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「さよなら」に代わる言葉を

Ariana Grandeを初めてみたのは、たしかヴィレッジ・ヴァンガードのモニターだった。
日本デビュー間もない時に、"Baby,I"のPVを見て、ティーンの時にマライヤを聴いた以来のときめき(最近の言い方だと"Spark Joy"なのかな)を感じて「この子はすぐに日本でも有名になっちゃうだろうな〜」と思った。

ハァ〜〜かわいい。

その頃はキュートな見た目にぴったりの歌詞だったので「いつこのイメージをブレイクスルーして、大人の顔を見せるのかな」と思っていたけれど、かわいいだけのイメージはずいぶん早く払拭していて、さすがだと思った。

その後リリースした楽曲を見ていけば、元々「かわいいだけの女の子」じゃなかったんだ、ということは誰でも分かると思う。

久しぶりに彼女の歌を意識して聴いた。
"thank u, next"というシングル。
ただの恋愛の歌にしておくにはもったいないな、と思った。

I’ve got so much love
Got so much patience
I’ve learned from the pain
I turned out amazing

I’ve loved and I’ve lost
But that’s not what I see
‘Cause look what I’ve found
Ain’t no need for searching
And for that, I say

Thank you, next

「たくさんの愛をもらったし
たくさん我慢もしてきた
痛みから学ぶこともあった
私は驚くほど成長したの

愛して、そして失って
でも得たことはそれだけじゃない
今の私を見たら分かるでしょ
考える時間はもういらない
だから言わせて、

ありがとう、次に行くね」

*****

(意訳満載。間違いあったらご指摘お願いします)

人が生きていく中で、何かとの「別れ」はつきものだ。
中には自分が切り裂かれそうになるほど、つらくなる別れもある。
情が深い相手であればなおさらのこと。
別れを考えるその度に、自分の気持ちに嫌というほど向き合うことになる。
相手には全く非がなくて、「嫌なヤツなのは圧倒的に自分」という時もある。

どちらにせよ、別れを決めたら、自分は次に向けて努力すべきなのだ。
別れを決めた時の自分に恥じないような、素晴らしい存在としての自分を目指すしかない。

そんな場面に直面した時、
ただ「さよなら」という冷たさのある言葉ではなく、
お互いが重ねた過去に賛辞を送り、
ささやかだけど(時には小さな皮肉とともに)未来の幸福を祈る、
そんな言葉があればいいなと思っていた。

"thank u, next"
心の中だけでもそう言えたら、それは素晴らしい出会いだったんだ。
そう思いたい。

別れも出会いも増える季節に向けて、書いてみました。

日本ではタトゥーの件などが先走って、お騒がせ女子のイメージを植え付けられている印象もあるアリアナだけど、
彼女の波瀾万丈な人生を知ってからこれを聴くと「人の運の総量」みたいなものをどうしても考えてしまう。
自分とさほど変わらない背丈の(欧米人としては)小さな身体には、いろんな栄光や苦しみを抱えて生きているんだろうなぁ、と、勝手に身を案じてしまった。

アリアナの活動には「愛らしさを持ちながらも、強く生きていくこと」への模索をひしひしと感じる。
「強い女=怖い」と感じられてしまうことが多い気がするから、このバランスを取ることはなかなか難しい。
そこを彼女は人生をもって証明しようとしてるんじゃないかな、と思う。

あのキュートなルックスを持っているからこそ、強い歌詞を歌い上げる姿が痛快なんだろうな。

何はともあれ、わたしはアリアナを応援しているよ〜!

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