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誰が殺したクックロビン。

 「一度きりの大泉の話」(萩尾望都著)っていう本を読みました。

 マニアの間では、発行された当時、大騒ぎになった本だったらしいです。ちなみに、奥付を見ると2021年発行になってます。全然知りませんでした。
 てなわけで、乗り遅れることハヤ2年…(笑)

 私も昔の漫画マニアなので、もちろん萩尾先生のファンでした。中学2年生の多感な時期に「ポーの一族~小鳥の巣」を読んで頭がグラグラしました。もう、読んだときには一気に魅せられて、その場で10回ぐらい読み返したような思い出があります。(そのあとはずっと毎日読み返してました)
 難しい内容で、半分はよくわからなかったのかもですけど、当時の少女にとっては、心臓をわしずかみされるようなショックでした。

 まあ、信者の多い作家だと思います。

 それに引き比べると、竹宮恵子先生はそこまでの「信者」はいないかもです。だから、真向対決してしまうと、外野席は、もはや甲子園球場での阪神対広島戦みたいなことになってしまうかもしれません。(ほぼ9割が阪神ファンというような(笑))

 いろんなレビューを先に読んでしまってたので、どんなドエライことを竹宮はしたんかね?とか思って読んでたんですけど。それが。

 長らく不思議に思っていました。なんせ、竹宮先生のエッセイとかでは、常に萩尾先生と同居していた大泉サロンのことが懐かしい感じに書かれていたのに、萩尾先生のエッセイには一切竹宮恵子のことが書かれてませんでしたから。

 私的には、勝手に萩尾望都と竹宮恵子は実は百合な関係で、愛が破れて別れてしまったからじゃないかな~。とか思っていました。
 まあ、完全に妄想です(笑)

 そんなわけで、この本を読んだ正直な感想は…
「そんなことで50年以上も根に持つんだね…。」
とかいうものでした。うっ、すみません…。

 20代の女の子たちの団体だと本当に些細なことで揉めます。この本を読みながら、私も大学の漫研時代の色んなイザコザを思い出しました。
 なんせ、私は昔からあんまり空気の読めない人だったので、洗濯機の中に放り込まれたハンカチみたいな目にしょっちゅう遭っていました。
 特に「嫉妬」とかはタチが悪かったです。

 しかし、もうええやん。竹宮先生はもう、すっかり負けを認めてるんだし。とか思いました。
 こんなん言ってやったら竹宮先生が気の毒やないの~。二十歳そこそこの子が言ったことやん。みたいな。

 あー…でも、ガラスのように繊細な萩尾先生だから、70歳代中盤になってもそれが許せないんだなあ…。だ~れが殺したクックローッビンッ♪それはわたし。と雀が言った。
 萩尾先生はクックロビンだったのね。そうですか。雀は竹宮先生だったんですか?

 それにしても、「風と木の詩」と「トーマの心臓」って、似てるようで全く似てないですよね。
 どっちも子供のころに読んだけど、風木は気持ち悪くてとてもじゃないけど途中から読めなくなりました。

 しかしあとで、だいぶん大人になってから風木を読むと、案外面白くて、全巻大人買いしたことがありました。意外と後半が胸にグッときました。
 ちなみに竹宮先生は今頃になって、「ジルベールは少女で、児童虐待を告発する漫画でした」とか言ってますけど、それは「残酷な神が支配する」を意識した話で、全然そうじゃないと思います。

 「背徳のゴシックロマンを書こうとしました」
で良いのに、言い訳してしまうところが男らしくないです(男じゃないです)
 竹宮先生も萩尾先生の呪縛から離れたほうが良いんじゃないかと思いました。

 

  

 

 

 
 

 
 
 

 

 
 

 

 

 

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