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追悼 バート・バカラック 20世紀の「曲の遺産」数知れず! 音楽の教科書、映画、60sロンドン、全米チャート、そして日本のポップスまで

どうも。

もうっ、これは本当に悲しいニュースです。


バート・バカラックが亡くなってしまいました。いやあ、もう本当にショックです。

 若い人あたりだと知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に大きな存在です。

 何がまずすごいかって、この人、僕が中学生だった1980年代に音楽の教科書にすでに載ってたような人です!

僕の記憶だと、教科書に載っていたのは、1969年の映画「明日に向かって撃て」の主題歌だった「雨に濡れても」です。これはビートルズの「イエスタデイ」とサイモンとガーファンクルの「コンドルは飛んでいく」と同じ枠で、「ポップスだけど音楽の教科書にクラシックと一緒に例外的に載ってた」曲として有名です。

 では、なんでそんな扱いを彼の曲は受けたか。それは彼の音楽の出自にあります。

1928年生まれのバカラックは元々はクラシック選考のジャズ好きだったんですね。中でも彼は19世紀後半の印象主義の作曲家、ドビュッシーやラヴェルの影響が強いんですね。彼らから和声を学んだ彼は、それをジャズ以降のポップ・ミュージックに生かしていきます。

1950年代の後半くらいからポップ・ミュ〜ジックの曲を書き始め、カントリーやアイドルに曲をかきはじめるんですけど、本当に才能が開花したのは1960年代の前半。

歌姫ディオンヌ・ワーウィックを得たことによるものなんですね。

バカラックは作詞家のハル・デヴィッドとコンビで、従来のスタンダード・ジャズとは明らかに何かが違う、多彩なコード感で妖艶に洗練された曲を量産していきます。

いわゆるバカラックの名曲と呼ばれるものの大半がディオンヌとの曲ですね。

バカラッックはアメリカ人なんですが、その多彩な和声による陰影の強い洒落たサウンドは本国アメリカよりもヨーロッパでとりわけ好まれまして

ビートルズがファースト・アルバムで早速カバーしていたのをはじめ

とりわけ、女の子シンガーたちからこぞって好まれたんですね。

1964年から66年くらい。もうスウィンギング・ロンドン真っ盛り。つけまつげにミニスカの女の子たちが時代の先端を行ってる頃です。

また、イギリス映画の人気作のサントラも手がけるようになります。こういうこともあり、60sのイギリスのポップ・カルチャーと切り離せないイメージになってきます。

ただ、本人的には60s後半、A&Mというレーベルに籍を置いてまして。このレーベルは、この当時にイージー・リスニングで一世を風靡していたトランペッター、ハーブ・アルパートのレーベルで、彼自身がラテン・ジャズっぽいことをやってたんですが、この時代にバカラックも、メキシコのマリアッチに影響を受けたラテン・リズム取り入れてまして

こういう名曲をこの時期にたくさん出します。

これは日本でも

日本でも、こういう風に発展して、50年以上、日本人はその影響をききつづけているわけです。

これを作ったのは、「日本のバカラック」との異名もとった筒美京平でして

こういうもっとストレートなバカラック調の名曲もあります。

あと、A&Mの押しアーティストだったカーペンターズがバカラックの曲でビッグヒットを出したり、映画も冒頭の「雨に濡れても」やミュージカルの音楽を多く担当します。

ただ70年代に入ってハル・デヴィッドと袂を分かってから、あまり名前を聞かなくなっていたんですけど、ソングライティング・パートナーを

当時の奥さんのキャロル・ベイヤー・セイガーに変えてから新たな全盛期がはじまりまして

クリストファー・クロスの1981年のこの全米1位のビッグヒットとともにチャートに返り咲きます。

提供曲だけじゃなくてカバーもあるんですけど、80sはこういうヒットもあって、あの頃の洋楽リスナーにはおなじみだったんです。

1986年なんて、2曲も全米1位出しましたからね。

ただ、このベイヤー・セイガー期は僕は甘ったるすぎて正直好きじゃないです。あんまりいい時期じゃないと思ってます。

このヒット・ストリークのあと、失速するんですが、90sになると60sのリバイバルがあって、バカラック再評価されます。日本では渋谷系、イギリスではブリットポップの頃にそれがありまして

1997年からの傑作コメディ「オースティン・パワーズ」に顔を出すのでおなじみになります。

ここから、割と晩年に至るまで評価が安定し、元気にライブ活動をやってましたね。

・・・というのが、おおまかな流れです。

でもですね、今日のキャリア振り返り、実はかなり端折ってます。

というのはですね

https://note.com/themainstream/n/ndc28da936d33

以前、筒美京平先生が亡くなった際、心のベストテンという企画をやったんですけど、筒美先生の敬愛するバカラックです。

バカラックでも、この企画をやります!


そのために曲がダブらないように、今日はかなり抜いて紹介してあるんです。今日紹介しなかった曲が大量に入ってます。週末にでもやろうと思います。お楽しみに!


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