ピアスの話と痛み(独断と偏見)

ピアスをたくさん開けている女を見ると精神状態が不安定そうに見えるだの、可哀想だの、メンヘラ確定だの、そんなことがインターネットに書いてあった。勿論インターネットの意見ごときに踊らされるつもりはない。実際私は舌ピアスを含めて25個ピアスが開いている。塞いだところや千切れたところもあるから、いままでゆうに30個は開けてきただろう。
別に自傷行為で行っているわけではない。単純に私の美意識と、たくさんのピアスというのがマッチしていただけだ。だから私の耳を見ても、舌を見ても、可哀想だなんて思われていたらぶん殴りたくなる。それは私の美意識を否定することと変わらないのだ。
私がピアスを開ける時は大抵テンションが上がっている時だ。酒と眠剤を飲んだけれど眠れない時とか、ぼんやりとやることはないがただ何かを行いたいという行為だ。別段辛いこともないから自傷は最近していない。となると、セルフピアッシングをするという決断に至る。


突然だが、私が開けたピアスの中で大変だったところベスト5を書こうと思う。 


1位 トラガス
トラガスはさっき開けた。開けるのにはさほど時間がかからなかった。ニードルを多少加工してひと突きでうまくいった。だが何せファーストピアスを入れるのに手こずった。多分1時間半くらい格闘して、ようやく裏側から入れることができた。キャッチが小さかったこともあると思うが。
痛み★☆☆☆☆
面倒さ★★★★★

2位 インナーコンク
軟骨の厚みがあるのでとにかく硬い。痛みは言われているほどはなかった。ヘリックスより少し痛いかな、程度だった。だが女の力だとどうにもうまく開いてくれない。ということは、ニードルの先が貫通するまでのジクジクとした痛みが延々と続くことになる。通ってしまいさえすれば接続もキャッチも簡単だった。
痛み★★★☆☆
面倒さ★★★☆☆

3位 アンテナヘリックス
痛みはない。軟骨が薄い部分だから。しかし開ける位置が厄介だ。外側過ぎてしまうことが多い。外側過ぎるということは、排除されやすくなってしまうということだ。おまけに形にもよるだろうが、シャンプーの時とにかく引っかかる。
個人的には長い爪かつ3連で開けたのでキャッチをつけるのが面倒だった。真ん中は3か月くらいで外れ、キャッチをつけにくかったので排除した。逆耳に開けた方は美容室でクシを通されてる時に排除されてしまった。悲しい。
痛み★☆☆☆☆
面倒さ★★★☆☆

4位 ヘリックス(内側寄り)
痛みはロブより少し強め程度。インナーコンクよりは痛くない。貫通させるときにメリメリ音がするのが少し怖かったが慣れた。だが内側寄りに開けてしまったので相も変わらずキャッチが面倒だった。これもかなり時間を要した。
痛み★★☆☆☆
面倒さ★★★☆☆

5位 ヘリックス
簡単で痛みも少ない。軟骨初心者向けの部位だと思う。基本どこに開けても可愛いし、排除の心配もあまりない。ピアスの種類が豊富なのも良い。メリメリ音に躊躇いさえしなければ一瞬で開く。
痛み★☆☆☆☆
面倒さ☆☆☆☆☆


番外編、舌ピアスを開けた(というか開けられた)ときのことも記しておこうと思う。泥酔状態の時に開けられたので、あまり記憶はないので信用しない方がいい。

舌ピアス
自分で開けることは推奨しない。躊躇ってしまうから。なので私は他人に開けてもらった。開けた瞬間の痛みはゼロで、え、もう開いたの?という感じだった。ビビってロキソニンとアルコールを大量摂取していたからかもしれないが。
初日は違和感だけで終わる。地獄は二日目から始まるのだ。まず、舌が腫れて呂律が回らない。染みるので醤油やら塩やらは絶対に食べられない。そもそも食欲がなくなる。口を大きく開けることすら痛みに繋がるので初日は飲むヨーグルトと白湯で過ごした。
3日目、腹は減るものの固形物は無理ということで味噌汁の豆腐を崩したものと汁だけを飲みまくった。
4日目、ようやく痛みが引くが舌の腫れはなかなか引かない。食欲は湧いてくる頃なのでトップバリュの安い、ほぼ具の入っていない液体みたいなカレーをほんの少しの米に混ぜて食べた。あとはいつものようにゼリー。冷たいものは心が安らぐと気付いた。
その後は大した痛みもなく腫れも引いてきたので普通の食事に戻した。滑舌は3日目くらいで戻ってきていた。最初の1〜2週間は違和感を感じるが、とにかく口の中を清潔に保つべきだと思った。私はリステリンを1日4回やっていたが、どうやらやり過ぎらしいので真似はしないでほしい。


ここまでがセルフで開けたピアスの主観だ。本当はロックを開けたいが勇気も技術もないのでこのコロナ騒動が終わったらちゃんとスタジオで開けてもらおうと思う。ちなみに耳の形のせいでインダストリアルは開けられないのがとても悔しい。バーベルを通すべき部分が張っているからだ。こればかりは仕方がないので、他の方法で楽しんでいる。

この通り、別に承認欲求とか痛みによって自分を〜とかではなく、私は趣味と美意識に則ってピアスを大量に開けている。きっと、そういう人も多いだろう。だからピアスをたくさん開けている人間を見かけても、痛くない?とかどうしたの?ではなくてかわいいね!と言ってあげたほうが喜ばれる気がする。
少なくとも私はそう考えている。

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