対局日記#547

2022/11/16

何とも言えない。

この局面に初めてなったので、▲6五歩と行こうと思っていたけど成立の仕方がわからなくて落ち込んだ。

正しくは▲5六歩△7四歩なら▲6五歩が行けるというだけで、ここで▲6五歩はいけない。
また、△5一飛なら▲3六歩~▲4六銀とする展開になるので、良い復習になったと思った方がいい。

気分が沈んでいるときはこういうの些細なことをきっかけに下に下に思考が行きがちなので、本当に気を付けないといけない。

この歩の垂らしも相当変な手だと思っていたが、咎められなかったことに苛立っていた。

▲5六銀△3九歩成▲6五歩△同歩▲5五歩△6三銀▲6五銀△6四歩▲5四銀

これで良しとは、まったく驚きである。
△2九となら▲2四歩△同歩▲2三歩で良し。
△同銀なら▲同歩△同飛▲3二銀で良し。

まあ言われたら分かるが、△3八歩と打たれた場面で▲5四銀までで良しと読み切るのは知ってないと無理。30秒だし。
そもそも価値観として、「と金(桂香損)と釣り合うためには銀ばさみをするくらいしかない」と思っているので、「銀ばさみできない→諦める」は現時点では妥当な思考だったと思う。30秒で仮に▲5四銀まで読んでいたとして確実に事故に遭う確率の方が高い。
つまり、その、見えなくても仕方なかったというか、自分の実力とはまだかけ離れた手であったから、見えなかったのは本当に仕方なかった。
次に同じ場面に遭遇したら「▲2四歩とか▲3二銀もあるよな……」と考えればいいだけで、今落ち込む必要は全くない。本当に気にしなくていい。
当時はできるだけ最善を指しただけで、あとになってああすれば良かったと過去の自分にとやかく言うのは間違っている。付け焼刃の最善手を指してもっと形勢が悪くなってたかもしれないし、この変化を知ろうとも思わなかったかもしれないから、結果的に勉強になったということでそれでいいじゃないか。

まあ、すごい気にしてるからこうやって書いてるんだけど。


▲5六銀はあまり自信を持って指した手ではなかった。
というのも△同銀▲同飛△同飛▲同金△3二金でなにも無いと思って青ざめていたから。

しかし実際はここで▲5三歩と垂らす手が好手で先手良し。
対中飛車でたまに出てくる筋である。

さっきも言ったけど、やっぱりたまたま最善の順に行けたとしてこうやって足を引っかけて転ぶのだから、全知全能でない自分を許そうという話である。


ここでも、かなり良いという実感がありながら具体的な手が見えなくて悲しくなっていた。
▲6四銀△3三桂と進んで、そこで▲4四飛から一気に行けばまだよかったものの、自信のなさを現れか先に▲6三歩と打ってしまい、△4五銀で一気に形勢が戻ってしまった。
多分、自信が無くて読み切れなかったところを先送りするために違う手を指して、結局封じられてしまって手順前後になった。自信が無いと、こういうところで損をする。良くも悪くも、あとで反省するのだから行ってしまうべきだった。
まあとはいえ、そうやって読み切れない変化をちゃんと避けてまだ粘りのきく方に手が行くのも完全に間違いとは言い切れない。手としては悪手だったが、長期的に見て負けにくい手であったとも言える。だから、良かったか悪かったかは、自分とちゃんと対話して決めよう。

自分の中で調子の波があって、また潮というのは満ち引きするものである。
具体的には満ち(攻め、自信あり)と引き(守り、自信なし)という自信のメーターみたいなところであり、多分いまは「引き」の方にあるんだと思う。よって今は、たくさん勝つというよりも、自分の弱いところを見つめて将来の負けを一つずつ支払っていくような時期だと思う。将棋はあくまで満ちと引きの中間地点、つまり中庸の部分に正解があるのだから、辛い今のような期間も必要であると思っている。
なので負けたら厄払いだと思って、不況だから貯金を貯めてるんだという気持ちの方が良い。多分今は、そんなに勝てなくても仕方ないと思う。


長くなってしまったので再掲。
ここでは▲7五歩が正解。全く考えてもいなかった。

このあとはハチャメチャながらも何とか寄せ切った。
まあ、こんな気分の中よく勝ったねと思う。それは褒めたい。

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