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「対談ラボ ×本山雅志選手、野沢拓也選手」から学んだこと

今シーズンから鹿島アントラーズのトップチームコーチを務める岩政大樹さんが以前運営していた「PITCH LEVELラボ」のコンテンツです。下記は世間では「天才」と言われる本山選手、野沢選手との対談映像から学んだことです。3人は2007~2009シーズンの鹿島アントラーズ3連覇に大きく貢献しました。現在、本山さんはマレーシアで選手を続け、野沢さんは育成年代の指導をしています。


本・拓(野沢さん)は相手SH,VO,SBの三角形のスペースで受けることが多い。
 外から中(上記のスペース)に入ってくるタイミングが上手い。(図1)

図1

野・自然といたのが良い立ち位置だったのかもしれない。

野・スペース探してそこにいるだけ。
 形にこだわらず、どう動いたらもらえるかを相手を見ながら判断する。

野・体のキレと自信が結果につながった。

野・競争心や危機感がプレーにつながり、自信につながった。

本・ポジションがぐちゃぐちゃになっても、なんとなくいなきゃいけないところが分かっていたから問題なかった。

本・俺は中で受けるよりはサイドに開いてボールを受けて、SB,FWとのコンビネーションで攻撃を展開したい。中に入るときはワンタッチで中にパスする時。(図2)

図2

野・逆サイドにボールがあるときのフリーランは常に狙ってる。(図3)

図3

野・瞬間的に見えたものに素直にプレーする。

本・子供の頃は基礎練をしっかりとやっていたことが良かった。

本・ドリブル突破は勢いと度胸。
 かわすドリブル、ずらすドリブル、スルーパスのドリブルを使い分ける。
 勝負する時は味方が周りにいない時。中にドリブルしてるときはシュートとスルーパスを狙ってる。

本・取ったらパスから入る。ドリブルより速いから。中盤では。相手ゴール前付近では違うけど。

野・2006年のナビスコカップ決勝で最初で最後の涙を流した。
 そして、満男さんがイタリア行って、本気になった。

岩・4-4-2、守備局面のSHは難しい。

本・ファーストプレス、中から行くか縦から行くかの判断。ファーストでとる必要はないので、限定してセカンドで取る。後、プレスバック入れるぐらい。後は次(攻撃)のことを考えていた。

岩&野・相手SBがオーバーラップしようとしている時のついていき具合は駆け引き。ついていきすぎず、残っている。そして取った後、FWが起点になった後の動きを判断する。バランス。

野・守備の時はSBを助けようと意識していた。
 篤人のSB、やりやすかった。

本・監督は下がれって言ってるけど、試合やってるのは俺らだから、そこまで下がらなくていいと満男さんに言われた。そこら辺は上手くやってた。

本・スルーパスはCBをしっかり見て、タイミングずらして蹴る。

本・拓(野沢さん)の右から相手の右CBの背後を狙ったランニングは意外だった。2対2(2FWvs2CB)の状況だったから瞬間的に数的優位をつくれて、有効だったと思う。すげーなと思っていた。(図3)

野・ゴールに直結する動きを考えていた。
 そうしたら、不必要に下りなくなった。俺の仕事じゃないから。

岩・最近の例えばいい立ち位置なんかを感覚的にプレーしたい選手に伝えちゃうと言い方的に窮屈なのかなと個人的に思っている。

野・それはあるね。

岩・それぞれの仕事(役割)を明確にしてあげ、そのためにどうするを伝える。Ex)ゴールに直結するためのポジション、動き

本・そこで下りると回すだけになってしまう。(図4)

図4

岩・ゴールを目指しつつボール回しも上手いという選手が日本は少ない。

本・ボール回しだけになっていたら無理する場合もある。
 通るわけないと思ってもイチかバチかチャレンジすることはある。

岩・これって90分をどう考えますかという話。

本・体が疲れている時、割り切って長身のFWに当ててセカンドボール拾うスタイルのサッカーもしていた。

野・点が入っていない時とか一点ほしい時とかに「セットプレーにしろ!」、セットプレーにするとは考えていた。得点できる自信があった。

野・体かるい、ボールめっちゃつくなっていう感覚はある。
 上手くいかない時は90分の中で早くフィーリングを直そうとする。
 ベテランになるとフィーリングが悪い日はほとんどない。余裕なのかな。

本・俺は基本シンプル。調子いい選手につける。ある程度任せる。徐々に良くなっていく。

岩・チームに2,3人調子悪い選手がいるのは当然。

岩・サッカー、上手くいってる時は確かに良い距離感だけれど、こういう時はこのぐらいの距離感とかある?上手くボールが回る時ってどんな時?

野・距離感なんか関係ない。コンパクトだからどうとかないと思う。

岩・チームの流れが悪い時にどうしようとかある?

野・俺にボール預けろみたいな。
 鹿島以外ではボールを受けに行ったり、ゴール前まで行ったりと役割が沢山あった。

本・守備の場合は距離感があると思う。コンパクトにしてセカンドボール先拾うとか。攻撃は距離感よりポジショニングがかぶらないことが大事だと思う。同じところ狙わない。選択肢を多くする。相手が引いてきたら横の距離(幅)を広げることは考えていた。

岩・距離感は結果。選手たちはそんなこと考えていない。

本・俺はすごいなと思うのが大樹はゴールを守ることを常に考えていて、自分の能力も知ってるし、そのために周りを締めたり、広げたりしていた。そこまで考えているひとはなかなかいない。

本・監督がこう言ったから、うちのチームはこうだからではなく、自分の能力を考えて、例えばカバーリングの距離を自分の能力に合わせて変えるとかそういう所を(育成年代に)教えてほしい。シュートコースの切り方とか。

野・チームバランス。それぞれに役割があった。

岩・拓(野沢さん)は子供達に何をどのように教えてるの?

野・中学生教えてて、大事にしているのは基礎。
 ライセンス取るには理論とか入ってくるけど、俺は理論でサッカーしたくない。

本・それでいいと思う。まずは基礎から。ピタッと止めるとか。

野・見本も見せる。強制はしないけど。

岩・力を抜いてプレーする感覚が大学までなかったが、鹿島に入ってそれこそ本さんとか拓とか見て、体を作り直したことがあった。

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