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ハリー・ベラフォンテ死去〜中南米音楽と黒人意識高揚に貢献!

どうも。

ハリー・ベラフォンテが亡くなってしまいましたね。1927年生まれの96歳でした。

ベラフォンテといえば

名前をよく知らない方でも、「デーオ、デーエーイオー」でおなじみの「バナナ・ボート」で有名なので、それでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これは

日本人メジャー・リーガーのパイオニア、野茂英雄が1990年代半ばにアメリカ全土でも人気になった時に、名前の「ヒデオ」にちなんで「ヒデー、オー」でスタジアムに紹介されていた、ということまであったほどです。

ただ、それだけの影響ではなく、この曲、もっと影響は大きくてですね

日本でも1957年、昭和32年にですね、浜村美智子さんがカバーして大ヒットしてるんですよね。彼女はこの年に紅白歌合戦に出演してるほど、大成功してます。この当時の、日本における洋楽クロスオーバー・ヒットの魁ですね。彼女はエルヴィスの「監獄ロック」などもカバーしてるので。

 このバナナ・ボートは「カリプソ」と言って、カリブ海のトリニダード・ドバコの音楽なんですけど、そういう中南米音楽を世界に紹介して大ヒットさせたことで、ベラフォンテは中南米音楽にとって恩人のような存在です。それこそレゲエとかレゲトンをずっと先駆けてたわけですからね。

で、歴史紐解いてもですね、結構ヒットの規模が大きくてですね。


この1956年の「カリプソ」というアルバムですね、当時、エルヴィスのファースト・アルバムと、アルバム・チャートの1位を奪い合うほどに売れていたんですよ!

まだこの当時って、アルバムの時代には程遠かったんですけど、彼は貴重なアルバム・アーティストでして、ヒットを連発してます。1954年から62年にかけて、7枚のアルバムを全米トップ10、2枚を1位にしています。

1961年の「Jump In The Line」もカリプソの代表曲ですが、これなんて

リリー・アレンのデビュー当時のヒット「LDN」のほぼ元曲ですしね。

あと、誤解されやすいんですが、ベラフォンテ、ラテン系というわけではなく(母方が少しそうみたいですが)、ニューヨークの黒人です。ということもあり、「黒人の社会的躍進」にも一役買ってます。

1954年の映画「カルメン・ジョーンズ」では、主人公のカルメン・ジョーンズに人生を狂わされる男の役で主演。この映画で主演のドロシー・ダンドリッジはオスカー史上初の黒人女優の主演女優賞ノミネートを果たした映画です。前から気になってたんですけどベラフォンテが相手役だったのは昨日知ったので、それで昨夜、やっと見たところでした。


60年代には、こうやってキング牧師ともつながりのある、公民権運動を推進した人物としても有名でした。


そして1985年に、かの「We Are The World」を取り仕切ったのも彼です。僕はその時に初めてベラフォンテのことを知ったものでした。

この加山雄三との共演は今、検索して初めて知りましたけど、こういうのもYouTube時代の良いところです。

彼の作品、ちゃんとカタログ揃ってストリーミング・サービスにありますので、聞いてみることをお勧めします。黒人、ラテン音楽史にとって大事な人なので。RIP

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