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自由に働き方を選択できるシニア人材の活躍は、個人のキャリアの可能性を広げることに。定年にとらわれない次世代キャリアモデルを自らつくりましょう!

労働力不足はシニア人材の価値を発揮するチャンス

企業が深刻な人手不足に直面する中、シニア人材の活躍が改めて注目されています。
この状況はシニア人材自身が自らの価値を正当に評価されるまたとない機会ととらえることができます。


長年培った経験と高度な知識・技術を武器に、これまで以上に自身のキャリアを主体的に選択し、活躍の場を広げられる絶好のチャンスが訪れているのです。

企業がシニア人材の処遇改善や継続雇用に前向きになったのは、そうした貴重な人的資源を確保したい思惑があるからに他なりません。
つまり、シニア人材には正当な対価が支払われるべき価値があると、企業自身が認識を新たにしたということです。

採用難の時代


日本全体をみた時に労働力不足、人材不足は深刻な問題です。
人材不足が理由の一つでもある賃金の上昇は働く私たちにとって追い風です。

なぜ、トヨタ自動車はシニア人材の活用に積極的な姿勢を見せるのか。その理由は、日本の製造業でよく指摘される人材不足ではなく、採用難への危機感だ。現在の同社では人手不足はそれほど深刻ではないという。ところが、「人を採りにくい環境になりつつあるということを強烈に感じている」(同社)。

というのも、他の職種や業界の処遇がどんどん良くなっているからだ。サービス業については、同社は東京・品川の牛丼店の例を出した。その夜間シフトの時給が1700円であるのに驚いたというのだ。加えて、九州をはじめ地方には半導体などの工場が新設されて雇用が生まれ、地元の就職を優先する人材が増える傾向にあるという。

トヨタがシニア活用を強化へ 設計の心教える社内塾も

優秀な人材を確保するために、個々人の事情に応じて柔軟に対応し、年齢ではなく役割と能力で処遇を決めるといった企業の新しい姿勢は、シニア人材一人ひとりのキャリアプランを後押しするものとなります。

これまで定年という日本独自の雇用制度の慣行の壁に阻まれてきたシニア人材のキャリアに、新たな地平が開かれつつあるといえるでしょう。
企業は人材不足を補うための施策としてシニア活用に動き出しましたが、それは同時にシニア人材自身にとっても、自らの価値を最大限に発揮する絶好の機会なのです。

長年の経験から生まれた手腕を遺憾なく発揮し、後進の指導やチームをリードするなど、これまでの活躍を十分に生かせる場が広がりつつあります。企業にはシニア人材の意欲と能力に見合った適正な処遇を提供し、キャリア形成を後押しすることが求められています。

シニア人材自身も、こうした機会を逃すことなく、自らの価値を改めて見つめ直し、今後のキャリアを主体的に設計していく必要があるでしょう。人手不足という企業にとっての危機が、シニア人材自身の活力に満ちたキャリア再設計のチャンスになる可能性を秘めているのです。

シニア人材も自由にキャリアを選択できる環境づくりを

近年、労働者個人が自らのキャリアをより自由に選択し、充実した活躍を続けられる環境づくりが求められています。企業の人手不足対策として、あるいは高齢者雇用推進の側面からシニア人材の活用が注目されていますが、労働者側から見れば、年齢に関わらず多様な働き方を実現できる新たな選択肢の一つと受け止められるでしょう。

トヨタのシニア活用


上記でも取り上げましたがトヨタのケースを改めて紹介します。
このケースに注目した背景はトヨタがモノづくりから価値づくりに重点を移していることを感じだことです。
働く私たちにとってキャリアは価値をつくり続けることです。
その継続的な価値づくりの可能性が拡大しています。

■65歳以降の継続雇用で新たなキャリアチャンス
トヨタ自動車が65歳以上の人材の継続雇用を検討していることは、高齢期に向けて新しいキャリアを開拓できる自由度の広がりを意味します。これまで60歳代前半で強制的に雇用が終了してしまう傾向がありましたが、定年到達後も意欲と能力次第で活躍の場が確保されることになります。

■処遇の柔軟化でモチベーション維持が可能に
また、役割と貢献度に応じて処遇を柔軟に設定するというトヨタの方針は、シニア人材のモチベーションを下げずに済むメリットがあります。現状では、再雇用後の大幅な処遇ダウンが人材の意欲減退を招いている側面があります。しかし、活躍に見合った適切な処遇が提供されれば、高いモチベーションを維持してこれまでのキャリアを十分に活かし続けられるはずです。

■個別対応で多様な活躍スタイルを実現
さらに、個人個人の事情に応じて柔軟に対応し、年齢ではなく役割と能力で雇用を判断するとの方針も高く評価できます。定年到達後の人生設計は多様化しており、一律の年齢制限に当てはめるのではなく、個別のニーズに合わせた働き方を選択できるようになることが望ましいからです。75歳で現役を続ける人材の例を参考に、一人ひとりの事情を尊重した上で最適な活躍スタイルを見出せるようになれば理想的です。  

■経験の継承に止まらない働き方モデルをつくることは次世代の重要な支援に
一方で、シニア人材には次世代育成の面でも大きな役割が期待できます。トヨタのハートマーク人材育成室のように、長年培ってきた経験とノウハウを後進に直接伝承する機会を設けることは、若手人材の技術力向上に大きく寄与するはずです。高度な専門性を持つシニア人材にはそうした活躍を求めたいところです。

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