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スポットライト 世紀のスクープ

 春爛漫ですね。
いやもう、ニュースサイトとか見てたりすると、明日にも台湾で戦争が起こりそうだし、入管法が酷いことになってるとか、ジャニーズが、とかあるんですけど。
 
 しかし、私個人のご近所周りは到って平和です。
 おばちゃんやおっちゃんは、ほわほわのパピヨンとかマルチーズのお散歩に忙しいし、正直、町中見渡したところ日本人らしき人しか見当たらないです。外国の人については、すっかり日本人みたいな雰囲気になってしまってる西洋人(白人種)の人をたまに見かけるくらいです。

 そんなわけで、首都圏でデモとかやってるのを見ても、
「そんなこともあるんだねぇ……」
てな感じです。
 平和でそこそこ幸せなので、
「ヘタに変化を求めない」って気分はホントに実感します。

 よくネットで「フィルターバブル」とか言って、レコメンド機能のせいで同じ価値観の泡の中に閉じ込められている、って言われますけど、現実社会の地元生活のほうがよっぽど「フィルターバブル」な気がします。

 そんなわけで、リベラル系の政治家の人が、色々と「良いこと」を主張してくれてるんですけど、なかなか他人事で切迫感がないというか。

 もしかしたらそういう感じの、平和な地方都市「ボストン」のお話がこの「スポットライト」って映画なのかもしれません。普通のボストン市民は穏健で気のいいキリスト教徒なのです。そして、神父さんは見た目も感じの良い、とても優しげな人で市民の尊敬を集めています。
 地元紙の記者も、そんな平和なところでローカルなニュースを書いてるだけの仕事をしています。

 そこにマイアミから、ユダヤ人で腕利きの編集長がやってくる、っていうお話です。

 ユダヤ人だから、当然キリスト教徒ではないし、神父に対しても何の予断もありません。地域に対しても、まったくの「よそ者」です。

 ところが、そんな「平和」な街で、しかも神父による児童の性虐待が明らかになる。っていう。
 「平和と平穏」を願って穏便に済ましてしまおうとする人たちと、穏便に済ましてしまっていては「被害者」が増えるだけ、と思う人たちの間で摩擦が起こっていきます。

 そんなわけで、この映画、意外と面白かったです。社会派映画かもですけど、ちゃんとエンタメしてました。アメリカ映画なだけありますね。

 それにしても現実的には、当事者として「正義を主張する」っていうのはものすごく難しいことじゃないですか?
 あなたの身の回りの出来事で、これに類似したことはありませんか?
 正義を貫こうとすると、常に「穏健派」に足を引っ張られて裏切られるのが社会の常じゃないですか。

 まあ、そんなよく居る「穏健派」の人たちも、ただのいち視聴者の立場でこういう映画をみるときだけは、架空の「正義を貫くんだ!」派になりきってるのかも知れませんね。

 ともあれ、正義を貫くためには根性がいるってお話でした。ちょっとシニカルーな気分になりました。

 

 

 

 


 

 

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