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おもちゃの与え方と集中力

昨日、こんな記事を目にしました。

ざっくりいうと、

・成績が上がる子と上がらない子の違いは集中力にある
・集中力がないのは、そういう習慣がないから

という内容で、集中力がつかない習慣の一例として、子供に対するおもちゃの与え方について言及していました。

「すぐに与える」、その姿勢が子供から集中力を奪う
では、なぜそんな子になってしまうのでしょうか? それも過保護が原因です。
子供のころから何かを与える。それに集中して遊び尽くさないうちから、すぐに別のものを与える。あるいは親が先取りして答えを与えてしまう、腕を引っ張って次に向かってしまう。それを続けているから、自分で判断ができないだけでなく、何かに集中して、観察して、あるいは使いこなして、自分のものにしていくことができない。そういう習慣が身につかなかったのだと思います。
そうではなくて、たとえば、おもちゃを一つ与えたら、徹底的に遊ばせる。遊んで、遊んで、遊び尽くすまで、ほかのものは与えない。そうすれば、たとえそれに飽きても、新しいおもちゃがなければ、何かで遊ぼうとするものです。そこから創意工夫も生まれます。
ところが、そのおもちゃに飽きてもいないのに、またすぐに次のおもちゃを与えてしまう。いつの間にか、たくさんのおもちゃが散乱している。そうなれば、心は散漫になる。興味の対象も絞り切れなくなる。それで分からなくなっているところに、両親やおじいさん、おばあさんがよってたかって、「次はこうするんだよ」と教えてしまう。そうやって落ち着きのない子供に育ててしまうのです。
そうした子供のころからの習慣が、おもちゃを勉強に置き換えてもそのまま出てしまうわけです。また、そうやって身についた習慣からは、おいそれとは解放されません。

これについては、私もほぼ同意見です。少し大げさな表現をすれば、「おもちゃをどのタイミングで、どれくらい、どのように子供に与えるか」ということは、「子供をどんなふうに育てたいか」「どんな大人になってほしいか」という、家庭での子育ての方針に大きくかかわってくると思います。この記事にあるように、おもちゃの与え方は子供に大きな影響を及ぼすからです。

事例:おもちゃがあふれる家

私が以前、片づけの仕事をしていた頃にうかがった家でのことです。

週末だったので、ご夫婦で在宅。お子さんはまだ0歳児と4歳くらいの男の子でした。

家中ものが多く床の上に散らばっているのですが、特に多かったのがおもちゃ。リビングにあふれていて、さらに、その横の和室もおもちゃでいっぱいでした。

まだ子供達が小さいので、私とママさんが作業をして、その間、だんなさんが子供達を外に連れ出すことになった(おそらく夫婦で事前にそう決めていた)のですが、その時、だんなさんが4歳の子供にかけた言葉が「ガチャガチャしにいこう」でした。

家中に、

遊びきれてないおもちゃ、
存在が忘れられたおもちゃ、
雑にあつかわれているおもちゃ

が山ほどあるのに、それを、私にお金を使って片付け作業まで依頼しているのに、またお金をだして、ガチャガチャをしにいこうと誘っているだんなさん。ママさんも、特にこの発言やガチャガチャをしにいくという行動を咎めることはありませんでした。

たくさんおもちゃがあることが悪いとは思いません。必要な量は子どもそれぞれ違うと思うし、子供の喜ぶ顔を見たいと思うのは親の性だから。

問題なのは、おもちゃの与え方。親にとくに何の方針もなく、ただ「ほしがったから」「200円で安かったから」「遊んでる間は手が離れてラクだから」「じぃじとばぁばが送ってくるから」というような理由で与えると、部屋は永遠に片づけないし、子供にも先ほどの記事にあったような影響は、少なからず成長にともなって出てくるのではないかと思います。もちろん、これも個人差があるので、100%ではないですが。

当たり前だけど、小さい子供は働いていません。働いていないから、お金もありません。部屋におもちゃがあふれているのは、全て親や祖父母などの大人が買っているから。

おもちゃをたくさんいつでも買ってもらえれば、その瞬間、あるいはある一定の時間は子供は表面的には楽しいかもしれません。でも、それを引きかえに失っているものもあると思います。

おもちゃの与え方はどうすればいいか?

では、どんなおもちゃの与え方がいいのか?というと、それは個々の子育ての方針による、というのが回答になるのかなと思います。おそらく正解はないのでは。

ちなみに、私の家ではこうしています。

・親からのプレゼントは誕生日とクリスマスの年2回
・それ以外は自分のお小遣いで買う
・お小遣いは子供が希望すれば幼稚園からあげる
・お金の大切さについて日頃から話をする

子供には、こう話しています。

・買いたいと思うものがあったときは「ほんとうにほしいか?大切にできるか?」とじっくり考えること
・「大切にできる」=「使ったら片づける」ということ。これが面倒だと思うようなものなら、自分にとって買う価値があるか、再度吟味すること。

もちろんこれはわがやの一例でベストではありません。子供が小学生になったら、親が一律ルールを作るだけではなく、子供と話すことも大切だと思います。今ならSDGsとからめて、モノを持つことの責任について話しあうのも、おもしろいのではないかと思います。



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