。 気候の変動から体調が安定せず、気持ちもなんだか無気力で気を付けないとぼーっと沈んでいってしまう。秋の花粉症で鼻がプチパニックを起こし続け、目の周りも調子が悪いのでいつもより顔面コンディションも悪い。お酒は相変わらず美味しいけど、心身に染み渡る感じがなくて、ダラダラと飲んでしまう。 最近は特に生活が乱れていて、夕方に気絶するように眠ってしまい、深夜に目が覚めてしまうと朝が来るまで眠れない。「なんとかせねば~」と、意識がはっきりした状態で

          秋は冴えない

          長らく毎日noteに取り組む気力を失っていたのですが、今日からリハビリです。七転び八起きでがんばるぞ

          長らく毎日noteに取り組む気力を失っていたのですが、今日からリハビリです。七転び八起きでがんばるぞ

          ドハマりしているバンド「Suspended4th」の話をしたい。

          最近の若者としては珍しく(?)よしザわは酒・タバコ・音楽が大好き。 音楽にも色々あるけど、ロックとパンクはそこそこ聞く方です。狭く深く聞くタイプなので、多くは知らないけどドハマりしたバンドの曲は何回も何回も聞いています。 なんだこのベース!? で、最近ドハマりしているのは「Suspended4th」(サスペンデッド・フォース)というバンドです。通称「sus4」(サスフォー)。コード(和音)からバンド名を付けているところもイケてる。 最初に聴いたのは「ストラトキャスター

          ドハマりしているバンド「Suspended4th」の話をしたい。

          鬼の色と人間の欲望

          10月のKUKUMUもなんとか投稿できました。 いつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。 短編小説ではあるんですが、5000字近くなってしまいました。もっとスパン!と短いお話も書けるようになれば良いんですけどね~。 「大豆界隈」がテーマでありながら、大豆よりも鬼について詳しくなった1カ月間でした。そんな鬼の知識をちょっとご紹介しようと思います。 鬼の色は5色 よく知られているのは赤鬼・青鬼ですが、黄色・緑色・黒色もいます。カラフルで可愛いなぁ~と

          鬼の色と人間の欲望

          ひとつぶの夢 #KUKUMU

          鬼が人を襲うと恐れられていたのは、随分と昔の話だ。本物の鬼を見たことがある人間など、もうこの現代には残っていない。 かつて鬼退治に精を出していた人間たちは、いつの間にか人間同士で戦うことを好むようになったらしい。人間は弓矢だけでなく、銃と呼ばれる飛び道具を使うようになり、そのうち火が出る車に乗るようになった。暴力に特化した生物に生身で立ち向かうほど、鬼も馬鹿ではないのだ。 人間が増え、自然が減っていくとともに狂暴な鬼たちは居場所を失っていった。人間から姿を隠して生きていく

          ひとつぶの夢 #KUKUMU

          「かつめ」をみつめる#4

          「かつめ」とは、こちらのエッセイマガジンのことです。 エッセイってわかんね~と思っている私がやること 8月のキーワードは「Tシャツ」と「台風」でした。(はやくしないと9月が終わっちゃうから急いで私) 高校球児の夏の思い出……といっても、誰もがドラマのようにメラメラと甲子園を目指しているとも限らないらしい。運動部の経験がない私にとって、兼子さんのエッセイで描かれる漢の世界は遠く離れたもののように見えるのだが、一方で、兼子さんの心情は運動が苦手な私ともリンクする部分があって

          「かつめ」をみつめる#4

          「かつめ」をみつめる#3

          「かつめ」とは、こちらのエッセイマガジンのことです。 エッセイってわかんね~と思っている私がやること 8月のキーワードは「Tシャツ」と「台風」でした。 たなべさんが7月に書いた夏ど真ん中のエッセイです。noteに感想を書くのが遅くなってしまったので、もう9月だし、ここ最近は少し涼しくなってきてしまったけど、このエッセイを読むとクーラーがないとどうしようもない夏の日々を思い出す。たった2ヶ月で気候変わりすぎだよ。 活発な少女のたなべさんと、ベッドで横になる「大きいおばあ

          「かつめ」をみつめる#3

          君のサバカレー #KUKUMU

          21歳の秋、初めて人の顔面をグーで殴った。 付き合って1年3ヵ月と11日目の夜、佑介の入浴中、彼の携帯に「アヤ」からハートがいっぱいのLINEがきた。言い逃れのできない浮気である。なぜなら、過去にも佑介は「アヤ」と浮気していたから。再犯だ。 「佑介、ねぇ」 風呂の扉を開けて通知画面を突き出すと、彼は慌てて携帯を奪った。 「あー……いや、これはそういうんじゃなくて」 長い前髪を伝って水滴が落ちる。全裸男は、目を泳がしながらいつもより早口になって言い訳を続けている。数日

          君のサバカレー #KUKUMU

          「かつめ」をみつめる#2

          「かつめ」とは、こちらのエッセイマガジンのことです。 エッセイってわかんね~と思っている私がやること 8月のキーワードは「Tシャツ」と「台風」です。 8月の「かつめ」をざーっと見てみると、キーワードをタイトルに入れているのはいちかわさんだけだった。なるほど。確かに、最初の段落と最後の段落にキーワードを入れるルールだけど、タイトルに入れるかどうかは任意だ。キーワードを存分に使うのか、ちょっとしたアクセントのように使うのかもよく見てみよう~と思った。 "彼女"としてのいち

          「かつめ」をみつめる#2