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ハーヴェイ 1950 ユニヴァーサル製作

1950年の白黒映画だ。ピュリッツァー賞を受けたメアリー・チェイスの戯曲でジョン・ベックが映画製作した。監督は「気まぐれ天使」のヘンリー・コスターである。原作者とオスカー・ブロドニーが共同脚本を書いた。
舞台でも演じたジェームズ・スチュアートが主役を務めた。共演者は、この演技でアカデミー助演女優賞を受賞した舞台女優ジョセフィン・ハル、さらにペギー・ドウ、チャールズ・ドレイク。白黒作品。


ストーリー


エルウッドは、祖母の遺産で悠々自適に暮らす純朴な青年だ。何もすることがなくて飲み過ぎ、アル中になった彼は、巨大ウサギのハーヴェイが傍らにいる妄想をいつも見ていた。

ヴィータは、屋敷でパーティーを開催する。そこに入ってきたエルウッドが妄想ウサギのハーヴェイを紹介したため、客は次々と帰ってしまう。怒ったヴィータは、弟を精神病院に入れようとする。ところがエルウッドは、若いサンダーソン医師と意気投合して、ヴィータの方を患者だと思い込む。
一方、酒場でエルウッドは、サンダーソン医師とケリー看護婦の二人を交際させるのを成功する。
病院に連れ戻さたエルウッドは、底抜けの人の良さで次々と病院スタッフを巻き込んでいき、老病院長までもが巨大ウサギを見るようになる・・・。

雑感

傑作映画である。ジェームズ・スチュアートのファンタジー系の作品はいくつかあるが、図抜けている。元々、ブロードウェイでジェームズ・スチュアートが演じていたのが大きい。助演女優賞を受賞したジョセフィン・ハルも映画と同じ役を演じていた。

戯曲家である原作者が共同執筆しているだけに脚本が素晴らしい。
しかし、戦争PTSDでアル中が問題となっていた時期だけに、「ハーヴェイ」はアカデミー脚本賞にノミネートすらされなかった。確かに、アル中で家庭崩壊した人にとっては、面白くない作品だろう。

スタッフ



製作: ジョン・ベック
監督: ヘンリー・コスター (『オーケストラの少女』)
原作: メリイ・チェイス (ピューリッツアー文学賞)
脚本: メリイ・チェイス オスカー・ブロドニー
撮影: ウィリアム・ダニエルズ
音楽: フランク・スキナー

キャスト

ジェームズ・スチュワート・・・裕福なエルウッド青年
ジョセフィン・ハル(アカデミー助演女優賞)・・・姉ヴィータ
ペギー・ダウ・・・看護師ケリー
チャールズ・ドレイク・・・サンダース医師
セシル・ケラウェイ・・・精神病院院長



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