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“愉快なオトナたちのリアル講義”〜Ryuichi Kubo〜✠

高校生によるオトナたちへのインタビュー第4講
ストイックに冴え渡る音楽を弾き続け、現在ネクストステージに踏み込んだ ”ギタリスト” Ryuichi Kuboさんによるリアル講義
RETRO GRTION, THE Hi-HOPES 等、数多の伝説を持つKuboさんの思考を聴き解く今回のインタビューは〜Ryuichi Kubo〜。音楽を愛し続けるプロフェッショナルの思考法をここに書き留める。




Ryuichi Kuboさんのインスタグラムは↓






1, 仕事:focus



仕事:focus





音楽と両立させて、もう20年以上、仕事もしてるんだけど。やっぱり、どんなに音楽が忙しくて仕事に手が回りにくくなった時でも、仕事はずっとしてきたね。それもあって、疲労で年1回ペースで倒れてたのがRETRO GRETIONの時になるんだけど。同じような境遇の人もたくさんいると思うけど、僕も頑張ってきたよ。


メジャー化の話が来たり、本格的に仕事が手につかないくらい忙しくなったり。何度か辞めようと思うことがあったね。それで、世界中でライブやってまわりたいと思って、さすがに辞めようとしたら、休職すれば?って提案してもらって。。キツくても、ちゃんとやってたよ。

そんな僕が、仕事も音楽もどっちも続けられたのは、労働者の音楽が好きだからかなー。うん。ジョー・ストラマーみたいにポリティカルで、『生きてると辛いこともあるけど、生きていこうよ』っていう。ソーシャルディストーションとかそれなんだけど。

今、考え直すと違くて、そういう音楽やってる人たちも、お金ありきでやれてるわけで。でも、働いてやる方がロックだと思ってた。働いて汗水垂らしながらやる音楽がロックだと、自分の中では今も思ってるね。

しかもさ、自分の場合は地方の方から出てきてるんだ。地方から出てくるのってホントに大変で。子供の頃から都会にいて、実家とか実家の近くでやれるような人たちとは金銭面とかの余裕が全然違うんだよ。安心感だってないわけだし。
だから、そういう人恵まれてるたちに対する劣等感みたいなものはずっとあって。羨ましくて。僕の方が日々に危機感を覚えながらやってるし、負けたくねぇ、みたいな。

で、バイトとか仕事とか決まった時間でお金を稼いでいって、練習時間が圧倒的に少なくて。でも、僕はカッコいい音楽をやりたかったからさ。ラモーンズのスリーコードだってカッコよさが成り立ってるけど、もっとテクニカルなものを継続していきたかったわけだ。僕にとっては。

練習量はケタ違いに必要で、毎日お金も稼がなきゃいけない。

どうしよう。 ってなって。

それで、誰にも迷惑かけないし、自分の疲れも一切無くなってる”朝”に練習することにした。

朝早く起きて、”1時間”、電話がかかってきても、話しかけられても、練習だけに集中する時間を設けるようにしたんだ。『今はこれをやる、今はこれをやる、今日はこれをやる』って、20年間、今も計画立てて続けてるよね。

上手くて、カッコいいギターを弾くために練習してきてるから。「仕事しててもできるんじゃん!これ!」って言われたかったしねー。自分のやれる時にやってきた感じかな。ひたすらに練習して、まずはカッコよくなりたかったんだ。

成功者は往々にして朝早くに起き、頭のスッキリとしている午前に、集中的に仕事を片付けることが多い。
少しでも早く起き、勉強やクリエイティブなことを積み重ねる習慣をつけることが後の武器になっていく。





2,化学変化:business



2,化学変化:business





アイデアを出すのにも、モノを作るのにも行動するのに若い時の方が瞬発力みたいな、これスゴイし、カッコいいんじゃないかっていうのはあると思うね。こう、勢いがあるし。


歳を重ねて引き出しが多くなり過ぎていくと、アレっぽいな、コレっぽいなっていろいろ1人で考えることが多くなっていっちゃう。コラージュみたいなもんで、アレとコレをくっつければこの曲が作れるとか。終着点から逆算するオトナの作り方として、ビジネス的な目線から考えられるようになっていくんだ。経験から、自分の中にあるモノを組み合わせて理想に合ったものに仕上げていけるようになる。

でも、全く音楽のことをビジネスとして僕は見たことがなくて。

自分でゴールを見つけないというか、噛めば噛むほど味が出る酢昆布のような作品を作っていきたいんだ。苦悩ありきだし。はっきり言えば、お金の匂いがしない音楽が好きってこと。

感動のためにお金を払う必要があるのか。感動とお金は関係ないじゃん。って思うことがあるからさ。音楽でお金のことは考えない。だから、働いてるし。

ゴールがあるよりも、アイデアとアイデアがぶつかって化学変化でどうなるか。素材は自分が持っていって、人々にパートは考えてもらって。自分では完結させたくないと思っちゃうからさ。

その人その人の良さが分かってから始めて、音楽を作っていきたいし。時間はかかるけどバンドマンらしさがでて、想像できない面白さを求めて作りたいんだ。人とやるのが好きだし。音楽って楽しいものだから。自分が楽しい音楽を作っていきたいよね。

若い時には若い時らしい、衝動的な行動が。
経験者には経験者らしい、頭脳的な行動が。 それぞれに適した行動方法がある。
しかし、オトナの中にもはいつまでも無邪気な心をもつ人もいる。
適している、適していないに関わらず、本当に楽しめる道を選ぶべきなのだ。





3,「僕にだってできる!」:important



3,「僕にだってできる!」:important





今まで選択を迫られた時には、遠回りな方を大体選んできたね。近道はほとんど選んでない。

その分時間はかかったけど、世界でいろんなものを見て体験することができた。人生振り返ってよかったと思うよ。

高校から大学に行くのが当然と思ってた。でも、ギターの学校行こうとか考えつくことがなかったね。
どう自分の曲を組み合わせるか、どういうのがやりたいかしか考えてなかったもん。

一個一個のCDでも曲からジャケット、何から何まで大切だった時代が、”自分で検索”、”自分で調べる”が簡単にできるようになって。現代は選択幅が広いよね。サブスクで何千曲も聴くとか、やっぱりそういうのがなかったっていうのがあるから。もうちょっと発展してたらと思うことがないじゃないよな。

だからこそ、より多様なものを多様なまま見れたのはよかったね。世の中ホント不思議なことばっかりだったよ。世界を通じて遠回りしたことで、物事をいろんな角度から見て決断できるようになっていったと感じるもんね。

あとね、98年に好きなバンドを全部観たい!ってアメリカ放浪した時に「僕にもできる!」「僕にだってできる!」って思ったね。

大スターで、すごい憧れで。自分の場合は旅して会いにいったわけだけど、自分と好きなのが似てて。っていうかに自分を似させてたんだけど。やっぱりね、身近に感じたよね。そういうのになりたい!って。無茶だけど、僕にだってできるんじゃねぇかってなったかなぁ。何事にもそう思うし、ずっと信じ続けてきてるよ。

だって、RETRO GRETIONのアルバムを出した時に、世の中ひっくり返してやる!世界を救える!!って本気で思ったからね。冗談抜きで。なんだってできるって思ってるから。
やっぱり、そういう気持ちとか念とかがすごく大事だよ。

たとえギリギリであったとしても、”手の届く範囲にある”って思えることが素晴らしいよね。すっごくでかいことだと思う。

好きなことを心ゆくまでじゃないけどさ、自分の描いた理想に近づけられるって。なんていうか、、いいことだもんね。

周りを巻き込むほどの、”想い”・”ビジョン”・”思い込み”。
強い念で行動を貫き通せば、それを人は『狂気』と言う。
『狂気』は、後にファンを増やし、『成功』となる。『念』は狂気の、『狂気』は成功の糧となるのだ。





4,儚:nervous



4,儚:nervous





ーーー好きな言葉とかってありますか?

「儚」
人生にしても栄光にしても自然にしても、儚いものだし、だから大切にしたいとも思うじゃん。しぶとくやっていきたいし。本をたくさん読むから、ハードボイルドなのも好きだし。儚さって結構、身近でも感じるものだもんね。

僕は、常にどんな小さなことであっても、緊張感を持って臨んでるね。当たり前だけど、僕だって緊張するし、緊張することで素晴らしいものが出来上がると思うよ。

例えば、バッターボックスで大スターが緊張感ない、だらけた顔だったらどうよ。感動なんて生まれてないでしょ。応援したくもならないよね。
何をやるにしても、余裕なく張り詰めた表情で、その空気感がこっちにも伝わってくるからこそ美しいわけで。

バッターボックスに立つ一瞬だったとしても、そこから感動が生まれるし。一瞬だからこそ儚く、心にくるものがあるんじゃないかなぁ。

緊張をあえて発現させるルーティン。。あったら便利かも!





5,人間関係



5,人間関係





今まで人間関係を構築する上で、そこまで意識してきたわけじゃないけど、良かったら全力で良かった!!って伝えてきたね。昔から僕は。

その人のどこがダサいのか、気に入らないのかなんて絶対に探さない。仕事でも音楽でも、良かったところ、カッコいいと思ったところだけを見てきた。
そして、最高だった時に、全力で一緒に喜んできた。

他人は他人だけど、悪かったところなんて本人も自覚して悔いてるだろうし、そこで、少しでも褒めてもらえたら嬉しいじゃない?指摘するよりも、喜びあう方が単純に楽しい関係になっていくしね。

音楽を通して僕が思ったのは、なんだろうと、誰だろうと、好きになったら一生懸命やってね!ってこと。

完全燃焼しきらないと、モヤモヤするし。途中で飽きたり、諦めたりすることがあっても、後々に残されるわけだから。好きなことをやってる人の行動には、感じるものがあるよね。美学とか。

そして、どんなことであっても、1人でできることはないでしょ?
独学であっても、動画だったり経験だったり、何かしらの手段で人から教わるじゃん。ライバルとか仲間もできて、仲良く競争することにもなっていくし。

だから、人の気持ちのわかる人間になってほしい。自分が優しい大人ではなかったから。

僕は、いろんなモノを失くしてから、「自分には優しさが足りなかったんだ。」って気づいて、いろんなお別れを経験する前から優しい人でありたかった。そう思った人間なんだよ。

過去の人から学ぶこともたくさんあって、失くしてから初めて考え直すこともあって。感謝することが難しいことも多々あると思う。
それだって、普段から心がけてたら減らせるだろうから、みんなの心が優しくあってほしいね。

人は、失って気づくことが多々ある。そして、その後悔する前に戻れないかともどかしくなることも多々ある。
人に会った時、決断をする時、自分が後に悔いを残すことがないか、一度立ち止まってみることも大切だ。





6,エピローグ:Punk Rock Expression



6,エピローグ:Punk Rock Expression





仕事だけ、音楽だけ。1つのことだけにフォーカスした方がパンクな生き方かもしれない。


歳を重ねるごとに仕事も忙しくなってるし、どんなにキツくても手術をしてからリハビリを欠かしたことはない。でも、自分にとって音楽はビジネスじゃないから、2つともやるしかないじゃん。

しかも、本当に楽しいとは思えないような人生も過ごしたくないんだ。叱言ばっかりで、つまんなそーに生きるのが。僕にはできないと思ったね。カッコいいとも思えないもん。

あと、人は音楽だったり他の芸術だったりの方が、自分の想いを誰かに伝えやすい時もあるのよ。そういう表現方法があれば、少しはマシな人生になる可能性だってあるし。豊かになる子供たちだっているだろうからね。だから、”仕事だけ”にも、”音楽だけ”になることもないって思ったかな。

音楽は、アスファルトの熱さも山のデカさも表現できる。その、情景や景色を映すっていう感覚は今でも忘れてないわけだ。だからね、できるんだと思う。いつまでも。それを自覚させてくれたライクーダーのことが好きで、僕はライクーダーになりたい!っていう気持ちをずっと持ってる。

より困難な道だからこそ熱くなれて、越えたくなるっていうのだってもちろんあるし。自分に負けたくないよなぁ。まずは。

ひとつであろうと、複数であろうと、必死に追求してそれをやり遂げようとする姿はカッコいい。
マルチタスクになることを恐れてはいけない。より難易度の高い道を選び、理想に近づこうとするあなたは美しいのだから。





7,プロローグ:再結成



7,プロローグ:再結成





腕がいうことを聞かなくなった時に、「許せない」とか「恥ずかしい」とはやっぱり思っちゃったね。それで自分で自分と喧嘩もしたし。

で、全く違う人になってしまおう。今までの縁を断ってしまおう。って、仕事を一生懸命やって、熱中できそうな趣味をいろいろ試してみたよね。

美しいものが枯れていくみたいなのが、すごく自分の中ではイヤで。ダサい部分を見せたくないって。美しい、最頂期のまま終わりたかった。
まだ自分はいけたのに!なんて思ったのよ。

でも、僕の腕は僕のやりたいことに付き合って、追い込んだから壊れたんだ。壊れたのも、今となってはムダじゃないと思うし。なんというか、人の温かみとかも知れたしね。やっぱり音楽が続けたいんだよ、僕は。

13のときに聴いたピストルズが、僕にパワーを与えてくれてから、僕は音楽にパワーや勇気をもらい続けてる。

当時は、髪を切って逆立ててザマミロとか思ってて。何に対してだよって、今となってはだけど。。ただ、Sex Pistolsをテレビで観ただけなのに。でも、そういうことだよね。自分の開放なんだ。今もそういう力をもらってるし。

僕も、人々に感動と力を届けたいんだよ。自分が好きで、楽しんで届けたい。
だから今度はね、枯れるまで努力するね。
自分のやれることを精一杯、時には歯を食いしばってでもやり込もうと思う。おっさんになるまで努力するよ。やっぱり、やらなきゃなんだと思ってるよ。

そして、僕と僕の腕で再結成した。それも悪くないんだ。本当に悪く思わないんだよな。

思うようにギターが弾けなくなってからは音楽が試練でもあるけど、やっぱり好きだし、楽しくてカッコいいギターを弾き続けて、聴いてくれる人たちにも楽しんでもらいたいから。

音楽が好きなんだよ。だからこれからも、努力を重ねていくね。

自分の現状と向き合える人は多くない。誰だって逃げ出してしまいたい。
だから、ひとつでも多くのコンプレックスや弱点と向き合おう。向き合った時間や数だけ、自信につながっていく。






なぜそもそも、インタビューをしようと思ったんですか?
ーーー自分は今まで、想いはありながらも行動ができなくて、やっと自分が本気になれそう!って思えた企画だったから!
決断することが、優柔不断な自分の中では結構重要で、クリエイティブな仕事をしている人たちの決断って重いものだと思ってるから、是非聞きたいと思ったんですね。もちろん、憧れの人とたくさん話したいって言う思いとか、学生時代に何をしたらのちの役に立つのか知りたかったりだとか、文章を書くのが好きだからっていうのもあるね。
実行に移してからは、絶対に本にする!っていうのを大きなモチベーションにして、今も書いてます。他の人がやらないようなことをしたかったし。
素直に尊敬できる人ばかりだから、めっちゃ楽しくてタメになってます!


インタビューに協力してくださったKuboさん、本当にありがとうございました!
めっちゃ胸が熱くなってます。ヤバいヤバいってビビりながら今回書いたんですけど(笑)、最っ高にメッセージが脳に直撃してきて、すごく貴重な経験になりました。この学びは、一生忘れません!



神回!


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