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友達にはお願いしづらい?

From 安永周平

「どうすれば仕事がもらえるか?」というのは、営業はもちろん、経営者や起業家、あるいは独立や転職を考えている人にとっても重要なテーマでしょう。そして、このメルマガではお馴染みの法則で「他の条件が全て同じなら、人は知っていて、気に入っていて、信頼している人に仕事や紹介を回す」わけですから、信頼している親しい友人に仕事を紹介してもらおうと考えるのは自然なことだと思います。

ところが、ネットワーク科学の第一人者である、アルバート=ラズロ・バラバシ氏は、著書『新ネットワーク思考』の中で面白い科学的事実に触れています。意外なことに、彼は「もし、就職や転職を考えていて、仕事を探しているのなら、親しい友人ではなくあまり親しくない知人に当たることだ」と言っているのです。

親しい友人より、あまり親しくない知人?


普通に考えれば、親しい友人の方が親身になって相談に乗ってくれたり、仕事を探すのに協力してくれたりしそうなものです。では、なぜ親しい友人よりも「あまり親しくない知人」を当たるべきなのでしょうか?ちょっと不思議ですよね。そして、この謎には「どうすればお客さんが見つかるのか?」という、僕らが日々抱いている問いへのヒントがありそうな気がしませんか?

実はこの話、マーク・グラノヴェッターというハーバード大学の大学院生が書いた博士論文の中の「人はいかにして職を得るのか」という項目に記載されているものです。彼は、いかにして人がネットワークを作り、社会的なつながりを利用して仕事を得るのかを調べるため、何十人もの管理職や専門職の人たちにインタビューをして回りました。そして、今の仕事に就くために力になってくれたのは誰だったかを尋ねたのです。

すると、ほとんどの人の返事はいつも決まっていました。力になってくれたのは、親しい友だちではなく「ちょっとした知り合い」だったというのです。この事実は、論文として発表されてしばらくしてから注目を浴び、数々の論文で引用されるようになりました。

鍵は「ちょうどいいタイミング」


グラノヴェッター氏の博士論文のタイトルは『弱い絆の強さ』です。これ、言葉だけ聞くと矛盾しているようにも思えます。ただ、事実として彼は論文の中で、職を見つけたり、情報を得たり、レストランを開業したり、流行を生み出したり…こうしたことをするにあたっては、強い友人関係よりも、弱い社会的絆のほうが重要だと言っているのです。

なぜかというと、結局のところ、転職であっても営業であっても「調度よいタイミングであなたを必要としてくれる人」と巡り会えるかどうかが大切だからです。いくら親しい友人であっても。あなたのことを本気で考えてくれている人だとしても…知り合い(その人の勢力圏)の中に、今このタイミングであなたが必要としている人物がいなければ、紹介してもらえることはありません。

いかに「多くの人」と知り合っておくか


そう考えると、いかに多くの人と、”ちょっとした知り合い”になっているかの方が重要だというのも一理あるのではないでしょうか。母数が多ければ、今このタイミングで合う人がいる可能性が上がるからです。強い影響力と勢力圏を持った「中心人物」と仲良くなることはもちろん大切ですが、広く浅く、いろいろな人と知り合いになるのもまた、仕事や紹介を回してもらうことに一役買ってくれそうです。

ちょっと語弊があるかもしれませんが…知り合いの少ない人といくら仲良くなっても、”ことビジネスにおいては”あまり発展が望めないのかもしれませんね。だとしたら、ブログを書いて色んな人とちょっとした知り合いになったり、SNSでたまに見る程度の友達をたくさん増やしたりするのも、決して無駄ではなさそうです。

GIVERとして成功するための法則に…


ボブはGIVERとして成功するための5つの法則の中で、第2の法則として『収入の法則』を挙げています。それによれば、「あなたの収入は、あなたがどれだけ多くの人に、どれだけ奉仕するかによって決まる」ということです。既にお察しかと思いますが、注目すべきは”どれだけ多くの人に”というところです。

また別の例を挙げると、『ビジネス人間学:「超」のつく成功者になる94の法則』の著者であるハーヴィ・マッケイ氏は、あらゆる見込み客にとっての”ナンバー2”の座を確保し、同時にリストを増やし続けるべしと言っています。たとえ今はお客さんではなくても、そうした知り合いが多ければ、ナンバー1が引退したり、仕事を辞めたりした時に自分に順番が回ってくる可能性は高いのです。

このように、ちょっとした知り合いの絶対数が多ければ、その中に「ちょうどタイミング良く」仕事や紹介を回してくれる人がいる可能性は上がるということです。だからこそ、日頃からちょっとした知り合いに対しても、何か与える(GIVE)できることはないか…と意識して考えておくことが大切だと思うわけですが、あなたはどう思いますか?

PS
与える事例、GIVER としてどのように振る舞うかの事例を毎月お届けしています…

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