見出し画像

この身体を飼ってみる

春のよき日 陽もぽかぽかと暖かく、図書館に本を返しにいく道すがら満開の桜に誘われてよりみちしながら歩いていると、散歩中のイヌちゃん、ネコさんにであう。イヌちゃんネコさんも春らんまんを満喫の顔。

いいなあ、ペットがいると、可愛かったり、思いがけない楽しみにであえたり、生活に張りがでるだろうなあ、と、イヌちゃんネコさんがいる生活を想像してみたりする。

例えばネコさんを飼うとしよう。
元気で長生きしてほしいから、ほどよく適切にごはんをあげたり、水を準備してあげたりする。まるまる太ったネコさんも可愛いけど、そこは健康に留意して、やりすぎは禁物だ。
ネコさんはきれい好きだけども、時折はブラッシングして毛並みを整えるお手伝いをしてあげねば。家ネコさんなら、たまには遊んでしっかり運動もさせねばならない。トイレと寝床のお世話もあるよね。
なかなか、大変。
でも大変そうでも、ネコさんが安らかに生きるお手伝いをしてあげて、その姿を見守るというのは、そしてネコさんが私といっしょに生きてくれるというのは、きっと大きな喜びになるだろう。

と、ここまで桜の花の下で考えた時、ふと、思った。
「ネコさんを今すぐ飼うことはできないけれど」
「ミースックさん(ワタシ)を飼ってみれば?」

ネコさんも生きとし生けるもの。
ミースックさん(ワタシ)も生きとし生けるもの。
どちらも、ちゃんとご飯を食べさせて、トイレと寝床のお世話をしてあげなきゃならない。
ミースックさんは、ネコさんほど可愛くはないけれど、それでも手入れ次第で多少の愛嬌くらいはでてくるかもしれない。
なにより、ネコ語を覚えなくても意思が通じる。
少し年はいっているが、ちょっとばかし訓練をすれば何か芸も覚えられそうだ。
そういう意味で、育て甲斐もある。

そして
ネコさんは、ワタシより早く亡くなるかもしれないし、ワタシの死後に残されることになるかもしれない。
けれど、ミースックさん(ワタシ)は、ずっとワタシといっしょにいる。
寿命もまちがいなく、ワタシとどんぴしゃり同じであとに残される心配はない。上手くすると、一緒に天国にいける(天国があればの話だけれど)

今年の桜の下で、ワタシはミースックさん(ワタシ)を飼って育ててみることにした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?