分離壁に阻まれる日常

音楽フェスの翌日、ラマッラー郊外のタイベ村で行われるオクトーバーフェストに参加する。

まずはベツレヘムからラマッラ、そしてタイベに移動しなければならないのだが、分離壁のおかげで直線での北上ができないのだ。地図で見るとこんなに近いのに。ベツレヘム、エルサレム、そこからラマッラに向かえば直線しかし、大きく右に迂回して分離壁、チェックポイントを避けなければならない。

早起きしてベツレヘムのバスターミナルに向かう。エルサレム行きとは違う、ローカルというのか西岸地区を走るバスだ。はっきり言って、エルサレム行きのバスとはクオリティが違う。バスというより大きめのタクシー、小さな観光バスと言った感じだ。

エルサレム行きのバスよりも小高い場所にあるこのターミナル、たくさんのバスがところ狭しと駐車しており、出発するバスは何度も切り返したり、クラクションを鳴らしたりしてやっとこさ道路へ出る。

黄色バスで犇めく。各地行き先を告げる大声が響き渡っている。

はい!ラマッラー!!

手を上げて叫ぶと、大勢のおじさんたちがわたしの方を向く。みんなが一斉に1台のバスを指差した。ラマッラ行きだ。
バスに乗り込むともう人がいっぱいだった。いっぱいと言ってもわたしが7人目。そう、後ろに3列、そして助手席。

さあ、出発だ。シートベルトをすると誰ともなく、後ろからお金が回ってくる。それを前の人が受け取り、運転手に渡し、支払い完了となる。お釣りは運転手から前列そして後列に手渡しされる。

ベツレヘムから走り出すと広大な羊飼いの村が見える。眠たくとも古代に想いを馳せたくなるほどだ。羊飼いの村と分離壁。どこを走っても素晴らしい景色の中にある分離壁。

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