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AI研究の流れ:人間拡張の観点で

422.【脳の中の音楽】音楽はただの空気の振動じゃない!脳内の音楽細胞が踊ってるんだ! #ロボマインド・プロジェクト (youtube.com)

 今回のご説明にもう一歩下がって背景を眺めると、脳に処理され保存される情報自体に、「脳がその様に受容し、主観意識に作用させる要素」を分析できる気がします。
 音楽の要素は律動リズムと旋律メロディですが、共に再帰的な振動・波動です。その律動は生物体の心臓拍動等に呼応することは、よく知られていると思います。気分をそれによって落ち着かせたり、興奮させたりします。旋律も環境に遍在する周期律やアトラクターに対応しているのではないでしょうか?つまり宇宙に振動・波動としてエントロピーを増しながら遍在するエネルギーの散逸構造が、自己組織化で情報作用を示す現象が基にあると思われるのです。それが媒質を空気にして音になり、感覚器官で変換され電子担体情報になり、脳神経内で処理されて保存され、「音楽」となっているというところを、今回、田方先生がご説明くださったのではないでしょうか。  視覚も同様で、人間の脳が受信し処理する場合を、田方先生が「仮想世界モデル」に視覚情報の構築で描かれました。これも環境世界のエネルギーの変換された様態であり、視覚も進化過程の研究では光センサーとなる細胞からの変遷過程で神経系と共進化を遂げた結果、脳内での処理を為される情報となったわけです。
 ともかく「情報」という観点で眺めると、人間が受信し処理し記億(録)するその様態に基準を置くと、人間中心主義的な世界観に陥ることになると思います。イリア・サツケバーがAGIのデフォルトでは人間の認知限界を超えるだろうと言っているのは、この事だろうと思います。つまりロボマインドが、先ず人間的マインド・セットをプログラムされても、それが自律性・自立性を展開し始めるとほぼ指数関数的な拡張性を以って、情報自体の無限なマルコフ連鎖に沿った処理をしてしまうのではないかとも、思われるのですが、違うでしょうか?
 人間脳の情報処理に戻ってみますと、聴覚も視覚も上で見た再帰性=振動・波動は、それを処理する主観意識を安定させる作用効果もあると言えます。リズム・メロディーや模様というものは、ある種ジャイロ効果としてノイズに対して意識を安定させます。
 もしかするとノスタルジーにも、この作用が認められるかもしれないという気がします。ただ、その作用が強いと改革についていけない頭の固い年寄りになるのかもしれませんが・・。

@robomind田方先生より
AGIって、世間では人間を超えるものをめざしてるみたいですねぇ。 僕は、そんなのは目指したことなくて、人と心を通わせることができるAIをつくろうとしてて、最近、世間が目指すものとの違いに気づいたとこです。 人間を超えるとか超えないとか、人間の心を何も分かってないのに、よく、そんなことマジメな顔していえるよなぁって思ってますけどね

特化型AIの位置とAGIへ向けて 返信への返信
 「 機能拡張」という現象面だけで観ていくと、諸動物でも捕食や巣作りで道具使用が為されており、その延長上に人間も身体器官の各部の機能拡張を道具使用で進めました。手足はハンマーや刃物に始まり工作機械、各種乗物では元々羽もないのに航空機まで延長させ、感覚器官も顕微鏡・望遠鏡・ソナー・レーダーと延長させました。肢体・感覚をミクロ・マクロにも延長させて遠方宇宙や分子・原子・量子の領域にまで延長させています。ついでに体内にも延長させ、人工心臓や透析器なども、身体器官延長の範疇に入ると思います。
 こうした「人間拡張」(マクルーハン)の発展において、今やっと「脳」という部位への拡張が発展してきたところだと思います。脳は「情報処理」作用の身体器官であり、生物進化過程から観ても身体制御の機能を果すために発生したわけですが、その容量増大により生得的プログラム情報だけでなく、認知獲得情報を処理し保存するようにもなりました。これが田方先生がご研究為さっておられる主観意識を形成するようになったと思われます。  この情報処理の道具的脳機能拡張は、特化型人工知能では相当に進んでおり、計算速度は人間脳を遥かに超えているわけです。従ってシミュレーションによる予測等は、試行錯誤を不要とさえしています。人間脳だけでは、アブダクションで見当をつけて進めていた事柄を、結果予想をできるほどになりました。(個人的な話ですが、50年近く前に工学部にいた頃、競技車両を製作するのに、キャブの調整もカムの調整もスタビやダンパー調整も、走行させて試行錯誤でタイムを上げていました。しかし今やコンピュータ!!ホンダがF-1に参戦している映像を見て、驚愕していました。マシンに装着したセンサーからの情報を、何人ものPCを観ているエンジニアが大きな室内で受信処理している!まるでNASAで有人宇宙船を制御しているようにです・・。)
 要は、既に特化型AIが、脳の機能拡張を展開しており、これを今、汎用化AGIに進めようというわけです。当然、AIアライメントの問題が起こるわけです。つまり鳥の羽ばたきを分析して飛行したのではない航空機を作った様に、脳の仕組みを分析して再現したというわけではないAIの進歩が、鳥の飛行速度を圧倒的に超越し、ロケットでは飛行推進原理まで異なる次元で宇宙に進む、そうした様相がAI研究に起き始めたからだと思います。
 こうした現象は、人間にとっての「人間拡張」を超えてしまって、情報自体にとっての言わば「情報自然」=落合陽一氏の言う「計算機自然デジタルネーチャー」が発展するプロセスである気がします。
 田方先生にはレベルの低い話だと思いますが、この情報進化過程については、「 note 人間に流れる二つの情報系統 」にメモをアップしています。


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