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ル・ポアゾン 愛の媚薬

2023年7月7日、花組公演『GRAND MIRAGE!』が初日を迎えました。

今日は舞台作品について語ります。1990年に初演された宝塚歌劇団のレビュー作品『ル・ポアゾン愛の媚薬』です。作・演出は岡田敬二です。


ル・ポァゾン(愛の媚薬)によって更に激しく燃え上がる、愛の戯れ、愛のさすらい、愛の苦しみ、愛の憎しみ…様々な愛のオマージュを華麗に美しく描いたレビュー。月組トップスター・剣幸の退団公演でもある。作・演出は岡田敬二。'90年月組・宝塚大劇場。剣、こだま愛、涼風真世 他。ル・ポァゾン(愛の媚薬)とは何かとプロローグの紳士が歌い、美しい媚薬の容器の中でのカップルの愛のデュエットから始まる華やかで香り高いオープニング。トリスタンとイゾルデの「愛の喜び」、幻想のエデンの園を背景に、現代のアダムがジゴロになって愛の誘惑の中で歌い踊るシーン、人生に打ちのめされた一人の青年が恋人に励まされて、再び新しい人生に立ち向かう、勇気溢れる場面、ラフマニノフ、ショパン等の名曲をベースにした、切なく甘美なシーンなど。レビューの美しさ、豪華さ、楽しさに溢れた作品。
主な出演者 剣幸、こだま愛、涼風真世 他

宝塚クリエイティブアーツ

概要


『ル・ポアゾン愛の媚薬』は宝塚歌劇団演出家(宝塚歌劇団演出家は脚本家も兼業します)・岡田敬二によるロマンチックレビューシリーズ第5作でテーマは「愛」です。題名はフランス語で「毒薬、毒物」を意味し古今東西の愛の物語を各場面に散りばめられております。

この作品は1990年、1980年代後半(昭和末期~平成初期)に活躍した月組トップスター・剣幸(つるぎみゆき)と同トップ娘役・こだま愛のサヨナラ公演として上演され、2011年に星組、花組、2021年に雪組で再演されました。

『ル・ポアゾン愛の媚薬』は宝塚歌劇の中でも人気の高い作品のひとつでファンの投票で1位を獲得しました。

私がこの作品を知ったのは初演された1990年でした。当時、関西テレビで放送されていた宝塚歌劇舞台中継番組「タカラヅカ花の指定席」で放送されていました。映像には宝塚歌劇が長年培われてきた耽美と幻想の美が凝縮された世界が広がっていました。プロローグが叙事詩の世界で涼風真世が吟遊詩人に扮し「愛の媚薬とは」を歌い、次は黒豹と香水瓶のセットに変わり瓶から剣幸とこだま愛が登場し主題歌を歌いながら踊りました。

その頃、天海祐希が新進スターとして頭角を現し3年後、トップスターになります。

トリスタンとイゾルデ、アダムとイブの場面が続き、墜落事故で友人を亡くした空軍将校が立ち直る「愛の復活」はクイーンの楽曲を用いて歌い踊る名場面で後に娘役トップになる紫ともと麻乃佳世が出演したのは印象的です。

2011年の再演

私の大好きな作品が21年後の2011年に再演されるとは夢にも思いませんでした。再演したのは柚希礼音・夢咲ねねら星組で今はなき中日劇場で上演されました。場面は一部差し替えられ『ナルシス・ノアール』(1991年初演)より「パリスと月」、「アンダルシアの影」が挿入されました。

私は名古屋を一泊し『ル・ポアゾン』を鑑賞しました。プロローグは初演と同じで凰稀かなめ(涼風真世の本名・愛称が「かなめ」で興味深いです)が吟遊詩人に扮して歌い、そばには専科の未沙のえるがアルルカンを演じています。

※ 2023.7.15 追記

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