ユリシーズを読む|011.ついにオデュッセウス登場|2021.03.20.

こんにちは。
会社員が隙間時間に『ユリシーズ』という小説を読む、というどこかで聞いたことがあるような記事を書いています。

*『ユリシーズ』とは、ジェイムス・ジョイスという作家による20世紀を代表するとんでもない小説です。

*でもまだ、『ユリシーズ』の前に読んでおくべきというギリシア神話『オデュッセイア』とやらに挑んでいるところです…。

今日のオデュッセイア

第五歌。ついにオデュッセウスが登場します。
 神々の会議で、オデュッセウスの帰国をヘルメイアスが助けることになります。ヘルメイアスは、オデュッセウスを捉えている仙女カリュプソのところへ行き、ゼウスの指示だということでオデュッセウスを帰すように伝えます。
 なんとなく、仙女カリュプソ、おそろしい魔女的なものを想像してましたが、かなりの美貌の持ち主で、そんなに悪いひとじゃなさそうです。ヘルメイアスにオデュッセウスを帰せといわれて、仙女カリュプソは、

あなた方神々は、なんと残酷な方々なのでしょう、あなた方ほど嫉み深い者は、他にはおりますまい。女神が人間の男に抱かれるのを快く思われない、それも隠し立てをしてではない、明らさまに自分の夫に選んだ場合もです。
ホメロス『オデュッセイア』上、松平千秋訳、岩波文庫、p.134

と。ここでいう女神は、仙女カリュプソ自身のことですが、「女神が人間の男に抱かれる」という割と大胆な表現にどきどきします。
 オデュッセウスは、島に留められ、何をしていたかというと。てっきりおどろおどろしい島にいるのかと思ったけど、さにあらず。神もみとれるほど美しい島で、昼間は海に向かって延々とおめおめ泣きつづけてるだけ、食事は仙女カリュプソが用意してくれる。夜になれば、美貌でしられる奥さんペネロペよりも美貌だと自他共にみとめる仙女カリュプソを抱いて何年も暮らしていたのです。
 挙げ句の果てには、「もはや仙女にもあきたらぬ今となっては」とかいってます。こいつ。諦めて開き直っちゃえば最高の暮らしじゃねーか。

でも、ゼウスの思し召しならやむなし、と、仙女カリュプソはオデュッセウスを送り出す決意をします。そもそも、仙女カリュプソはオデュッセウスを攫ってきたのかと思ってたけど、そうじゃなくて、神々によって船が沈められてたところを助けたのだとか。めちゃ良い人やん、かわいそうになる、、。

で、オデュッセウスは仙女カリュプソの手助けを得ながら立派な筏を作って海に旅立ちます。
 ところが途中、ポセイドンにみつかり、またもや邪魔をされるけども、また違う神に助けられてなんとか陸地に辿り着きます。
 もう、神のなすがまま、人のなんとちっぽけなことよ、、、。

陸地に辿り着き、葉っぱや草を集めて寝るオデュッセウス。ディスカバリーチャンネルのエド・スタフォードの番組を思い出す、、。
ディスカバリーチャンネルのサバイバル系、ベア・グリルスの番組とか、凄く好き。人の根性と覚悟と技と知恵。サバイバル能力、尊敬します。

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