見出し画像

恐山の硫黄

恐山の硫黄 南部の恐山
 文明開化の後、恐山の境内から硫黄を採集することが行われた。
 その量は数十万貫で、かなりの人が集められたが、地元のものはひとりもいなかった。

 怖いもの知らずの外者ばかりの中で、このような話があったという。 
 賽の河原に近い坑道で作業していると、幼い子供たちの叫びが聞こえてくる。そこで、みんなで歌いながら行ったが、その合間合間にやはり泣き叫ぶ声が聞こえた。
 このときに坑道にいたものは参ってしまい作業をしなくなった。
 人を変え行ったが、今度は泣き叫ぶ声だけでなく、石が崩れるような音が響き、その坑道はついに使われなくなった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?