スケッチブック

最初は黒い線だけの絵
可愛らしくていいんだけどね
色も付けて欲しかったって本音
手を休めてお茶でも飲んで

紙を破いては、折った
右手に持った
丸めてボールのように放った
そんな日々が長く続き
ある境目を跨ぐ すぐに

まるでモノクロの写真
転がるシャー芯
あの子は大きくなったらしい
もう何十年経ったんだ
何枚の紙を使ったんだ

壁に貼られたまま見る
あの子はまた椅子に座っている
ペンを走らせる音の心地が良くて
もうなんだか色褪せてきたようで

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