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If you wanna be an influencer, ...

「影響力のある人」を英語でinfluencerといいます.でも,「インフルエンサー」というカタカナ語がもう定着してきたのかもしれません.彼らはトレンドをになうわけで,彼らが薦めるものが売れたり,みんなが使用したりすることは当たり前のことです.

そのインフルエンサーが,あるコンテンツ(内容)について正しい/妥当なことを云っているかはわかりません.そうであることもあれば,そうでないこともあります.英語学習はいいのか悪いのかは知りませんが,古くからネット上に英語学習者界隈かいわいというのがあるらしくて,そこに学習法だったり,お勧め本だったり,信頼できる指導者だったりを語ったりするようです.ぼくは昔ちょっと見たりしていましたが,いまは怖くて近寄りません.でも,英語(学習/教育)だけが特殊なわけではなくて,政治だったり,科学だったり,大昔は勉強会だったり集会やデモだったり,オフ会だったり,したものもいろいろなことがあるように,ネット上だったらもっといろいろなことがあるのは当たり前です.

ぼく自身が経験していなくて,三田誠広さんの『僕って何』(この芥川賞受賞作ももう絶版です)などを読んでの想像でしかありませんが,学生紛争のときにグループのリーダーをしていた人たち(ちなみに,学生紛争というと左派的なものばかりが注目されましたが,実は右派のものもあります.これは日本だけでなく他の国も同じことです.アメリカにも「共和党員学生連合」的なものがキャンパスにあったりします)だったり,ギターを弾いたり,ダンスをする活動の先頭に立っていた人がいまSNS(英語ではsocial media)上にいるインフルエンサーのみなさんになっただけに過ぎません.

口はうまいが中身がともなわないリーダーがいるのと同じで,いかにもテキトーなことを云っているインフルエンサーに自分が中身を伴っていると信じている人たちが不愉快に感じるのはわかります.でも,気に入らないインフルエンサーたちの悪口を云っているだけでは(気持ちはスカッとするかもしれませんが)現状は変わりません.良いかどうかはともかくとして,インフルエンサーがインフルエンサーであり続けられるのは理由があり,大概のインフルエンサーは自分の地位を得る/保つことだけは真面目にやっているからです.これに対して悪口を云っている人たちは不真面目です.だから負けるんです.

ここで真面目と云っているのは,インフルエンサーがトレンドとして発信している分野のコンテンツに対する理解や発言の妥当性のことではありません.実際,そこに関しては良い加減なこともあるでしょう.でも,大概成功している人は,良い加減なコンテンツを発信するときもトレンドにできるやり方で発信しているので,多くの人を動かすことができるのです.

どういうことなのかというと,インフルエンサーさんが,Aという商品を勧めるとします.この商品は映画でも本でも服でも曲でもポッドキャストでもなんでも構いません.で,商品の属するジャンル(英語のgenreの発音は「ジャンラ」に近い)で本当にわかっている人からすれば,Aを薦めるなんてあり得ない,と通のインフルエンサーでない人たちは思い悪口をいいます.「本当にこのジャンルを愛している人からするとBを選ぶはずなのに!」のように.でも,Aは売れ続け,Bは本当に小さいグループでしか売れません.インフルエンサーさんのおかけで,Aのコンテンツクリエイターさんはどんどん有名になり,新たなコンテンツを作り続けます.逆に,Bのコンテンツクリエイターの人は貧乏にあげいて,このジャンルに見切りをつけるかもしれません.

さて,この場合,インフルエンサーさんとそうではない通の違いはなんでしょうか.たぶんですが,インフルエンサーさんは必ずAを紹介するときに,①商品名を正確に,しかも繰り返し述べる②すぐに商品の提供元に行けるようにリンクを貼るなど影響された人が興味を持ったら,すぐ購入できるように誘導するところをきちっとやっているわけです.それに対して,文句ばかりいっている通の人は,Bの名前が自分の記事(post)の中に書かれていなくて,自分が勝手につけた/仲間内だけで通じる呼び名になっていたり,リンクがなかったりするわけです.だから,仮に「この人たち,インフルエンサーさんの人が激推ししているAよりBのほうが良いと云っているな.ちょっと気になる」と思わせることに成功しても,リンクがないのですぐBの販売元にリンクで飛ぶことができなかったりします.バカな,と思うでしょう? でも,プロとアマチュアの差なんてそんなもんなんですよ.インフルエンサーを打ち負かしたいならば,ここは真面目に仕事をしないといけません.いや,インフルエンサーさんに怒るんじゃなくて,自分が影響を与えられるかもしれない人に対して親切になることが局面を打開するわけです.

でも,あなたがインフルエンサーではなく,コンテンツクリエイターならば,こんなことは気にせず,ネットからもなるべく自分を遮断して,新たなコンテンツを練り上げることだけを考えたほうがいいです.インフルエンサーも,彼らに文句を云っている通の人も無視してください.ぼくも実はこちらを目指しています.でも,インフルエンサーに挑みたい人は上に書いた当たり前のことをしてみてください.状況は少しだけなら改善されるはずです.しつこくやっているとあなたがインフルエンサーを追い抜けるかもしれません.

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