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ウニスカさんの実店舗営業休止に寄せて

2024年4月某日。
本屋ウニとスカッシュの店主河原さんから店舗の休止についてのメッセージをいただいた。

私は作品の委託販売の兼ね合いもあり、SNSでのアナウンスより少し先にこの事を知った。
結構ショックを受けた。推しが引退すると決まったときくらいショックを受けた。ウニスカさんは私の推し本屋だったのかもしれない。
ドンと沈み込んでしまってその日は何をするのにも心ここに在らずだった。

ウニスカさんで1回目のイベントを開くまで

数年前のコロナ禍、私はほとんど引きこもって制作していた。
家族としか会話せず、ストックイラストを作って登録し、たまに似顔絵を描いたり、ネットで作品を売ったり、知人から何か頼まれて作ったりしていた。
それはそれで楽しかったのだけど、ずっとこのままではよくないなと思っていた。元々フットワークは軽い性格なのにこの時期はなぜだか腰が重く、現状を打破できたらもっとよくなれるのにと燻っていた。でもなかなか打破できなかった。

と同時に趣味で同人活動をしており、そちらはそこそこ好調だった。
同人イベントに興味が出て、一度一般参加(作品を受け取る側)をしてみたら自分が創り出したものを頒布しているオタクたちがとても輝いて見え、自分もサークル参加(作品を作って配る側)をしてみたくなった。

でも鼠の王国製作所を差し置いて"先に"趣味のイベントに出店するのはなんだか違う気がした。私にも個人作家の端くれとしてのプライドがあったようだ。
だからとりあえず長崎で作品を販売するイベントをやろうと思った。

一度だけ行ったことのあるウニスカさんが2階をレンタルスペースとして貸しているとインスタで見て知っていたので、ドキドキしながらスペースをお借りして開催したのが1回目の作品販売イベントである。
ウニスカさんの店名にも入っている『劇団スカッシュ』さんの動画を一時期好きで見ていたこともあり、なんとなーく「なにかイベントをすることがあればここがいいなー」と思っていたのだ。

▼1回目の作品販売イベント

▼消しゴムハンコのワークショップもした

ちなみに同人イベントでも無事サークル参加を果たした。鼠の王国製作所と並行して同人活動していたので、昼はハンコを彫り夜はペンタブレットで絵を描いたりグッズを作ったりする超クリエイティブライフを送っていた。


委託販売

ありがたいことに作品販売イベントの後からウニスカさんで作品を委託販売させていただくことになり、とても嬉しかった。

▼販売用の棚も作った

納品の時に短歌会に誘われ、一時期「予定がなければ誘われたものには参加してみる(怪しいもの以外)」というマイルールを掲げていた私は誘っていただくたび参加し、いつしか自ずから参加しますーと言っていた。

▼短歌会の感想マガジン(今のところ5回分)


サブカル好きがわくわくできる場所

ウニスカさんに赴くといつも新しい刺激があった。作り手に偶然出会えるのも魅力のひとつだった。ZINEを作っている方、詩を書いている方、絵を描いている方、コーヒーやごまどうふを食べに来た方、ただただ本が好きな方など。同じ店を愛しているものどうし趣味嗜好など向いている方向に近いものがあって何を話しても楽しかった。

そんな感じで私にとってウニスカさんはただの本屋さんではなくなった。
気がつくと家の外での人とのつながりがウニスカさんを通じて増えて生活がさらに楽しくなっていた。人と話すことに数年前はかなり疲れていたが、そんなこともなくなってきた。そして家から蛍茶屋までの道を車で走るのも怖くなくなった。

タワレコが撤退するように文化的なものが大切に扱われず、本の新刊は発売の数日後に届き、舞台や巡業もライブもよっぽどのことがないと来ないサブカルチャーが少ないクソど田舎で日本の端っこの長崎にウニスカさんは必要な場所だったと思う。

店舗の営業がなくなること、そして最後に足を運べないことは残念だが、河原さんが決めたことなので本屋ウニとスカッシュの今後に期待だ。
気になる本はウニスカストアで買おうと思う。
と言っているそばからウニスカストアで前から気になっていた巨大仏の本を購入してしまった。

▼ウニスカストア


また、不定期でのイベントはたまにあるようなので、そこも楽しみにしていたい。
長崎に帰省するタイミングでなにかあれば参加したい。

▼ウニスカさんのnote


読んでくださっただけで嬉しいのに……!?まさかサポートまで……!?