ペーパーになった経緯　現在３７歳、大学３年時の夏休みに合宿で免許をとってから十数年来まともに運転していない。免許取った後に実家の車で練習しようと思ったら、保険がどうのこうで運転させてもらえなかった。夏に２週間で取った免許、その夏に乗らなければすぐに感覚はなくなり乗れなくなるだろうと人生の中で車をあきらめた。
　そもそも免許合宿の必要なんか親が出してくれて大学１年時に取るのが（少なくとも自分の周りでは）普通の中で、免許持ってなかったのがコンプレックスだった所をどうにか３年時に解消した矢先の仕打ちで、すっかり捻くれてしまっていた。
　今思えばローン組んで車買えば良かっただけだし、また保険も事前に確認すればよかったのだけどね。

運転できないと困ること①　普段の生活では困らないのだけれど、嫌な気持ちになる場面がある。それは他人の車に乗せてもらうとき。先輩の車に乗ってゴルフに行き、実家関連のイベントでは親・兄弟に乗せてもらう。この時、申し訳なさや情けなさに包まれ、自分の無能さ加減を思い知り本当に死にたくなる。親と旅行に行くときはそれが嫌で原則自分だけ電車・飛行機で現地集合のスタイルをとる。
　縁起でもないと思いつつ、いつか訪れるイベントでこれが発生すると本当に死んでしまうんじゃないかというものがある。親の葬儀だ。きっと実家の近辺で業者や役所などいろんなところに行かねばならないだろう。これが車運転できなくて、、、とか想像しただけで死にたくなる。

運転できないと困ること②　もうちょっと軽い話。一人旅が不便。私は基本的に一人で行動するのが好きなので一人旅もするのだけど、時空が公共交通機関の時刻表・路線図に縛られる。以前、種子島に行った際、バス停までエラい歩いて相当な遠回りをする路線バスで日帰り温泉に行った。これまたなんて無駄な時間を過ごしたんだと残念な気持ちになった（まあ車だったら温泉で飲めないので、今思えば仕方なかった気もする）。観光も観光バスを使った。せっかくの一人旅なのにコースに縛られる、ドライブでもしたら楽しそうなコースをバスに揺られて移動。とても悲しくなった。　

カーシェアの普及で一念発起　繰り返しになるけれど、車無くても普段の生活では困らない。そんな車を高い金出して買って、ガス、駐車場、保険、税金等の維持費を払うのは全く合理的ではなく、都内に就職してから数年は車の運転は完全にあきらめていた。ところが、近年シェアカーサービスが一般的になり、車が無くても気軽に運転ができる環境が整った。月額１０００円程度の基本料と１０分１５０円程度の利用料で費用が全部賄える。車で買い物やゴルフ、病院にでも行こうものならその時間も料金がかかり続けるので若干微妙なところはあるものの、車の運転自体が目的であればかなり安い。ということで、脱ペーパードライバーを試みることにした。

ペーパー講習　休日に講師をお願いできる友人でも居ればそいつに見てもらう手もあるんだろうけれど、友人は居ないのでプロにお願いすることにした。安いところだと１時間５０００円程度、お手製のハンドブレーキ（ブレーキペダルにステッキを括り付けたもの）をつけて助手席から指導してくれる。今回は３時間コース×３回を受講することにした。大体５万ぐらい。
　実は２度ほど、脱ペーパードライバー計画に頓挫している。その時はそれぞれ１日しか受けなかったのだけど、講習の後に自分で運転するタイミングを作れないまま感覚と自信を失ってしまった。今回は３回しっかりとって、習得と忘却を繰り返すことで学習を強化することにした。また、最初の２回は教習車をつかったけども、最終日はシェアカーを使い、一人で運転するための段取りの確認まで面倒みてもらうことにした。
　２度の失敗を含めるとトータル１０万ぐらい使ってる。そこそこの出費ではあるものの、いい歳して独身の私にとっては大した金ではないし、こういうのはケチってはいけない投資だと思っている。

初めて一人で運転　最終日（土曜日）の翌日（日曜日）に初めて一人で運転した。時間帯もコースも最終日とほぼ一緒で、大崎と横浜を国道で往復するだけの単調ロード。それでも大崎から大通りに出るまでや横浜駅で折り返すところではナビに従って右折・左折して進むし、バイパスやY字路もあるので多少の車線変更は強いられる。
　最初大崎から大通り出る前に曲がるポイント間違って、いきなり小道に入った。ナビが手早く修正案内をだしてくれたんだけど、とても通れそうにない狭い道に案内され、バックで戻す事態に。出れそうなところまで自力で出ると戸越銀座の商店街を通ってどうにか第二京浜に出れた。
　その後はどうにか無事に進み往復２時間弱の旅を終え、返却車庫入れも終えた。しばらくは毎週このコースで練習するつもりだ。

最後に　しばらく一人で練習を続け、またいずれは高速も乗ってみたい。ある程度自信がついたところで、飛行機＋レンタカーの旅行を計画したい。３７歳のおっさんですが、やり残したことがある＝これからまだワクワクできる余地があるというのは良かったのかもしれない。