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季節を巻く「鶴岡の笹巻き」作り方

慣れ親しんだ黄色い笹巻き、こちらは昔から大好きな味です。
灰汁につける工程は長年作ってきた方でないと難しい作業なため、
いつか習得して将来の孫に食べさせたい味ですね。

今回も五十嵐のり子さんのエッセイを紹介します。
笹巻きに関する内容です。

「鶴岡の笹巻き」灰汁巻きのルーツ


 笹巻きの季節がくるたびにそのルーツを探ろうとして挫折していたのですが、今回、「幕府田来?」の説に行き当たりました。辿りつけなかった③が興味深くおもしろいです。 鶴岡の笹巻きは他の地域のちまきとは異なり、灰汁を使った黄色いゼリー状のもの。全国的にも鹿児島と鶴岡だけとか。

 ①北前船によってもたらされた?この説が有力だと思っていたのですが寄港地である酒田が白い笹巻きだというのが引っかかっていました。

 ②西郷隆盛が伝えた?鹿児島に同じ製法の「アク巻き」があります。戊辰戦争に敗れた庄内藩は西郷隆盛の計らいにより処分が最小限に抑えられたことは有名な話です。その為、西郷隆盛は庄内地方でとても慕われており、鶴岡と鹿児島市は兄弟都市にもなっています。が、戊辰戦争の80年も前の文献に「灰汁でちまきを煮る」という記述があるため、残念ながらこの説は違っていました。

 ③幕府田来?戦国時代に食べると大勝したという「朝比奈ちまき」。徳川家康がその存在を知り献上させたと文献に記されています。庄内藩を治めていた酒井家は「徳川四天王」のひとりに数えられるほど親密が関係にありました。合戦の縁起物とされていた「朝比奈ちまき」の製法を特別に教えてもらったとすれば、武家の多い鶴岡で広まり他の地域に伝わらなかったことにも説明がつく、というのです。納得できます。戦国の世に想いを馳せながら端午の節句に「笹巻き」をいただくとしましょう。

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