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    8月15日、終戦の日。

  • 東京2020──「中止だ 中止」を添えて

    TOKYO 2020(東京2020)への、ささやかなブーイングのブーケ。

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実況にうんざりしてレースに集中できない──アルペンスキーFIS W杯23/24 男子GS第7戦(パリセーズ・タホ、2024年2月24日)雑感

いいかげん予め分かっていたし、案の定なんだが、レースのことよりも何よりも吉田暁央氏の実況にただただ疲れた。 予め分かっていた実況本来、実況者であるなら不要(か、むしろ避けるべきもの)であるはずの一人称の多用や自分語りを得意とする吉田氏に改めて辟易している。それだけでなく、無神経な物言い、勝手な解釈、本来の仕事の放棄、さらに相手への問いかけがほぼ常に誘導型(leading question)であるなど、呆れることが多い。 諸々あるが、この放送の中で最も顕著だったことを挙げる

    • 海外選手の名前の読みの法則の謎(J SPORTSのアルペンスキー放送で数年越しにやっと溜飲が下がる)──スポーツ観戦雑感

      2022年1月あたりに書いていたらしいのだけれど(自分が)、すっかり忘れていたこの記事。 やっと、昨日(2024年2月10日)の放送で溜飲が下がる思いがした。アルペンスキー・ワールドカップ男子GS第6戦バンスコ(ブルガリア)の解説に来た浦木健太さんが、ようやく「Daniel Yule」の読みを「ダニエル・ユール」だと指摘した……(上掲拙記事参照)。本場の発音とかなんとかいう問題ではなくて、特にこの名前はスペルそのままの読みである。しかもユールに限った現象ではないし、一体、誰

      • 海外選手の名前の読みの法則の謎(J SPORTSのアルペンスキー放送で腑に落ちないこと)──スポーツ観戦雑感

        たしか今年の1月中頃(キッツビューエル大会終了後あたり)に書いてみたものの、すっかり忘れていたこの些末な話──21/22シーズンが遠ざかり、もう次のシーズンが到来しようという今、今更であるようで、今更でもない。まあ、どうでもいい話ではある。 --------------------- J SPOTRSのアルペンスキーの放送を観ていて、ずっと気になっていたことがある。それは競技そのものの面白さや、J SPOTRSがアルペンをコンテンツとして扱っていることに対する敬意なんかと

        • NHK「ロングインタビュー 銃撃事件と日本社会」を観た──安倍晋三銃撃事件

          ようやくこの番組を観終えた。初回放送が2022年9月17日だから、1か月弱ほど、寝かせていたことになる。すぐに目を通しかけたものの、冒頭のナレーションに「理不尽に殺害」という文言が聞かれた途端、事件をどのような方向付けで物語ろうとしているのかが疑わしくなり、一気に観る気を失っていた。 言うならば、殺人とは常に理不尽なものである。しかし敢えて「理不尽」と言う時、それは、殺人者の思惑や動機とは真逆の意味を持つ存在を殺人の対象にしたような逆説の事態のこと、あるいは殺すことに何ら意

        実況にうんざりしてレースに集中できない──アルペンスキーFIS W杯23/24 男子GS第7戦(パリセーズ・タホ、2024年2月24日)雑感

        • 海外選手の名前の読みの法則の謎(J SPORTSのアルペンスキー放送で数年越しにやっと溜飲が下がる)──スポーツ観戦雑感

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        • NHK「ロングインタビュー 銃撃事件と日本社会」を観た──安倍晋三銃撃事件

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        記事

          さて、明日、9月27日は何をしようか──安倍晋三銃撃事件

          2か月ほど前から、この日の昼には時間があれば、しばらく行けていない気に入りの蕎麦屋にでもという気になっていた。店にはテレビもないし、余計な情報を入れずに済むと呑気に思っていたけれど、今日になってどうやらそれも難しそうだということになり、ひたすら作業に没頭するか、とにかく、馬鹿馬鹿しいを重ねて着膨れたようなこの騒ぎから距離を置いて過ごしたいと思う。 しかし、これは他人事ではないのだと思うと、ひどく気が滅入りもする。なにか美味いものでも食べることにしよう。どうせ止められやしない

          さて、明日、9月27日は何をしようか──安倍晋三銃撃事件

          字幕問題に思うもう1つの疑問点と最近の誤訳事例から──如何でショウ(NHKのこと)

          NHKの字幕問題(※ここで言う字幕問題とは『河瀬直美が見つめた東京五輪』のことではない。詳細は下記)自体はもうすっかりタイムリーな話題ではないが、最近、NHKで誤訳を目の当たりにし、改めて思うところがあった。 NHKは4月中旬に、同月10日昼のニュース番組内で紹介したウクライナ人女性の発言に対応する日本語字幕について、伝わる内容を恣意的に改変する操作を行ったのではないかとの指摘を、ロシア・ウクライナ情勢の専門家である袴田茂樹氏から受けている(「NHKがウクライナ避難民インタ

          字幕問題に思うもう1つの疑問点と最近の誤訳事例から──如何でショウ(NHKのこと)

          ゼレンスキー大統領米議会演説のNHK和訳中の「民族」という訳語──如何でショウ(NHKのこと)

          たしか5月に書き始めて、6月に追記して、7月に何を書くつもりだったのかがよく分からなくなり、とうとう諦めた8月の今日である。 ゼレンスキー大統領による米議会演説のNHK全文和訳における「民族」という訳語の伝わり方3月中旬に行われたゼレンスキー大統領による米議会演説から2か月以上が過ぎた(※筆者注:これを書き始めた5月時点での話)。同演説は「真珠湾攻撃」に触れたことで日本の一部の人の反発を招いたが、それとは別に、NHKによる全文和訳があらぬ誤解を招いているらしいことを少し前に

          ゼレンスキー大統領米議会演説のNHK和訳中の「民族」という訳語──如何でショウ(NHKのこと)

          8月に寄せて──2022年、終戦の日

          15日、終戦の日。 毎年、この日は昼少し前から甲子園中継を観ることにしている。正午になると、試合は途中であっても中断され、選手たちが脱帽し、観客と共に、音を遠く響かせていくサイレンに合わせて1分間の黙祷をする。画面の前にいる自分はと言えば、その光景をぼんやり眺めている。 暑い盛りの甲子園の舞台で、プレー中の球児たちが足を止め、試合に見入っていた観客が立ち上がり、一時、誰もが静かに戦争に想いを馳せるという光景を眺めていると、当然のようなこの日常の静止が、過去でも未来でも現在

          8月に寄せて──2022年、終戦の日

          「思い込んで」(嘘も百回言えば真実になる)#1/2──安倍晋三銃撃事件

          以下は、7月25日あたりに書き始めて、なんだかんだでしばらく中断し、8月11日現在も書き終わりが見えないため、とりあえず前半(#1/2)として上げておく。 メディアによる「思い込んで」の連呼具体的な事例(確認できた限りにおいて) 過去のnote「メディアが権力に屈したら、国家は国民を虐げる──安倍晋三銃撃事件」で、安倍元首相銃撃事件の報道で頻用される「思い込んで」という表現について書いているが、この文言を、ごく最近のニュースでも目にして、驚かされた。網羅的にチェックしてい

          「思い込んで」(嘘も百回言えば真実になる)#1/2──安倍晋三銃撃事件

          メディアが権力に屈したら、国家は国民を虐げる──安倍晋三銃撃事件

          これは、ルーマニアのドキュメンタリー映画『コレクティブ 国家の嘘』(原題「Colectiv」、2019年)の中で、スポーツ紙の編集長、カタリン・トロンタン氏が国家的な不正、虚偽を告発した際に口にした、メディアの使命についての言葉である。残念ながら、原語であるルーマニア語は解さないが、英語版の公式トレーラーにこの発言が含まれており、英語字幕を確認できた。 Collective – Official Trailer from Magnolia Pictures & Magnet

          メディアが権力に屈したら、国家は国民を虐げる──安倍晋三銃撃事件

          ウクライナに心を寄せる──「真珠湾」に言及されて支持を翻意する人の人道意識の欺瞞

          アメリカ議会でのゼレンスキー大統領による演説の中で言及された「真珠湾」という言葉に反応して、ウクライナに対する支持を翻意する人がいると聞くが、愕然とする。真珠湾攻撃があげつらわれたように受け取ったということなのだろうが、そういう人たちはまず、ゼレンスキー大統領の演説全体を理解しているのだろうか。 出典:「Zelensky’s address to Congress, annotated」、Zachary B. Wolf, Curt Merrill and Ji Min Le

          ウクライナに心を寄せる──「真珠湾」に言及されて支持を翻意する人の人道意識の欺瞞

          НЕТ ВОЙНЕ

          Нет войне NO WAR Charlie Chaplin - Final Speech from The Great Dictator from Charlie Chaplin GIVE PEACE A CHANCE. (Ultimate Mix, 2020) - Plastic Ono Band (official music video HD) from johnlennon Randy Newman - Political Science (Live in

          НЕТ ВОЙНЕ

          Tokyo 2020(東京2020)覚え書き──それでも「中止だ 中止」を添えて(5)

          以下は、9月末ごろの、総裁選を間近に控えながら菅総理がまだ内閣トップにあった時点から、東京2020の選手・関係者のコロナ感染による入院者数の修正を組織委員会が公表した直後あたりまでにかけて書いたものだが、もうあまりに放っておいたために、もはや世間的には腐った話題なのかもしれない。しかし、今年のものは今年のうちに処分しておこうと思った次第。 IOCは12月に入って大会が大成功だったとする評価を公表し、20日には大会関係者の話として追加公費負担なしとの見通しが出され、22日の大

          Tokyo 2020(東京2020)覚え書き──それでも「中止だ 中止」を添えて(5)

          パラリンピック・ア・ノー・ゴー(東京2020)──「中止だ 中止」を添えて(4)

          8月24日に開幕したパラリンピックも日程が進み、日曜日の閉幕が近づいている。世界は何事もないのか、何事もないと無関心を決め込んでいるのだろうか。 8月19日、IPCのアンドリュー・パーソンズ(Andrew Parsons)会長が前日(18日)に隔離滞在先のホテルからJNNの単独インタビューに応じたとして、次のような発言が報じられた。 ※以下、IPC会長による発言の和訳について、訳責はいずれも筆者にある。 出典:TBS NEWS「IPC会長単独取材『感染状況悪化しても大会

          パラリンピック・ア・ノー・ゴー(東京2020)──「中止だ 中止」を添えて(4)

          8月に寄せて──2021年、終戦の日

          15日、終戦の日である。 毎年、何かしらを思う。本を読む。昼頃に甲子園を観る。雨が止んでいると思う。忙しそうに身支度を整える球児のようすを眺める。サイレンが鳴る。 終戦の日は、戦闘の終わった日とされる。しかし、本当に戦闘が止むのはまだ先のことだ。そこからすべてが平和を取り戻したわけではない。戦闘は終わっても、帰ってこない人がいる。まだ遠い地で帰ることが叶わず、残留を余儀なくされた人、自らの生死さえ伝えられないまま抑留されていた人もいる。戦いが終わらなかった人たちも。永遠に

          8月に寄せて──2021年、終戦の日

          五輪・ア・ラ・モード(東京2020)──「中止だ 中止」を添えて(3)

          つい先頃、家族の知り合いのお孫さんが新型コロナ感染症で亡くなったそうだ。1人暮らしをされていた、まだとてもお若い方である。 --------------------- オリンピックを、大規模な契約という一定の範囲の輪の中に収まるイベントだとイメージしたとき、そのすぐ外の周縁部には、人の暮らしに欠かせない重要分野が存在している。保健医療分野である。そしてそこに無言の圧迫をかけ続けながら、祭典の華やかさの中で勇気と感動を与えると唱えていたのが今回のオリンピックであった。 実

          五輪・ア・ラ・モード(東京2020)──「中止だ 中止」を添えて(3)