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スクラムマスター成長計画フレーム

今日の記事は、株式会社レッドジャーニーのアドベントカレンダー8日目として書いています。


コーチとしてスクラムマスターの支援をした際に、漫然と相談に乗るだけではなく、スクラムマスターとしての活動や成長をフレームに落とし込んで運用してみる、ということをチャレンジしていました。
どのようなフレームを設計していたのかについてお話します。

フレーム全体としては以下の構成を取っています。

スクラムマスター成長計画フレーム

構成の概要は以下の通りです。

  1. ゴールデンサークル…自身のスクラムマスターとしての振る舞いの軸をつくる

  2. 3つの問い…自分の行動目的と、チームに求められる目的とを合わせる

  3. From-Toの整理…チームの目指す方向性を意識しながら、現状と理想、そのギャップを整理する

  4. 線表…3ヶ月を目安に理想の実現へのステップを設計する

  5. プロダクトバックログ…この1ヶ月のやるべきことをリストアップする

  6. スプリント…バックログをスプリント毎にプランニング・レビュー・ふりかえりを実施し、活動の継続的改善を図る

ゴールデンサークル

まずはゴールデンサークルを使って、自身がスクラムマスターとして向かう先の軸を定めていきます。どのような目的(Why)に基づき、どのような手段(How)を用いて、どのような行動(What)を起こそうと思っているのか、基準となる軸を言語化しておきます。軸を置くことで、判断に迷った時の基準としても立ち返ることができます。

3つの問い

自分の行動基軸を置いた後、それがチームの目指すべき方向性や目的とマッチしそうかどうかを考えます。自身の進みたい方向性と、チームに寄与できる領域がきちんと重なり合うポイントを見極めて、自身の行動がチームへの奉仕につながるかどうかをあわせて置くことで、チームと自身の成長の両面を達成できそうかを見ておきましょう。

  • 自分はなぜここにいるのか?(個人としてのWhy)

  • 私たちは何をするものなのか?(チームとしてのWhy)

  • そのために何を大事にするのか?(チームとしてのHowと、その実現のための個人としてのHow)

From-Toの整理

ここまでチームに貢献すべき方向性、軸を固めてきました。これによりチームの理想へのビジョンが解像度をあげられた状態になっているはずです。
そこで、チームの現状(From)と、チームの理想的な状態(To)を思い描きましょう。要素は複数に渡ると思います。加えて、現状から理想までの距離、ギャップがどのくらいあるか、何が埋められると良さそうかも合わせて考えます。
ここで整理した内容が、大きくチームの形成や改善に取り組んでいくエピックになっていきます。

線表

どういうエピックに取り組んいくと良さそうか見えたところで、これから3ヶ月の間にどういった段階、順番、優先度で取り組んで行くかをおおよそ決めてしまいましょう。すべてを理想的な状態にすることは難しいかもしれません。3ヶ月先、1ヶ月先にどういった状態に至っていたいか、至れそうかを考えながら線表に落とし込んでみます。

プロダクトバックログ

ではこの1月の間に取り組むエピックを決めることができました。
エピックの実現、FromとToのギャップを埋めるために具体的にどのようなことにスクラムマスターとして取り組むべきかを考え、バックログの形でやるべきことをリストアップしていきましょう。
バックログを整理するわけですから、受け入れ条件も必要です。取り組むべき優先度も考えて、順序付けもしておきましょう。

スプリント

プロダクトバックログの形でチームのために取り組むことがリストアップできました。
ではいよいよ実践していきましょう。
実践していく際にはスクラムのフレームで運営していきます。
次のスプリントで実践してみるバックログを選び、スプリントバックログに移動させます。
スプリント期間中はチームのために考えたバックログに取り組んでみます。取り組んだ結果、バックログへの取組状況や結果についてどうだったか、レビューを実施し、次に活かせる学びや追加で必要だと感じたアクションをふりかえり、バックログに追加します。

このスプリントを繰り返すことで、チームやスクラムマスター自身を成長させるための軸をブレさせずに、目的を伴ったチームへの貢献が継続できるようになります。
漠然と「チーム改善したいと考えているけど、どこから手を付けよう…」と考えているときには、一度このフレームの流れで考えを整理してみて、チーム改善に取り組んでいってみてはいかがでしょうか。

1点、フレームを整理する際にはコーチなど、一緒に壁打ちしながら進めるとより効果的です。目的の言語化や優先度などについて考えることは一人で考えると煮詰まりがちなため、相談や会話をしながら悩みすぎないように進められると良いかと思います。(弊社で相談できるイベントも開催しておりますので、そちらもご活用ください!https://redjourney.doorkeeper.jp/events/166365)


以上です!
明日のアドカレもお楽しみに!明日も私が書きます!笑


※引用
市谷聡啓 (2020). チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで 翔泳社
https://teamjourney.link/

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