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【特殊ルール】Raid(レイドバトル)のススメ


はじめに

おはこんばんにちは。
普段はポケモンカードゲームを遊んだり、たまにポケットモンスターカードゲームを遊ぶゆるふわポケカプレイヤーです。

この記事では、先日開催されたポケモンワールドチャンピオンシップス2023 (PWCS2023) のサイドイベントで遊ぶことができた、ポケカの特殊ルール「Raid Format (レイドバトル)」を紹介します。

Raid (レイドバトル) とは

「Raid Format (レイドバトル)」は、ざっくり言うと以下のようなルールで遊ぶポケカです。

最大5人1チームで、強大なレイドボスと戦う協力型。
 与えたダメージに応じて、レイドボスの山札がロストゾーンに送られる。
 チーム全員が脱落 (ポケモンが6匹きぜつ) する前に、レイドボスの山札をすべてロストできたら勝利

海外ポケモン公式 (The Pokémon Company International: TPCi) がポケカの特殊ルールについてまとめたPokémon TCG Alternative Play Handbookでは、「Raid Format」として紹介されています。

ルールの特徴

レイドバトルは最大5人のプレイヤーが一つのチームとなって、レイドボス (Raid Boss) への勝利を目指す協力型のゲームです。
レイドバトルでは、何らかのポケモンのカード1枚をレイドボスとして扱います。
また、レイドボスのために専用の60枚デッキ (レイドボスデッキ) を用意します。

出典:Pokémon TCG Alternative Play Handbook

レイドボスとなるポケモンは (カードに書かれた) HPを持たず、きぜつすることがありません
そのかわりに、プレイヤーたちがレイドボスにダメージを与えると、そのダメージの合計に応じた枚数ぶん、レイドボスの山札の上からロストゾーンに送られます。
レイドバトルにおける「レイドボスへの勝利」とは、レイドボスにダメージを与え続け、レイドボスの山札をすべてロストゾーンに送ることを意味します。

レイドバトルにおける番は、プレイヤー全員が同時に行動するプレイヤーの番と、レイドボスが行動するレイドボスの番とを交互に行います。
ここでの同時にとは、プレイヤーの番の中で、プレイヤーたちの処理を好きな順番で行えることを意味します。
例えば、プレイヤーAがトレーナーズを使い、プレイヤーBがエネルギーをポケモンにつけた後、プレイヤーA、あるいはプレイヤーBがまた別の処理を始めることができます。

ただし、ワザの宣言・処理は、プレイヤー全員がまったく同じタイミングで行ったものとして処理します。
各プレイヤーがワザやその他の効果でレイドボスに与えたダメージは、レイドボスにダメカンをのせて記録しておき、レイドボスの番の終わりに、のっているダメカンの数に応じてレイドボスの山札をロストゾーンに送ります

注意:レイドボスは、ポケモンチェックの終わりにすべての特殊状態を回復します。

協力型ゲーム

各プレイヤーの対戦は、基本的には自分の場とレイドボスの場からなる独立した対戦として扱われます。
すなわち、ワザ・特性・トレーナーズなどで相手の場や相手プレイヤーにかかる効果を処理する場合、それらは他のプレイヤーに干渉せず、レイドボスに対してのみ効果がはたらきます。
ただし、スタジアムについては各プレイヤーの間で共有され、レイドボスの場と合わせて同時に最大1枚のみ場に出すことができます。

例:プレイヤーAがグッズ「あなぬけのヒモ」を使った場合、プレイヤーAのみ、自分のバトルポケモンをベンチポケモンと入れ替えます。
レイドボスの場にはベンチポケモンがいないため、レイドボスは入れ替えをしません。

あなぬけのヒモ

例:プレイヤーAがスタジアム「ボウルタウン」を場に出した場合、プレイヤー全員がその「ボウルタウン」の効果を使うことができます。
その後、プレイヤーBがスタジアム「テーブルシティ」を場に出した場合、すでに場に出ているプレイヤーAの「ボウルタウン」はトラッシュします。
その場合、プレイヤー全員がその「テーブルシティ」の効果を使うことができます。

ボウルタウン テーブルシティ

協力型ならではの重要なルールとして、サポートの使い方について2つの変更点があります。
1つ目に、プレイヤーの番に使えるサポートの枚数は、プレイヤーごとに1枚までではなく、チームとしてプレイ人数に等しい枚数までとなります。
枚数の制限さえ守っていれば、ある一人のプレイヤーが同じ番に複数枚のサポートを使うことができます。

2つ目に、あるプレイヤーがサポートを使ったとき、自分のかわりに他のプレイヤーにその効果を受けさせることができます。
また、サポート「ボスの指令」他のプレイヤーを1人選んで使うことができ、その場合、選ばれたプレイヤーに対する擬似的なグッズ「ポケモンいれかえ」としてはたらきます。

例:プレイヤーAが手札からサポート「博士の研究」を出し、プレイヤーBにその効果を受けさせました。
その場合、プレイヤーBは自分の手札をすべてトラッシュし、山札を7枚引きます。

実際に遊んでみよう!

レイドボスとデッキ

レイドボスとして、次の条件に当てはまるポケモンを (個人的に) オススメしています。
特にリザードンGX(SMP2)は、通常の4倍以上の大きさがあるジャンボカードにもなっており、レイドバトルの雰囲気をたっぷり演出できるイチオシのカードです。

 少ないエネルギーでもワザが使える。
 エネルギーがたくさんついているとド派手なワザが使える。
 ワザが3つ以上あり、運の要素が絡む。

出典:ポケモンカードゲーム公式ホームページ「トレーナーズウェブサイト」

レイドボスデッキにはポケモンのカードを1枚も入れず、トレーナーズとエネルギーのみで構築します。
トレーナーズは、以下のようなカードを中心に採用します。

2枚+αくらい山札を引く。
 レイドボスを回復させる。
プレイヤーを妨害する (場のエネルギーを減らすなど)。

出典:Limitless TCG

採用するカードには、運の要素が絡んだり、プレイヤーに選択 (相談) させる余地があると、ゲームが盛り上がるポイントを生み出しやすくなります。
エネルギーの枚数は、レイドボスのワザに必要なエネルギーの数に応じて適宜調整してください。

メモ:レイドボスデッキは、レイドボス役の進行係がいなくてもゲームが成立するように構築することを推奨します。
そのため、サンプルデッキでは、山札 (全体) の中からカードを選ぶ効果を持つトレーナーズを採用していません。

対戦準備

  1. レイドボスとレイドボスデッキを用意します。

    • レイドボスにはサイドがありません。

  2. 各プレイヤーは、通常どおり対戦準備を行います。

  3. あるプレイヤーの手札にたねポケモンがなく、手札の引き直しを行った場合でも、レイドボスは追加の山札を引きません

  4. レイドバトルでは、プレイヤーが必ず先攻になります。プレイヤーの最初の番、各プレイヤーは、

    • サポートを使うことができます。

    • ポケモンを1段階だけ進化させることができます。

    • ワザを宣言できます。

レイドボスの番

レイドボスの番では、番のはじめに プレイ人数 + 1枚 のカードをレイドボスの山札から1枚ずつ引き、オモテにします。
レイドボスは手札を持たず、山札から引いた (オモテにした) カードはただちに処理します (その処理が終わってから、次のカードを引きます)。
レイドボスの山札からカードを引くときに山札がない場合、レイドボスのトラッシュにあるすべてのカードをよく切り、山札に戻します (同じ番の中で1回のみ)。

注意:山札から引いたカードの効果で、追加で山札を引くことになった場合でも、それらの枚数は番のはじめに引く「プレイ人数 + 1枚」には数えません。

また、レイドボスはワザの宣言を除き、自分の番に1回できること (エネルギーをポケモンにつける・サポートを使う・スタジアムを場に出す) の制限を受けず、対戦中に1回だけ使えること (VSTARパワー・GXワザ) の制限も受けません。

例:プレイ人数が2人のとき、レイドボスの番のはじめに山札からカードを3枚引きます。
レイドボスの山札からサポート「ネモ」を引いた場合、ただちにその効果を処理し、レイドボスの山札から追加で3枚引きます。
その場合、この番、レイドボスの山札から計6枚のカードを引くことになります。

ネモ

例:レイドボスの山札から「基本炎エネルギー」を引いた場合、ただちにそのエネルギーをレイドボスにつけます。
同じ番の中で、再び「基本炎エネルギー」を引いた場合、ただちにそのエネルギーをレイドボスにつけます。

レイドボスが使ったトレーナーズなどで相手の場や相手にかかる効果を処理する場合、プレイヤー全員に対してその効果がそれぞれはたらきます
また、複数のカードの中からその一部を選ぶ必要がある場合、その効果を受けるプレイヤーが (あるいはプレイヤー全員で相談して) 好きなようにカードを選ぶことができます
ただし、「●●枚まで」「好きなだけ」の枚数指定がある場合、選ぶことのできる最大枚数まで選ぶ必要があります。

例:レイドボスがグッズ「クラッシュハンマー」を使った場合、プレイヤー全員は、それぞれ自分の場のポケモンについているエネルギーを1個選び、トラッシュします。

クラッシュハンマー

例:レイドボスがグッズ「ポケギア3.0」を使った場合、レイドボスの山札の上から7枚をオモテにし、プレイヤー全員で相談してその中からサポートを1枚選びます。
残りのカードを山札に戻して切った後、選んだサポートの効果を処理します。

ポケギア3.0

番のはじめの山札を引く処理 (トレーナーズなどの効果によって追加で山札を引く処理を含む) がすべて終わったら、レイドボスのワザ宣言に進みます。
具体的には、レイドボスについているエネルギーの合計で使えるワザの中から、ランダムに宣言するワザを決めます
レイドボスのワザによるダメージやその他の効果は、プレイヤー全員 (のバトルポケモン) に対してそれぞれ与えられます
レイドボスがワザを使ったら、そのワザに必要なエネルギーの数ぶん、レイドボスについているエネルギーをトラッシュします。

例:レイドボスであるピカチュウV-UNIONに「基本雷エネルギー」が2枚ついているとき、このピカチュウV-UNIONはワザとして「ユニオンゲイン」または「ビリビリショック」を使うことができます。
6面ダイスを使ってランダムに宣言するワザを決める場合、奇数 (1/3/5) なら「ユニオンゲイン」を、偶数 (2/4/6) なら「ビリビリショック」を使います。

ピカチュウV-UNION

レイドボスの番の終わりでは、レイドボスにのっているダメカンの数に応じてレイドボスの山札をロストゾーンに送ります
具体的には、通常、プレイ人数 × 10ダメージごとに1枚 のカードをレイドボスの山札の上からロストゾーンに送ります (ロストゾーンに送ったぶんのダメカンはレイドボスから取り除きます)。
レイドボスの山札をロストゾーンに送るときに山札がない場合、レイドボスのトラッシュにあるすべてのカードをよく切り、山札に戻します (同じ番の中で何回でも)。

例:プレイ人数が4人のとき、レイドボスにダメカンが38個のっている場合、レイドボスの山札の上から 380 ÷ 40 = 9枚 (余り20) のカードをロストゾーンに送り、レイドボスからダメカンを36個取り除きます。
余りのダメカン2個は、レイドボスにのせたままにしておきます。

メモ:プレイヤーたちが使用するデッキのパワーに応じて、ロストゾーンに送るカードの枚数を「プレイ人数 × 10ダメージごと」〜「× 20ダメージごと」の間で適宜調整するとよいでしょう。

勝敗条件

レイドボスのワザなどでプレイヤーのポケモンがきぜつした場合、レイドボスがサイドをとるかわりに、そのプレイヤーが自分のサイドをとります
プレイヤーが自分のサイド6枚をすべてとりきった場合、そのプレイヤーはゲームから脱落します。
プレイヤー全員がゲームから脱落した場合、プレイヤーたちの敗北です。

注意:プレイヤーがとるサイドの枚数は、きぜつしたポケモンの種類に応じます。
例えば、きぜつしたポケモンがポケモンexなら、プレイヤーがとるサイドは2枚になります。

プレイヤー全員がゲームから脱落する前に、レイドボスの山札 (およびトラッシュ) をすべてロストゾーンに送ることができた場合、プレイヤーたちの勝利です。

サイドを参照するカード

[注意:この項目は、Pokémon TCG Alternative Play Handbook に記載されていないローカルルールを含みます。]

レイドバトルにおいて、レイドボスにはサイドがありません。
また、各プレイヤーは、(相手のポケモンではなく) 自分のポケモンがきぜつしたときに自分のサイドをとります。
そのような場合でも、相手の (お互いの) サイドを参照するカードを有効にはたらかせるため、次のローカルルールを設定します。

レイドボスは、ロストゾーンに送られたカード10枚ごとに「サイドを1枚とった」とみなす。
サイドを参照するカードに書かれている「自分 (相手) のサイド」をそれぞれ「相手 (自分) のサイド」と読み替える。

例:あるプレイヤーのすでにとったサイドの枚数が4枚のとき、そのプレイヤーのかがやくリザードンは、特性「エキサイトハート」によってワザを使うための無色エネルギーが4個少なくなります。

かがやくリザードン

例:あるプレイヤーのサイドの残り枚数が2枚で、レイドボスのロストゾーンに送られたカードが30枚のとき、そのプレイヤーがサポート「ナンジャモ」の効果を受ける場合、そのプレイヤーは山札を3枚引き、レイドボスは山札を2枚引きます。

ナンジャモ

例:あるプレイヤーのサイドの残り枚数が2枚で、レイドボスのロストゾーンに送られたカードが30枚のとき、そのプレイヤーの進化ポケモンについている「リバーサルエネルギー」は、すべてのタイプのエネルギー3個ぶんとしてはたらきます。

リバーサルエネルギー

おわりに

この記事を読んで、レイドバトルをはじめとする特殊ルールに興味を持った方は、ぜひ近くのお友達と遊んでみてください。
レイドバトルの遊び方などにご質問・ご意見があれば、筆者の X (Twitter) アカウント (@tilanosaur) までお気軽にご連絡いただければと思います。

よくある質問

Q. プレイヤー同士で相談したり、手札を見せ合うことはできますか?
A. はい、できます。

Q. あるプレイヤーがバトルポケモンを出せなくなったり、番のはじめに山札を引けなかった場合、ゲームはどうなりますか?
A. そのままゲームを続けます。
プレイヤーの番のはじめに、そのプレイヤーの手札にたねポケモンがあれば、そのポケモンを直接バトル場に出さなければいけません。
バトルポケモンの有無に関わらず、そのプレイヤーは通常どおり番を行うことができますが、レイドボスのワザによって10ダメージ以上与えられた場合、そのプレイヤーは自分のサイドを1枚とります。

Q. あるプレイヤーがザシアンVの特性「けんのほうこう」を使った場合、プレイヤーの番はどうなりますか?
A. それ以外のプレイヤーは、そのまま番を続けます。
なお、「自分の番が終わる」効果を使ったプレイヤーは、他のプレイヤーが使ったサポートの効果をかわりに受けることができなくなります。

ザシアンV

Q. プレイヤーがラルトスのワザ「メモリースキップ」を使った場合、次のレイドボスの番、レイドボスのワザ宣言はどうなりますか?
A. レイドボスは「選ばれたワザが使えない」効果を受けず、通常どおりワザ宣言を行います。
[注意:健全なレイドバトル環境を保つために、上記のローカルルールを設定します。]

ラルトス

Q. プレイヤーがジュペッタexのワザ「とこやみ」を使った場合、次のレイドボスの番、レイドボスは山札から引いたグッズを使うことができますか?
A. はい、できます。
レイドボスは「手札からグッズを出して使えない」効果を受けず、通常どおり山札から引いたグッズを処理します。
[注意:健全なレイドバトル環境を保つために、上記のローカルルールを設定します。]

ジュペッタex

Q. プレイヤーがサポート「ジャッジマン」を使ったとき、レイドボスはサポート「ジャッジマン」の効果を受けますか?
A. はい、受けます。
プレイヤーの番であっても、レイドボスは山札を4枚引き、引いたカードの効果をただちに処理します。

ジャッジマン

Q. レイドボスであるフェローチェ&マッシブーンGXがワザ「ジェットパンチ」を使った場合、ダメージを与えるベンチポケモンをどのように選びますか?
A. 各プレイヤーが、それぞれ好きなベンチポケモンを1匹選びます。

フェローチェ&マッシブーンGX

Q. レイドボスであるフェローチェ&マッシブーンGXに「基本草エネルギー」が8枚ついているとき、このフェローチェ&マッシブーンGXがGXワザ「ビーストゲームGX」を使った場合、レイドボスのルールでトラッシュするエネルギーの数はどうなりますか?
A.「基本草エネルギー」を8個トラッシュします。

フェローチェ&マッシブーンGX

Q. レイドボスがサポート「アセロラの予感」を使った場合、どうなりますか?
A. ランダムにプレイヤーを1人選び、そのプレイヤーの手札にあるトレーナーズの枚数ぶん、レイドボスの山札を引きます。

アセロラの予感

Q. レイドボスがサポート「キクコ」を使った場合、どうなりますか?
A. レイドボスから プレイ人数 × 3個 のダメカンを取り除き、プレイヤー全員のバトルポケモンにそれぞれのせ替えます。
ダメカンの数が足りない場合、プレイヤー全員で相談して好きなようにのせ替えます。

キクコ

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