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副作用のない薬?そこになければありませんねぇ

昨年も大して書いてはいないのだが、本年一発目の愚痴を書きたい。もうすぐ退院なのでシップなどの薬の管理を自身で行ってもらっている患者がいた。

そもそもその話は薬剤部に来ていないため、指導にも言っていなかったのだが、ある日二日連続で3袋の湿布が出た。もともと痛みがあるとはいっていた物の違和感を覚え看護師に問い合わせたところ「一晩で12枚も使っていて。たかが湿布だから薬剤科通さないで自己管理にしていたんですけど問題でした?」

問題だらけである。たかが湿布されど湿布である。そもそも湿布というのは『経皮吸収製剤』に分類されるものである。字をよく見てほしい吸収と入っているだろう。そう、こいつ皮膚を介して体内へ吸収されるのである。当然内服に比べれば微々たるものだが血中濃度は上がる。そう、血中に入っているのだ。つまり要領によっては内服と同様、副作用はある。

そもそも看護師のたかが湿布という認識もずいぶんとあれだなぁと思いながら患者に会いに行きどう貼っているのかを聴取、両肩に各2枚、両足のひざ上とひざ下の前後に各1枚ずつ。もちろん内服での痛み止めも飲んだうえでの話である。意味が分からない。いや、痛いのだろう、それは分かる。とにかく湿布の成分が体の中に内服ほどではないが吸収されるのだと貼り過ぎれば副作用も起こしうるのだと説明すれば患者は驚いたように言う。

「たかが痛み止めで副作用って……」

そんなものないだろうという患者。私は真面目系クズなので真面目に優しい薬剤師さんを演じながら内心荒れ放題である。胃潰瘍になって苦しめ!と思いながらも改めて吸収される事と副作用の説明を行えば胡散臭そうな目で見られる。まぁ、中身はクズなんで胡散臭そうに見られてもいいんですけどね?

患者曰く湿布や痛み止め、その他にも花粉症の薬なんかはテレビのCMでもよく見かける類のものだし、副作用というものがないと思っていたとのことだった。

いやいや、CMでも「医師や薬剤師に相談して買ってください。」って最近は流れてるでしょう?なんでだと思っていたんだろうと不思議になりながらも痛みが強いのであれば別の対処法を考えねばとさらに聞き取りをしていればどうやら『痛み』ではないらしい。『なんとなく違和感』。私はなんとなく違和感にそんなに湿布を張るお前に違和感。

とにかく医師の指示通り1日2枚まで、と約束したが……

退院したら薬局で買って貼るんだろうな。退院して勝手にやったことに関しては私の知った事ではないけれどなどと思うのはやはり根がクズだからである。

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