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リアーナのハーフタイム・ショーに欧米の一般オーディエンスのウケがだいぶ微妙だった理由について

どうも。

いやあ、今週の前半はちょっとモヤっとしてまして。

ここで話そうか話すまいかも考えたんですが、一応話しましょう。

12日にスーパーボウルのハーフタイム・ショーでリアーナが出たんですね。

これ今回、日本ではあまり生では見れなかったと聞いてます。なので日本語の報道をあんまり見ないなとも思ったんですけど、これがですねえ〜、

僕個人的にはそうとう微妙だったんですよね〜。

僕は今回、楽しみにしてたんですよ。彼女のことは2007年の「Good Girl Gone Bad」というアルバムからずっと好きだし、2016年からアルバム出してなかったこともあり、5年ぶりのステージ、どうなるかすごい期待してたんですよね。未確認情報ではあったものの、「ニュー・アルバムやツアーの発表もあるだろう」なんて報じてるところが、少なくともブラジルにはありましたしね。

 それに去年、ドクタードレー、スヌープ、エミネム、メアリーJブライジ、ケンドリック・ラマーが最高のショーやってたりもして。だからもう、試合そのものから見ててハーフタイム待ってたくらいなんですよね。

で、ふたをあけたら・・・・。

もう、全っ然、乗れなかったんですよ。

それがなぜなのかは後述するとして、そう思ったのが実は僕だけじゃなかったんですよね。

ハーフタイムが終わった直後に音楽サイトのコンセクエンスのサイトに書き込んだんですね。まだ、この時点ではメディアが即絶賛してファンらしき人が喜んで反応する方が目立ってました。直後だったんで。

ただ、僕が「僕はだいぶ前からのファンだけど、今回すごいがっかりだったよ」って書き込んだら、いいね146ももらったんですよ!大好きも3つで。反論を示すハハは15で、怒りは3つ。僕の反論が圧倒的に支持されちゃったんですよ!

すると、この日から火曜にかけて、僕がfacebookで登録してるあらゆる音楽、カルチャー、ファッション、新聞のサイトがリアーナの記事を大量に流したんですよ。どれもほめてて。で、驚くことに、どのサイトの書き込み欄も炎上してたんですよね。反応で賛論が上回ってたとこ、僕の記憶ではなかったし、ほとんどが批判ばっかりになるところも珍しくなかったです。

で、2日経った火曜にもう1回、今度は全英チャート出してるサイトにですね

「メディアがこんな必死こいて、こんなにすごいハーフタイムショーだったんだ、なんて説得しようとするのなんて見たことないよ。このサイトだけじゃない。でも、ここにあがってるコメント見てみろよ」って書いたんですね。このときに関しては111でいいね。2で反論のハハ。2で大好き。

実際、僕への返しとか、他のコメントも

こういう風に批判ばかりになってました。「全然歌えてない」「毎年見てるけど今年はピンとこなかった」「もう10か12くらい絶賛記事見たけど、下についてるコメントがどれも全く逆のことを言っているんだ」とか、そんなのばっかり。

これ、ここだけじゃないですね。ローリングストーンが一番絶賛記事出してて。3日間でここ、インスタに10も絶賛投稿してたんですけど、その9つめの投稿のコメント欄が

これがひどかった。「スーパーボウルでリアーナのストリームがはねあがった」という記事に対し「そりゃ、趣味が悪いってことだ」「ニュー・アルバムの情報、待ってたのに」「僕の周囲、みんな今回のショーはダメだったと言ってるよ」「彼女の音源だけ流した方がまだ良かった」「彼女のことは大好きなんだけど、ステージに戻ってきただけで80%は歌ってなかった」と、批判ばっかりだったんですよね。

・・・だから、これはまずいなあ・・・と思いましたよ。

では、なんでこうなってしまったか。その最大の原因は

すごく下手なリップシンク(口パク)をしてしまった上に、体が動けてなかった!


 もう、すばり、これにつきます。

 スーパーボウルのショーって、もうぶっちゃけ、グラミー賞の何倍もみられている音楽ショーです。音楽界最高の栄誉です。でも、だからこそ、毎年のように「歴代で誰が一番良かったか」など、視聴者からの目も歴史的にかなり厳しいんです。

 その中で、見られるのって歌唱力なんですよね。特に欧米人というのは、リップシンク、すごく忌み嫌うんですよね。

それは

1990年にミリ・ヴァニリってアーティストがいましてですね、すごく人気でビルボードで立て続けで1位とって、グラミーの新人賞まで取ったんですけど、実は影のシンガーが歌っていて本人たちが歌ってなかった、というのが発覚してグラミー賞剥奪されたんですよ。音楽界からも一気に干されました。

この影響でこの直後にMTVアンプラグドのブームが来たり、ロックではグランジが流行ったりと、生音回帰の現象が起きて、プリセットされた、あの当時の言い方をすると「打ち込み」のサウンドが逆風受けたくらい、ショック大きかったことなんですよね。

それが約30年たって、最近またダンス・オリエンテッドな音楽でリップ・シンク増えてますよね。Kポップあたりも残念ながら結構やってるの見ます、ビーバー・クラスの人気者でもやってる比率高かったりしますよね。

 実を言うとスーパーボウルでも、音声調節の関係上、リップシンク、やってる人はいます。だけど、それでも、それをほぼ全編でやってくるような人というのはほとんどいない。また、仮にいたとしても、リップシンクする代わりにものすごく自分が踊って、聴衆を煽るんです。せめてそれくらいしないと、リップシンクするエクスキューズできないんです。

ところが今回のリアーナは、数フレーズを除いてほとんどリップシンクだった上に、体を動かして聴衆煽ったりしなかった。これではさすがに擁護はむずかしいです。

もっと言うならば、リアーナとよく比較されるところのビヨンセやレディ・ガガがハーフタイムやったとき、リップシンク使ってないんですよ。ガガは100%生歌。ビヨンセももうほとんど生だったと、僕が調べた範囲でわかってます。プロフェッショナルなら本来こうするべきだし、こういう彼女たちみたいな存在がいたからこそ、ダンス・ミュージック系のポップシンガーだって上がって行っていたわけです。

 今回のパフォーマンス見て褒めてる人って、ステージの仕掛けとか、何百人規模のダンサーとかほめてましたけど、そういうのはただ単に金をかけた装飾でしか所詮ありません。歌のパフォーマンスが良かった上にそれだと相乗効果でいいんですけど、それが伴わなければ単なるギミックにすぎません。

あと「妊娠してたんだから仕方ない」という言い方をする人も多かったのですが、これも正直、僕は甘いと思いました。だって、歌えも踊れもしないような状況ならオファー断って元気なときに本来のパフォーマンスすればいいわけで。

 しかも、自分のツアーとか、自分のファンが金払って見に来るものでそれをやるのであれば別にいいと思うんですよ。だけど、スーパーボウルって、世界中の人が見るイベントで、その中にはリアーナがだれかさえ知らない人たちだって当然いる。公共性がきわめて高いイベントなんですよ。それプラス、歴代の名パフォーマンスが語られ続けている由緒正しいイベントでもあるわけです。それにふさわしいパフォーマンスを現状の体調で果たしてする自信があったのか。そこのところにやっぱりどうしても疑問が残るんですよね。

 たとえば2011年にビヨンセがはじめて妊娠したとき、MTVアワードだったと思うんですけど、いつもとほぼ変わらないパフォーマンスやった後に突き出たお腹さすって妊娠発表した時があったんですけど、それくらいやれば全体祝福にさせることができたと思うんですけど、リアーナのあのパフォーマンスでは積極力がなかった。ただの低調なパフォーマンスのエクスキューズとしてしか機能できてなかった。そこのところがどうしても、共感されなかったのかな、という感じがします。これに関しては、「性に対して普段どういうポジションを取っている人なのか」とかは関係なかったですね。女性でも、彼女のファンベースの女性やゲイの人からも「今回はよくなかった」というコメント、僕、実際見てますので。

 あと、妊娠は喜ぶべきことではあるんですけど、これに関しては、リアーナのコア・ファンの人たちに当惑の反応が結構見られました。なぜか。それはリアーナの活動にかかわってくることです。

リアーナは2016年の「ANTI」からアルバムを出してなく、そのツアーも2018年に終えています。2021年くらいのときに「もう5年アルバムを出していない。次はいつ出すのか」と痺れを切らしはじめたファン、僕、たくさん見てたんですね。で、その矢先に最初の子を妊娠して出産したんですけど、その子が生まれたの、去年の5月ですよ!で、その子がまだ生後9ヶ月しか経っていないのに、もう次の子の妊娠なわけでしょ?手のかかる1歳未満な子の面倒みながら自分の妊娠気にしなきゃいけないってこれ、うちも子育てしてますけど、想像するだけでものすごく大変なんですよ。レコーディングとか、ツアーなんて考えられる状況なわけがないんです。

 なんか本人は「今年新作出したい」と言ってるみたいですけど、それにはもう既に完成状態のアルバムがなくてはいけません。でも、それが仮にあるんだったら、今回のタイミングで発表できたわけですけど、ないでしょ?で、これから出産前にレコーディングやって果たしてそんなに進むのか。そこんとこ疑問なんですよね。

 別にまだ34、35ですから、本当に間の空いたアルバムとかツアーしなきゃという気持ちがあったら、今のタイミングで妊娠しなくてもよかったわけで。そのあたりの本人の意識はどうなのかな、というところも気になります。

 去年の末に「ワカンダ・フォーエバー」の挿入の新曲が久しぶりにでましたけど、あれの評判がいまひとつで、曲もあまり売れないままに終わっていただけに、ちょっと、音楽そのものに対しての彼女のモチベーションも気になるんですよね。

 彼女に関しては、このくらいなんですけど、今回、メディアが圧力でもあるかのように、不自然にほめまくっていたのも気になりましたね。一般読者が全く逆の思いを抱えているのに。

 あと、音楽業界全体がリップシンクにすごく甘くなっている現状は、僕はやっぱここが一番抵抗ありますね。「誰だってやってるじゃないか。問題なし!」みたいなアチチュードだと本当に危険というか。。個人的にはますます、生演奏にこだわる人たちを支持したくなりましたね。



















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