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『イケコの笑劇場』〜舞台袖から見た風景〜


2023年7月11日(火)
<ノユーク・チャイpresents vol.6>
「イケコの笑劇場 たまにはお茶でも飲みながら」を開催させていただきました。

 [プログラム]


1部  パントマイム・創作一人語り・ウクレレトーク・腹話術etc
休憩  マルシェやフリードリンクでおくつろぎください
2部  パントマイム劇「ブナの木の下で」
終演後 オープンスタイムにて歓談

大盛況のパフォーマンスライブでした。まさに「笑う劇場」。ライブの臨場感。醍醐味。パフォーマーとお客様との双方向のコミュニケーション。満席のお客様には、イケコさんの多彩で豊かな表現をたっぷり味わっていただけたのではないでしょうか。

ライブ動画

ノユーク・チャイのYouTubeチャンネルにて一般公開させていただきました。よかったらご覧ください。

お客様おひとりおひとりに、心を込めてお礼申し上げます。
行き届かないところも多々あったかと思いますが、皆様のご寛容とご協力に助けていただきました。主催者冥利に尽きます。笑顔や会話を思い出すたびに、無上の喜びにしみじみと感じ入っています。

あの日の約束

主演のイケコさん。
見事な復帰ライブおめでとうございます。あの日の約束を果たすことができて私はとても幸せです。イケコさんのがんばる姿は、いつだって私を励まし、勇気を与えてくれます。

「あの日の約束」については、以前noteにも書きましたので少し抜粋します。

[(武田明美さんの箏ソロライブの準備を進めながら)
「これが最後のイベントになるかもしれない…」と、体操の指導をお願いしているイケコさんにポロリと本音を漏らしたら、
「さいごじゃないですよ〜。私のライブがまだやってないですから」って、おっしゃる。
「そうですね!やらせてください、ぜひ!!深く深く潜っていくイケコさんを目の当たりにしたいです」
と無責任にも、無鉄砲なお返事をしていました。
そういうわけで、復活イベントは、イケコさんのパフォーマンスライブに決定です。そのときはぜひ、復活した私に会いに来てください!]
(「明日も青き踏むために」2023,1/19掲載文より抜粋)

イケコさんと私は、2月にそれぞれ大きな手術をしました。そこからゆっくりゆっくり養生し、回復を実感した5月ごろから、ライブの具体的な計画を立て始めました。
「お互いに元気になったらライブをしましょう」と言う約束を、想像していたよりもはるかに素晴らしい形で完遂できたことを心から嬉しく思います。

マルシェを盛り上げてくださった『ブロンジェリー風の杜』の山口さん、『figハウス』の根岸さん、焼き菓子をたくさん手作りしてくれた木川友江さん、マスコット制作のみっちゃん(イケコママさん)、ありがとうございました。
ウエルカムフラワー制作のみわらさん、いつも素敵な寄せ植えをありがとうございます。
椅子をお貸しくださった『紫苑』の小林オーナー、お世話になりました。

スタッフの武田明美さん、設営・受付・照明・進行と、細やかに気配りをしてくださり助かりました。
撮影スタッフのきづなさん、母のワガママを力強くフォローしてくれていつもありがとう。

双方向のコミュニケーション


お客様から嬉しい感想をいただきましたのでご紹介します。
「本当に素敵なライブでした。パントマイムを見ることのできないたった一人の視覚障害者である私のために、曲ごとに解説を書いて送ってくださったイケコさん。公演中にアイフォンを使うなんて…、と最初は勇気がいりました。でも、曲ごとの解説をアイフォンで聴きながら、会場の皆さんの作り出す空気感を感じながら、見えない私にも楽しむことができました。朝子さんとイケコさんの作り出す、人と人の輪と和。その余韻が、美味しいパンやジャムの温かい味と共に、ずっと心に残っています。ありがとうございました。そして、素人の私の拙いお菓子をニコニコ笑顔で買ってくださった皆さん、恐縮しつつ…ありがとうございました。」
夏休みをとってわざわざ都内から参加してくださった木川友江さんは、マルシェでも大人気で、焼き菓子も完売でしたね。
イケコさんは、見えない彼女にもパントマイムを感じてほしい…と進行表にそった解説書をデータ化してくれました。そして「表現を言語化することで自分自身の理解も深まって、とてもよかった」と終演後、話していました。木川さんはどの場面も彼女らしく全身で楽しんでくれました。双方向がゆるやかに歩み寄ることで、いい時間を共有することができたような気がします。

「ブナの木の下で」


ところで、イケコオリジナルのパントマイム劇「ブナの木の下で」を私が最初に観たのはいつだったでしょう…。
森を舞台にした壮大な物語に心惹かれて、いつかまた観たいものだと思っていました。ですから今回のライブが決まった時に、一つだけリクエストさせていただいたのがこの「ブナの木の下で」だったのです。

この作品は、黒姫の里山「アファンの森」の再生に尽力されたC.Wニコルさんの活動を知ったイケコさんが、実際に「アファンの森」に行き、そこで感じたことやご自身が大切に思うものから作った、イケコオリジナルのパントマイム劇です。約20分の渾身のひとり舞台です。
奇遇ですが、私もここ10年ほど毎年のように信濃町の森林セラピー旅行に参加していました。「アファンの森」も森林メディカルトレーナーさんのご案内で何度か訪れていました。それもあって、パントマイム劇「ブナの木の下で」は大好きな演目なのです。

(noteでは「黒姫ヒーリング紀行」というシリーズを掲載していますので、ご興味がありましたら…)

森へ

この5月、ライブの日程が決まったあとに、イケコさんと私は森を歩く旅をしました。森のガイドの池田雅子さん夫妻にいざなわれて、長野県佐久市の望月の森を訪ねたのです。


「山の神」と呼ばれる巨木のある古い森と、台風の土砂で流された後に再生した新しい森。雰囲気の違うふたつの森を…。
旅のテーマは「佐久望月の川辺の新森を訪ねる旅 ~感じ、進化する私~」。

ヤナギの白い綿毛がいっぱい風に舞っている新森では、小川の近くまでたぬきが挨拶に来てくれましたっけね。脛まである長靴を履いて、鉄色の小川をひとりずんずん遡っていくイケコさんは、まるで森と同化しているようでした。

ライブでは、森での出来事も思い出しながら、目の前で繰り広げられるイケコさんのパントマイムに見惚れていました。

神経がピンと張り詰めた指先や視線、滑らかなからだの動きによって、ブナの大木と鳥と少年の心の動きが、繊細にリアルに伝わってきます。きっと細胞のすべてで全集中しているはずなのに、不思議なくらいゆったりリラックスして見えて…。自由自在で…。慈愛に満ちた平和な世界…。初めて観た時より、イケコさんはさらに深く潜り、さらに高く飛翔していきました。本当に素晴らしかった!!

私は今回初めて、音響スタッフとして舞台づくりに参加させてもらいましたので、リハーサルも含め何回も立ち会うことができ、初めて気づくこともあり理解も深まりました。
理解と言うより…深い感動と静かな興奮を覚えました。本当に幸せな瞬間でした。(音出しのタイミングをミスらなくてよかった〜)

新しい感覚


ライブ直後、イケコさんはこう書かれています。
「今の私のからだと心でできることを思い切りやらせていただきました。やってみて新たに感じた事もありました。新しい感覚も増えたなぁと思います。今の私だから感じることもありました。今からまた始まる!そんな感じ。」
力をいただきます。何よりも嬉しいです。こちらこそありがとうございました。

舞台袖から見た風景…それは、ひとつの舞台ができるまでなんとたくさんの人に支えられているかという感謝の気持ち。そしてイケコさんのとんでもない努力と唯一無二の物語への感動。そこに主催者として非力ながら立ち会えたことの心の底からの喜びでした。

さて、ライブ終了後は燃え尽き症候群でしたが、私も次なる企画を立ち上げることとしました。どうぞご期待ください!!

<ノユーク・チャイpresents vol.7>
「ENATONE」CD発売記念LIVE
中山英二(ベース)  北沢直子(フルート)  武田明美(筝)
日時 10/24(火) 13:30開場 14:00開演


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