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コミュニティとは関係性の集合体

この前『コミュニティのカレッジ』のイベントに参加した。

その講義イベントのなかで「コミュニティとは関係性の集合体である」という話があった。
なんとなく「そうだなぁ」と感じつつ、「そもそも『関係性』ってなんだろうな…」とも疑問に持ったので、今日は「関係性」について考える。

「関係性」「関係」の意味

実は「関係性」の意味を調べても、あまり出てこない。
唯一検索して出てきた意味はこちら

関係しているということ。または、関係している度合い。
単に「関係」と換言可能な場合も多い。

実用日本語表現辞典

次に「関係」の意味を調べてみる。

1 二つ以上の物事が互いにかかわり合うこと。また、そのかかわり合い。
2 あるものが他に対して影響力をもっていること。また、その影響。
3 人と人との間柄。また、縁故。
4 性的に交わること。
5 (他の名詞の下に付いて)その方面。そういう領域。

デジタル大辞泉

先のコミュニティの文脈における「関係性」の意味に一番近いのは3の「間柄」や「縁故」だろう。ちょっと近づいた感覚はあるが、あんまり核心を突いた意味ではなさそうだ。

「relationship」「relation」の意味と語源

切り口を変えて、英語の意味を調べてみる。
「関係性」を表す英語は「relationship」だろう。

1 the way in which two people or two groups feel about each other and behave towards each other
2 the way in which two or more things are connected and affect each other
3 a situation in which two people spend time together or live together, and have romantic or sexual feelings for each other

ロングマン現代英英辞典

こちらもデジタル大辞泉の意味と近しい内容だろう。
最後に語源を調べてみる。

https://imageeitango.com/word/relation

実はこちらが一番調べてみて、しっくりきた。
「relation(ship)」とは「昔の話と今の話を関係付ける」というイメージということらしい。

つまり
「そういえば高校2年の頃、文化祭でお化け屋敷やったよなぁ」とか
「入社式の社長の挨拶、長かったよなぁ」とか
過去の話を今の話題として出すことができる間柄を「relationship(関係性)がある」と呼ぶということではないだろうか。

「なるほどなぁ」と思いつつ、実はしっくりきてないこともある。
というのも、その定義だと一度何かしらの共通体験をすれば、その相手との関係性はずっと続き、変化しないということになるからだ。
つまり「関係性が変わる」「関係性を深める」という事象の説明が難しいのだ。

例えば、些細なことでケンカをしてしまい、そこから話しかけづらくなって、相手と疎遠になってしまう、縁が切れてしまうということがある。
これは一般的に「関係性が変わる」とか「関係がなくなる」と言ったりするが、先ほどの定義だと「関係性は今なお存在する」と言えてしまう。

また学校の帰り道に、いま抱えている悩みを打ち明け、相手がその相談に親身に乗ってくれたとする。そうすると相手に対する親密性が高まるし、一般的に「関係性が深まる」とか「強固になる」と言ったりする。
が、これも先ほどの定義だと「関係性は変わらない」と言える。

個人的な暫定解

だとすると「関係性」の核とは何だろうか?

ここからは個人的な見解になるが、先ほどの「関係性を深める」「関係性が変わる」という事例を踏まえると、「関係性とは見方である」と捉えるといいのではないだろうか。

例えば、Aさんが「Bさんとは良い関係性だよ」ということは「AさんはBさんに対して良い見方をしている」ということだと。
AさんがBさんとケンカして、話しづらい関係性になることも、Aさんから「Bさんは話しかけづらいひと」という見方をしているとも言えるし、
逆にBさんとの関係性が深まったら、それは「Bさんへの見方が詳しくなる(解像度が上がる)」と言える。

関係性とは「一本の線」に思えるが、実は「それぞれの見方」の総体と捉えた方がイイのかもしれない。
自分がAさんのことを親友関係だと思ってても、Aさんからは「ただの友人の1人の関係」ということがあるが、それも関係性を見方だとすれば合点がいく。

関係性は見方の総体

「コミュニティとは、関係性の集合体」について

関係性とは「相手への見方」と捉えると、冒頭の「コミュニティとは、関係性の集合体である」という言葉も、一個人視点では「コミュニティとは、色んなひとへの見方を持っている場」と捉えることができる。
(一個人ではなく、より俯瞰的に捉えるなら「コミュニティとは、色んなひとの、色んなひとへの見方が集まった場」だろうが、分かりづらいので割愛)

そう捉えることで「より新しい見方を見つけよう」「より見方を更新しよう」と思えて、コミュニティでの過ごし方や活動方針もちょっと違って見えるような気がする。

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