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映画「イエスタデイ」感想 クイーン、エルトンの次は?ポップ・ソングの魔法を信じる人へのファンタジー

どうも。

今日は映画評、行きましょう。これです!

「トレインスポッティング」「スラムドッグ・ミリオネア」などでおなじみ、ダニー・ボイル監督の最新作。日本でも10月に公開されます「イエスタデイ」。こちらのレヴュー、行きましょう。

ここのところ、クイーン、エルトン・ジョンと、イギリスが誇るポップスターの伝記映画が続いていましたけど、今回は伝記ではありませんが、これもれっきとした、ビートルズへのトリビュート映画として話題になっています。どういう映画なのでしょうか。

早速あらすじから見てみましょう。


ジャック・マリク(ハイメッシュ・パテル)はイギリス東部の海岸の町に住む、スーパー勤務のシンガーソングライター。歌は上手く、友人や身内での評判はいいのですが、音楽で生計を立てるところまではいきません。

彼はマネージャーを買って出ているエリー(リリー・ジェイムス)の助けでフェスのブッキングなどもされますが、そこでもほぼ無人のステージで歌う始末。

日々が上手く落ち込んでいるそんな彼でしたが、不思議なことが起こります。夜、自転車を運転中、世界中で12秒間だけ大停電が起こります。

その影響で彼は路上で転倒。前歯数本を折る怪我を負いますが、驚くのはそれからでした。

彼は友人の前でビートルズの「イエスタデイ」ギターで弾いて歌いますが、皆、その曲に感動はしますが、それが誰の曲か知りません。

「そんなバカな」と思いますが、誰も知りません。「おかしい」と思ってハックはグーグル検索で「Beatles」を検索しますが、出てくるのはカブト虫だけでした。

そこで彼はアイデアを思いつきます。「もし自分がビートルズの曲を歌い続けたらどうなるか」と。

すると、奇跡が起き始めます。彼の歌うビートルズの曲はどこでも大ウケで

そのうち、エド・シーラン本人から直接連絡を受け、「僕の前座をやってくれよ」と頼まれます。

さらに、エドの強欲なアメリカ人マネージャー、デボラ(ケイト・マッキノン)から強引んい世界デビューの準備もさせられます。

ジャックはすでにユーチューブでは大センセーション状態。それにジャックは戸惑い、エリーは複雑な状態で見守りますが・・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。

先に結論から話しましょう。この映画

詰め自体は非常に甘いです。

これですね。「もし、この世にビートルズがなかったら」というアイデア自体は面白いんですけど、思いついたまでは良かったものの、「じゃあ、話の帰結はどこに」というとこまで考えられてなくて、強引にロマンティック・コメディになってしまってるんですよね。そこのところが不自然だし、惜しいとこなんですよねえ。ロマンスは絡めていいとは思うんですけど、もう少しなんかアイデアはなかったのかなとはどうしても思います。

が!

ビートルズ、並びにポップ・ミュージックが好きな人なら、楽しめることは確かです!

これ、何がいいかって、いくつかあるんですけど、まず注目すべきは

主演のハイメッシュ・パテルの歌唱力。これがいいんですよ。

甘い、いい声してるでしょ。この声があるから、成功物語そのものには説得力が与えられるんですよ。聞いてて気持ちよかったですからね。この人、今後、ミュージカル系の映画、結構、声かかることになると思います。

また、「主人公がインド系」というのも夢があっていいです。あの国のマイノリティ人種というと、やっぱりロンドンの街歩いてもインド系って目立つから白羽の矢が立てやすいんですけど、ハリウッドでのその役割が「黒人」というのも、今やかなり定着したことを考えると、世界的な基準で見ても「インド系」というのは面白い着眼点だなと思いました。奇遇なことに、このあと、ブルース・スプリングスティーンを題材に似た映画が出てくるんですけど、それの主役もインド系ですからね。

あと、ここも大事だと思うんですが、「ボヘミアン・ラプソディ」でも「ロケットマン」でもそうでしたけど

今やスタンダードとなったポップ・ソングの名曲を、映画館の大スクリーンで浴びるように聞くと気持ちいい!

ここの快感が肝なんですよね。これだけ聞いてても十分、映画見た気になって楽しめるというかね。それこそがポップ・ミュージックの持つマジックというかね。これ、「マンマ・ミーア」とかTVの「GLEE」にも言えることではあるんですけど、「21世紀なりのミュージカル」として、今後しばらく主流になるんじゃないでしょうかね。そうなるだけの文化は十分築いてきましたからね。

あと、音楽を生業にしている立場上、面白いと思うのは、「もし、今の音楽産業にビートルズを当てはめるとどうなるか」というのも面白いとこなんですよね。これが意外に世知辛いというか。これ、レディ・ガガの「スター誕生」にも言えたことですけど、「ああ、ギョーカイがあんなことさせなかったら、もっと面白いのに」と思わせるシーンは随所に出てきます。そこのところの現代風刺もこの映画、見所です。その意味で、今回、ちょっと敵役な「サタディ・ナイト・ライブ」出身のケイト・マッキノン、コメディエンヌとしてすごく面白い人ですけど、彼女、いい役割しています。えっ、エド。シーランですか?まあ、彼は彼で本人としていい味出してましたよ。

あとですね

リリー・ジェイムスはやっぱりキュートですね!

彼女といえば「ベイビードライバー」のこのシーンが印象的なんですけど、「音楽好きが見る映画のスイートハート」みたいなポジション、この2作で築いた感じがします。その点でいえば「シング・ストリート」、そして「ボヘミアン・ラプソディ」でのメアリー役を演じたルーシー・ボイントンに並ぶ感じは今、ありますね。

なので、「ポップ・ミュージック、イギリスのロック、ポップス」が好きな人には見てオススメです。

あと、最後に。僕のブログ読む方にはUKロックとかインディ・ロックのファンが潜在的に多いと思うんですけど、そんな方たちにとって

検索のシーンで最高のギャグが出てきます(笑)!

ここ、楽しみにしていってください(笑)。









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