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【ネタバレあり】ゴジラ-1.0 時系列感想 覚えているうちに

ゴジラ-1.0 観てきました。
ということで、ネタバレありでとりあえず、だらだらと可能な限り時系列でみていた瞬間の気持ちを書きます!(ちなみに私は平成初期VSシリーズ育ちでシンゴジ復帰組です)


↓以下にネタバレ記載









冒頭、ゼロ戦で登場する神木君。
「永遠の零」は読んでいたので整備不良による不時着という状況はすぐにピンとくるものの、彼の場合は嘘だったようですね。
そして夜に現れたゴジラ。
第一印象は怖い。ゴジラが丁寧に一人ずつ咬みつくシーンって見たことなかったので驚きました。一緒に連れて行った息子(7歳)がびびらないか、そっち見ちゃったもん(大丈夫だったけど)
息子の前で、人を咬みちぎったらショッキングだとおもったけど、ぽーいしてくれるゴジラ。ありがとう、そこまで残酷なの求めたないのよ(まぁ踏みつぶしてたけど)
ジュラシックパークのトイレのおじさんが、がぶーっとやられるのが軽いトラウマじゃなくて….いい思い出になった身としては気にしてたけど、そこそこマイルドにしてくれてありがとう。
そして、撃てない敷島少尉。よくよく考えればこの場面の20mmで倒せていたのかもしれないけど、倒せないかもしれない→自分が狙われる→撃たなければ助かる、と思ったら撃てないよなぁ。
こういう撃てないシーンってへたれ感でて共感できないパターンも結構あるけど、撃たないことが利益につながるような雰囲気出して、そりゃ撃てんよねって思わせる流れすごくよかった。

東京へ帰る敷島少尉。あんまり戦争のこと知らないけれど、生き残った兵士にとってはつらい時代なんですね。安藤サクラさんの批難は痛いものがありますね。
そして浜辺美波ちゃんの登場。
時代に合わせてきっちり汚れた感じも演じれる俳優さんは信頼できますね。
二人の仲の進展について、ネットの感想などみると、大したイベントもないのに深まるの早いだろ、みたいなコメントも見かけましたが、こっちはゴジラ観たくて来てるんだし、このへんあっさりでいいです。こちらで補完しますので。安藤サクラさんの掌返しも私にとっては、テンポが早くてよかったです。そんなにひっぱらなくていいかと。
地雷の回収船の面々もいいですね。佐々木蔵之介さん好きな俳優なんでうれしかったです(ネタバレ踏まないように情報入れてなかったので出演知りませんでした)
そしてゴジラの接近に呼ばれる地雷回収船のメンバー。この時代そういや自衛隊もないし、米軍いなかったら何もできませんしね。
無情にも足止め役を任される面々。そしてそれを受け入れる船長。いいおっさんだ。そしてゴジラ登場。手柄を取るぜと言ってたのに見た瞬間に逃げようと言い出す船長も非常に共感できますね。
貧弱な装備ながらも2発の機雷を効果的に使おうとするメンバー。登場人物がきっちり最善を尽くしたうえでそれを上回る窮地というのが好きなのでこのあたりすごくスリリングでありながら腑に落ちる感じがよかったです。(登場人物はありえんへまをして勝手に窮地に陥るような展開は好きではないので)
口内の機雷がそこそこ有効な事実を見せる、という演出が後々効いてきますし、話の上でも重要な場面だったと思います。
その後の艦船の迫力の映像に大満足。当日はimaxで観ていたんですが、本当によかったと思える場面でした。

そして銀座。
今回ゴジラが50mと小さくなったことは知っており、心配していましたがそんなこと関係ない迫力でしたね。圧巻の破壊具合で、CGのレベルがものすごく高くて大満足。シンゴジラは非常に大好きな映画ですが、CGのレベルは低く、そもそも作り手が見た目を特撮風に作ったような印象があったのですが、古の特撮同様本物を作りたいんだという気概が伝わってきました。昔の特撮みるとちゃちさが目に付いて、ミニチュア感を楽しむ趣も昨今では生まれてますが、当時作ってた人ってけしてミニチュアを作ろうとしてたわけではなく、リアルなものを作ろうとしてたと思うんですよね。シンゴジラは時代のわりに、その辺ちょっと投げて、特撮感によせたと私は思っているのですが、マイゴジは本気でリアルに描きたいんだなということがこの銀座の映像から伝わってきてものすごく好きになりました。
定番の記者登場もお約束踏まえていいですね。昔は、ゴジラいるのに新聞記者が取材するのバカだろうと思ったけど、昨今のSNS見てるとやっぱこういう人は一定数いるだろうなと思います。
あと橋爪功いたよね、橋爪功!!
敷島登場で典子との合流はケータイもない時代になんで、と思うかもしれないんですが正直ここはストレス感じなかった。ジュラシックワールド最終作でみんな簡単に合流できる展開にはご都合主義だろと心の中でつっこみまくった私ですが、ここのご都合主義はそんなに見ていて気にならなかった。多分非常にテンポがいい展開だったからだと思う。
そして典子がかばって吹き飛ばされる場面。なんかほっこりするストーリー進行してきたし、敷島が迎えに来た時点で助かったと思ったのでこの展開には驚きました。
シンゴジラは国家にとっての脅威としてゴジラを描いた名作ですが、マイゴジは個人にとっての脅威としてのゴジラを描いたんだな、と痛感しました。
アキコの演技にもう涙腺うるうるですよ。なに、あの子役。助演女優賞とってええんちゃうんの?
正直ゴジラで泣いてしまいましたよ。流れ出るほどの涙がでたわけではないですけど、うるうるでしたよ。これは泣いたと言わざるを得ないし、ゴジラでこんな気持ちになったの初めてかもしれない。
べたと言われればべたですが、こういうのには私はすごく弱いよ。山崎監督が過去作で露骨に泣かせる場面入れてかえって醒めてつまらない、みたいなバッシングされてたのは知ってるんですが、これは泣くしかない。三児の父親だからなのか、ぜんぜん醒めなかったよ。

そしてゴジラとの再戦に向けての作戦会議。
火力で押し切れないなら別の手でどうにかしようという、ゴジラ定番がここできたーーーー!テンション上がるね。フロンガスでそんなことになるかなんて知りませんがいいですね。あとゴジラの誘導に縄張り争いを使うっていうのはいいアイデアですね。私の知ってる限りでは、誘導する場合はミニラとかそういう感じだったのでこういう変化球は新鮮でいいですね。
そして戦闘機登場、零戦以外の何かだろうけど、詳しくないし、風立ちぬの9試単戦くらいしか思いつかなかったけど、出てきたのはシンデン。何それ、知らないのであとでぐぐろう。多分実在してるんだろうな。と思いながら見る。
決戦前夜の学者さんの演説。脱出装置もない粗末なみたいなコメントでなんとなくこの後の展開を察する私。しかし、話が読めるからつまらないとかそういうことはない。べたでも、それはぜひやってほしい、と思う。
安藤サクラさんへの電報も同じで、先が読める気がしたが、絶対そうなってほしいと思いながら推移を見守ることに。

そしてゴジラが再登場。シンゴジラみたいに備えたところに再びやってくるという定番は大好きです。
そういえば音楽のことは書いてないけど、伊福部音源そのままと思われる音楽すごくいいですね。息子ものりのりだった。
そして現れるが、あっさり上陸して、予定通りにいかないのもいいですね。戦闘機での誘導でどうにかプランに戻すなど、納得感のある展開に満足。
そしてどうにかゴジラを海に呼び込む展開に。
私の知ってるゴジラって、地上戦メインだったのでこういう海での戦い新鮮でした。最後に海に突き落とすってのはあるんですが、海での戦いを主眼にした演出は新しいと感じて楽しませてもらいました。守る意味でも水際でたたくのは大事ですし。
今まであまりなかったのはなんでだろう?海上自衛隊の火力が制限されてるとかなのでしょうかね。
作戦中、船も落とされるものの、どうやら無人機だったようで、人的被害は免れたようですね。敢えて台詞で説明せずに、映像で示すのもいいですね。説明口調すぎるとテンション下がるので、こういう無駄のない展開好きです。
援護にくる民間船とかべたべたですがいいですね。あと急浮上でゴジラにそれなりにダメージ入ってるの見てほっとしました。
そして最後は戦闘機での特攻、脱出装置あるだろうと思ってみてたので脱出の描写もきっちり見えました。
そして最後に病院での典子との再会。べたべたですし、なんであの爆風で助かったのか突っ込みどころはありますが、生きてないとだめですよ。あのまま典子が死んでいたり、典子は助かっていたのに敷島が特攻で死んでしまうすれ違いとか、そんな悲劇的な選択肢もあったろうに、きっちり生存してくれてよかった。ぬるいとか言われてもこうせにゃあかんだろうと。
そして安心していた最後に、やっぱりゴジラは死んでいないという、定番のオチで終わるというゴジラファンへのサービスも忘れないのいいですね。
初代ゴジラは倒し切ったはずなので、今回はそんな感じかなと思ってましたが平成シリーズでも定番だったゴジラは死なないというラストが帰ってきてうれしかったです。

とこんな感じで観ていました。
シンゴジラに比べれば国家の動きや、政治的な駆け引きがありませんが、そういうのはシンゴジラでやりつくされていますし、戦後で政府が機能していないこととして人間ドラマにしたのはなかなかよい演出ですね。
また最近子供と一緒に観ていて思うのですが、平成VSシリーズって結構とんでもな設定多くて、光線戦車やスーパーX、未来人、エスパー、宇宙怪獣など、我々が生きるのと別の世界だな、と思わせされるところがあるのですが、今回の当時存在するもので何かしようというスタンスもいいですね。現有兵器での対処、ここは良い意味でシンゴジラを継承したかと思います。
これまでのゴジラはなんだかんだでゴジラをどうしようか?なんで生まれたのか?にフォーカスされており、今回は敷島が主人公で、ゴジラが添え物のような感じのストーリーなので不満のある人もいるだろうけれど、その結果シンプルなストーリーラインに落ちたので、シンゴジラとは方向が違う形で万人受けするよい作品になったなぁと思いました。
私はシンゴジラを除けば、VSメカゴジラとかVSキングギドラとか大好きなんですが、ストーリー突飛すぎて特撮ファンか、特撮に興味を持った人にしかおすすめできないけど、これは映画好きな人にすすめられるのでいいですね。いつまでも特撮ファンのためだけにゴジラを押し込めておいてはいけないと思うので、そういう立場からするとぬるいと言われてもこういう路線での大衆化は大事だと思います。既に書きましたが、ゴジラって本当は特撮っぽいものがやりたいわけではなく、本物に見せるようにしたいというのがあってその過程で生まれたのが特撮風表現であって、その表現をいつまでもなぞっちゃいけないと思うんですよね。別にSFものもやりたいわけではなく、いかにゴジラをリアルに見せるか考えた結果がSFだった訳で、さっきスーパーX(平成VSシリーズに出てくる対ゴジラのビーム兵器みたいなやつ)ありえない、みたいに書きましたが、ゴジラが長年存在する世界があれば、専用の兵器作る方が自然だよっていうリアリティ追求した結果で生まれた設定だと思うし、どうリアルに作るかがあったんだと思います。今回はそこを継承していてCGもゴジラっぽさとかではなく、本当に凶暴な怪物がいたらリアルにどうみせるかをゴールとした映像づくりにある種本物の特撮の精神をみたと思い、満足な一作でした。
他の人の感想だとドラマが嘘っぽいとか演出がーみたいなのあるけど、正直初代をのぞいて私が見てきた平成VSシリーズなんてそんなにドラマあったわけじゃないと思うからいいんじゃないかと思う(どう考えても未来人とかエスパーとかの方が嘘っぽいじゃん)

でもシンゴジとマイゴジの後に作る人は本当に大変だろうな。
怪獣VS怪獣の路線もハリウッドがカバーしてくれてること考えると、何が残ってるんだろうな。ゴジラ主観くらいしかなさそうな気がするけど面白くなる気ないなぁ、それじゃあ。



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