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教育の目的・教育の受益者とは?


個人・組織は社会の上に成り立つ

いかなる個人・組織も、社会の上に成り立つものです。従って、個人・組織の価値とは、すなわち現在の社会で、ある程度の合意の取れた価値観に照らし合わせて判断されるものとなります。

社会を作るのは?

今は変化の時代と言われます。社会そして、その価値観は変わっていくということです。ではその社会を作っていくのは誰か、というとそれもまた我々、今を生きている人々ということになります。
自分たちで作り上げた社会の上に自らの価値を定義し、継承していく次世代を育成していく、そういった流れで歴史というものが作られているのです。
この価値観が急激に、その当時の人々が予期せぬ方向へ変革してしまうことを「時代が変わる」というのでしょう。

企業が教育を無料で提供する意味

先日P&Gが無料でキャリア教育を提供するという話が話題となりました。

賞賛する意見が多かったのですが、これは奉仕(ボランティア)なのでしょうか?企業価値を高めるための戦略なのでしょうか?

P&Gに限らず様々な企業がこうした取り組みを行っています。P&Gは大企業、すなわち現在の社会において高い価値を提供している組織といえます。

その価値が絶対的なものではなく、基盤となる社会の価値観による相対的なものである、と考えると社会を安定させ、緩やかに好ましい方向へ変化させていくことは企業にとっても重要な使命となります。どんなに企業が頑張っても、価値観が急激に予期せぬ方向に変革してしまうようなことがあれば、価値を提供できないどころか、否定されてしまう可能性まで出てくるからです。

そのため企業が、組織内部向けのみならず、これからの価値観を作っていくことになる一般社会人の教育(ビジネス・キャリア教育とはいえ)に目を向けるのは当然のことなのです。

学校教育の役割とは

当然ながら教育の本丸は学校による公教育です。まさに人を教育するということは次の社会を作っていくということなので、その重大さが分かりますね。我々教員はプライドを持ってこの職に向かうべきだと思います。と同時にその責任も重大です。現在、日本は変化を嫌う、新しいことに挑戦のしにくい社会であると言われます。この価値観を作ったのもまた学校教育である、と考えればこれも真摯に受け止めるべきでしょう。

教育の受益者は?

こう考えると教育の受益者は、生徒自身だけではなく「社会全体」であることが分かると思います。我々は我々自身のため、次の社会のために教育を行っているのです。こういった視点から考えると今の学校教育は見直すべき点が多くあるのではないでしょうか。

まとめ

まとめると、教育とは社会を作る行為であり、その目的は社会の価値観を好ましい方向へ、緩やかに変化するよう促すこと。教育を怠り、あるいは見誤り、大きな好ましからざる変革がもたらされれば、それは直接的に自らの存在意義を否定しかねない。

従って、自らが価値を提供し続けることができるよう、社会の変化を安定感を持って担える人を多く輩出する必要がある。そのため学校・企業・地域社会などが様々な角度から教育に関わっていくことは必然と言えるのです。


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