別離苦

 詩情が枯れた。哀しい別れを、歎く言葉が消えた。

 離別の言葉の挙がらぬを、詩情の枯れ果てを、詩への迂路とするは、醜い。けれど間延びして、歎きのときを逸するは、さらに醜い。結局、挙がらず、挙げれず。間を違え、別れを別れず。言葉の。言葉の、歪みに透け見える、我が生の濁色は、いかで清らる。贈ることばの貧しさに、生の拙さ透かし見え。つま先立ちに張り詰める、言葉の硬さに、萎え沈む。詩情が枯れた、哀しい別れを、歎く言葉が消えた。

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